トイレタイム

きょうはお仕事のあと

山の手事情社のロミオとジュリエットを
みにいきました。


演出のセンスがすごくよくて。
ゑびすの演出も好きだし、
やっぱり私はこーゆー身体をつかった
かわった芝居が好みなのだと
つくづくおもいます。


さて、その山の手の芝居のはじまるまで
時間がだいぶ空いていたので
マクドナルドに寄りました。


私はマクドナルドにはいると
ＨＯＴコーヒーを注文して
席についてすぐに
トイレにたちました。

トイレにいくと
ドアノブの真下の鍵穴が赤くなっていました。
そこで男子トイレの真横に女子トイレがあったので
ついでに女子トイレの鍵穴もみました。
穴は赤くなっていました。


これは男女ともども先客か


とおもって
待っていようか
席にもどろうか
ちょっと考えて
待つことにしました。


ところが

1分待っても
2分待っても

いっこうにでる気配がありません。

男子トイレも女子トイレも。

どっちかいいかげんでてきてもよいだろう
とおもうのですが
でてきません。

どのみち女子トイレは無理ですが
それでもどっちかは
でてきてもよいのではないかとおもいました。


私はぜったいに


カップルがはいっている


そうおもいました。


二人そろって男子と女子のトイレにはいり
二人して長いうんこをしているのだと
ほとんど確信にみちたおもいでいました。


時は刻々とすぎていきます。


私は

くそっ、うんこカップルめ

とおもいながらドアのまえにたって
そっと、耳をそばだてました。

もちろん男子トイレのほうです。
けっして女子トイレのほうではありません。


ヤツはいったいどこまですすんでいるのか


カラカラと紙をとる音がきこえ


もうすぐか


というところからがまた長い。


まさか下痢か
下痢なのか


1秒が長く感じます。

女子トイレは沈黙をたもっています。


はたして本当になかにひとがいるのだろうか
私は騙されているのだろうか


根拠のない考えがうかんできます。

そうするうちに
男子トイレがあきました。

頭を剃った
マンガ喫茶にいそうな男で
ウォークマンをしていました。

彼はすたすたと店をでていきました。


どうやら女子トイレの彼女とは
関係がなかったようです。


ちょっとつまらなかったです。


女子トイレの彼女については
私が小便をしたあとでもまだ
でてきていませんでした。


ずいぶん長いトイレタイムです。



女子トイレの彼女は
きっと倒れているにちがいないとおもいました。
でも私はそれを確認しませんでした。

なぜなら
男なのに女子トイレをノックする勇気がなかったからです。