ちゅう いや ちゅ

さいきんは昼のバイト先で
延長して夜もやっています。

もともとはビール専門の飲み屋なので
夜こそが本番なので
夜はよく混みます。


私のこの昼、夜のバイトは
ビール専門とはいえ
ビールだけでなく多彩な種類のお酒をだしています。

いちおう
アジアンなお店なので
飲み物も

バーバーバー
とか
シンハー
とか

そういったアジアンビールのほかに

シンルーチュ（杏露酒）、リンチンチュ（林檎酒）、ライチチュ（茘乃酒）、
といった果実酒もあり

さて

その果実酒。

せんだってお客さんが注文するときに
迷っていました。

とある30代らしきカップルのお話しです。

私が呼ばれて注文を受けにいくと

彼氏が


ライチチュお願いします
いや、リンチンチュ、
やっぱシンルーチュ
うーん
シンルーチュで


それを見ていた彼女がすかさず


赤ちゃん言葉みたい


彼氏は初デートなのかなんなのか浮かれてます。
これはおもしろいとおもったのでしょう。


シンルーチュおねがいしまちゅ


私はその場を去りました。

ところが私はこのカップルと縁があるようで
そのシンルーチュを運ぶことになりました。
行ってみるともうすっかり彼氏は
赤ちゃん言葉になってます。
私が


シンルーチュでございます


お酒をおくと


彼氏は


ありがちゅ


そして私をみて
うれしそうに


もう一度飲み物の名前をきいてきたので
私は


シンルーチュです


と答えると彼氏は
おいてあった料理を期待をこめて


これはなんでしたっけ？


私は迷いました。

笑顔で。

彼女はやめなよーとか言ってます。
私は迷ったあげく


蟹と海老のチリソーちゅ、です


二人とも笑いました。

よほどうれしかったみたいです。

こうやって人との距離はちぢまっていくのです。

それからのち
他の従業員がオーダーミスで、
受けた注文をいれずに
何十分たっても料理がでなかったようで
そのカップルに謝ってました。
これは仕方ないなとおもって
私がその料理をもっていくことにしました。

そこで私がまず考えたのが

先制攻撃

料理をもっていくと彼氏がまちかまえていました。
そして彼氏に言われるよりはやく


大変お待たせしました
ゴイクンでございまちゅ


二人ともよろこびました。

彼女も微妙に引きはじめているようにみえたので
彼氏とうちの従業員に少しはフォローできたかもしれません。

私はそれから赤ちゃん言葉もうかんべん願いたいので
カウンターというお酒を作るところに
ひきこもって
お酒をつくってました。