一日一幸

2011年6月乳がんステーⅣ判明。現在ホルモン療法とゾメタ投入中。2014年2月小脳の手術をしました。

藤井隆「イロアセル」

2011-10-28 | 観劇記録
10月22日 新国立劇場 13:00~(約2時間10分)
作:倉持裕(ペンギンプルペイルバイルズ主催)
演出:鵜山仁
出演:藤井隆  ベンガル   剣幸  島田歌穂  加藤貴子  他  

内容は日本のとある島。
この島の住人達は口から出す言葉にそれぞれ独自の色が付いていて、空中に放出される。
また、書くとその文字も色つきで出て行く。
島民はそれをキャッチする機械で、他の人の言葉を全部知ることが出来る。
だから、島民は相手を傷つけない、怒らせない言葉を選んで発する。
そんな島に、囚人の男が送り込まれかごのような鉄格子の中に入れられる。
その男の周囲では島民は次第に集まり本音を打ち明けていく。
男は、その言葉をチラシに書き、ばらまく。
それが、次第に島を混乱に巻き込んでいくことになり・・


という架空のお話。

それまで穏やかに過ごしてきた島民が、本音も言えるようになるがそれと引き替えに、人間不信などの負の部分が明らかになっていく・・

藤井さん、気の弱い囚人かと思いきやだんだん人々を操るようになって、ブラックになっていく。
時々見せる意味ありげな顔がなかなか良かった。
ただ、激昂する場面ではもう少しその前から複線があって怒りを表すというあたりを工夫して欲しいなとは思った。

剣幸さんは傲慢な市長役をかっこよくやっていたし、加藤貴子さんは「温泉へ行こう」シリーズだったのかということはパンフレットを見てから知ったのだが、髪型なんかが違うし、演劇では、雰囲気が変わるのでまた別の魅力があった。

でも、たぶん一番印象深かったのは、島田歌穂さんだった。おいしい役だと思った。

ただ、作品としては、突拍子もない設定で、どうなるかと期待させておいて、最後は何となく終わってしまった感がある。
ちょっと唐突感が大きかった。
滅びの美学とまでは思えなかった。
後半3分の1をもっと詰めて考えてくれると、良かった。
後は、もう少し小さい劇場で上演されると、もっと違った印象になるかも。

アンケートを書くと粗品がもらえるというキャンペーンが、ここにしては珍しいと思った。