「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
野村克也氏の言葉として有名になりましたが、この言葉は野村氏のオリジナルではなく、肥前平戸藩の第9代藩主・松浦静山の言葉です。「負けるときは負ける必然的な要因が存在するが、勝つときには何故勝ったか思い当たらない、説明のつかない不思議な勝ちがある」というものです。
第34節のベガルタ仙台戦は「不思議な勝ち」とまでは言いませんが、必然性があって勝ったとも言えない。いわば「半信半疑」の勝利であったと言えそうです。
ベガルタ仙台戦を数字で振り返ります。4連勝を飾った仙台とのホームゲームは、チームの勢いの差が最終版での勝ち越しゴールにつながったと思います。それを後押ししたのはホーム、Cスタの雰囲気だったのではないでしょうか? ホームにはホームのアドバンテージがあることは否定しませんが、それだけで語れないほど勝負には不思議な綾があります。
14,156人の熱が選手に伝わってこの決勝点を後押ししたのだとしたら、それは非常に嬉しいことです。しかし、それほど簡単な勝利ではありませんでした。
では、この試合結果とスタッツを確認しましょう。
⚽数字だけ見れば、試合をかなり支配していたように見えます。が、相手の精度不足に助けられていたのも事実です。決して、内容が良かったとは言い難い試合内容でした。シュートも本数の割には枠内に飛んでなくて、こういう試合は先に失点してしまうと取り返せなくなる難しい試合だったと言えます。ラストワンプレーでの決勝点も柳が「事故があるかもしれない」と折り返したボールがたまたまそこにいたムークの足元に入ったことから起こりました。狙っていたプレーではなく結果オーライでした。ただ、それを枠内に沈めることができたのはムークの技術と気持ちです。不思議の勝ちとまで言い切れ似てのはそのことがあったからです。
順位は6位になりました。が、大混戦のリーグですから、次の試合の勝敗によってはどう転ぶか分かりません。試合の消化状況に違いがあるので、まだまだ混沌とした状態が続くでしょう。
ファジとすれば勝ち続けるしかありません。クラブ記録を突き抜けて連勝を続けましょう。そうして、目指す未来を自ら掴み取るのです。その後押しならいくらでもします。何が何でも勝たないといけない時期が今なのですから。
では、次節は山形でお会いしましょう。よろしくお願い申し上げます。