伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

杉浦茂

2009年03月17日 | 展覧会・絵
京都国際マンガミュージアムで今度、
杉浦茂の展覧会がある。
杉浦茂を読んだことはないが、
楽しく面白い絵だけなら見たことがある。





マンガミュージアムはミュージアムというより、
図書館と言った方が良いと思う。
もと小学校の校舎の廊下の壁という壁に
漫画本が所狭しと並べてあり、来館者は自由に閲覧可能。

だが並べ方が雑然としていて、
一応漫画家の名前のあいうえお順だと思うが、
それだけでジャンル分けなどなくて、法則性がなく、
しかも中古本なので、背表紙が揃ってないし、
あまりきれいな眺めではないのだが、…

でも見ている人はそんなこと気にならないらしくて、
ひたすら必死に読んでいる。
私はこういう所が苦手なので何だかなあと思うが、
外国人が多くて、観光地の一つになっている。


こういう所というのは、
それぞれが「個別に無言で必死に読んでいる」さまで、
本屋さんで客が無言で読んでいるのは気にならないのに、
どうしてこのマンガ「図書館」ではそれが気になるのだろう。
大体、本を読む時には無言でいるのが当たり前なのに。

ひとつは「必死」さかもしれない。
他人が必死になっている所を見るのは、
客観的には痛々しいものがある。
それと、自分自身が図書館というものに慣れていないからだろう。
もともと図書館が苦手なのだ。
これまであまり接触がなかった。


ただ国際マンガミュージアムは、企画が多彩だ。

大人でマンガに興味のない人も、
つい覗いてみたくなるようなバリエーション豊かな企画を立てている。
これがガンダムとかドラえもんとか何とかダンクとか言うような、
漫画オンリー企画ばかりだったら全然関心も持たないが、
これまでに国立博物館の河鍋暁斎の展覧会と連動した
「暁斎漫画」だとか、紙芝居とか、フランスの漫画特集とか、
今回の杉浦茂というように、
大人の鑑賞にも耐える企画を揃えている。
むしろ渋いというか、
いまどきのマンガではないものの企画の方が多い。

前回も書いたけど館長の養老孟司にはなぜ養老孟司?
と疑問が涌くが、
彼だからこそバラエティ豊かな企画が通っているのかもしれない…。

いつか小松崎茂もよろしくね。



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キョースマ

2009年03月12日 | 本・書評
「キョースマ」という情報誌は
関東や東京で売られているかどうか分からないけれど、
関西では、
いや京都ではどこの本屋にもあるポピュラーな情報誌。



今回は、著名人が語る京都の様々な場所の特集みたいだ。
中には市バスの何号線というのもある。
養老孟司のインタビューが巻頭に載っているが、
彼は京都国際マンガミュージアムの館長だからだ。


私はマンガミュージアムが出来た時、
館長に養老氏が選ばれたのを知って、
なぜ京都に住んでいるわけでもないこの人を館長にするのかな、
高いお金を出して雇って、
京都と何も関係ないじゃん(マンガとも)、とか思っていた。
今でもなぜ彼が館長なのか分からない。
でも養老氏は機嫌良く館長を務めているみたいだが…。

それよりも、今回のこのキョースマで嬉しいのが、
京都新聞を紹介していることだ。
京都新聞ファンの私はとても嬉しい。


京都新聞の良さは、一口には語れない。
地元に根ざした記事内容であることはもちろん、
文化財の公開、保存についての記事、
発掘調査の記事が多い。
連載記事も良い。

(現在は釈徹宗さんの「醒酔笑」についての毎週の記事が
抜群に面白い。)
一面を使った広告さえも面白い。
季節になると鴨川の(全店の)床の広告。
新学期や七五三には神社の案内広告も一面全部を使う。


キョースマには、
京都にはえらい人が沢山いるからコメント取りには苦労をしない、
という京都新聞記者の談話があったが、
梅原猛様や瀬戸内寂聴氏などが
変わりばんこに朝刊に雑感を書いているし、
山田知事や門川市長などと識者の対談なども載る。
山折哲雄、狂言の茂山家なども良く出る。

全体的に文化的なカオリが漂っているのが良い。
京都新聞は見出しも面白い。工夫をしていると思う。


でも本当に一番好きなのは、
記者さんたちの暖かさだろうかな…。
それが記事の端々から感じられるのだ。
ある記事を読んで感動したのがきっかけで、
ああ京都新聞の記者はすごいなと思った。
それについては、いつか別の機会に書いてみたいものだ。



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バービーの本

2009年03月08日 | 人形
本屋へ行ったら、
「バービーファッション50年史」という本を売っていた。



ネットショップのBICなどでは全然見かけなかったので
びっくりした。
BICは…、
バービーに関することならほとんどどんなことでも
カバーしてあると思っていたのに、ちょっとがっかり。

この本は2500円だから高い。

で、中味を確めたいと思ったがセロハンが厳重にかかっていて、
中身を見られない。
腹が立って、
別の本屋へ行ってそこで中を見ようと思ったら、
もう一軒行った別の本屋でも同じようにセロハンがかかっていて、
中を開くことが出来ない。
どうやら出版社から、
あらかじめそういうふうに開かない仕様で送られて来るらしい。

セロハンというのは古いな、我ながら。
セロハンでなくてビニールというか、
ラップ?だろうか。


高い本なのだから中身を確めて見てから買いたいもんだ。
ジャパン・バービーだったか、
あれも3000円以上する高い本だったが、
中身を見ることが出来た。
見たから買わなかったが。

とにかく不親切だ。
こんな状態では買おうと思わない。
売れないよ、こんな不親切では。
ただでさえバービーなんて売れないんだから、
バービーの本なんてもっと余計に…。
いや、そもそも売る気がないのかもしれない。

しかし本の世界では最近、バービー本が沢山出ている。
ヴィンテージ関連ばかりだけども(当然だ…)。
ああそうか、今年はバービー50周年、
この本のタイトルも「バービーファッション50年史」。
50年を記念しての発売なのか。
だったら買わざるを得ないか…。



COMMENT:
AUTHOR: ひでかず
URL: http://www33.ocn.ne.jp/~hidekazu
DATE: 03/10/2009 21:33:42
おめでたい話題に水をさすようで恐縮ですが,
マスコミもバービーの50周年を好意的に報道していますけど,
そうけっこうなことばかりではなかったはずです.
メーカーとの契約上のトラブルによるものでしょうか,
日本の発売元がいきなり変わってしまい,
もとの販売会社はジェニーというなまえで
同じような人形をあらたに売りだしたとか.
消費者やファンをとまどわせるいきさつである,
と,増淵宗一氏が批判的に書かれていたようにおぼえています
(本が手元にないのではっきりとはいえませんが).
ひとびとに夢をあたえる(はずの)人形も,
カネがからむとひどいことになる,という例なのかもしれません.

COMMENT:
AUTHOR: 伊佐子
DATE: 03/10/2009 23:44:38
いつもありがとうございます。
日本でバービーとジェニーを巡るトラブルというのは、
多分1986年に起きた問題だと思いますが、
ファンには有名な事件ですね。
詳しく書くとすごく長くなるのですが…、
ただ、俎上にのせられたマーバ・バービーは
写真を見るととても可愛くて好きなので、
むしろジェニーより可愛…いやその…、
だから私としてはマーバが訴えられたのには納得が行かないのですけども。
コピーとか偽物、盗用というのはどの業界でもありますね。
今もSDとかユノアとか、
人形界も夢だけで出来ているわけではないというかね…。




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仏像泥棒つかまる

2009年03月03日 | 京都
建仁寺の仏像を盗んだ泥棒が掴まった。

建仁寺以外の、
東寺や毘沙門堂の仏像も同じ者の仕業だろう。
別の日には金戒光明寺にも入りこんで不審な行動をし、
警察に尋問されていたという。

そんなこんなで、
いろいろ残っていた痕跡から犯人が割り出されたのだろう。
比較的早くに掴まって良かった良かった。
今回の府警の仕事はわりと素早かった。
舞鶴の事件はどうなったのか知らないけど。


ところで私の予想を大きく裏切り、
犯人は「信仰心からやった」と供述し、
自宅に保管してあった仏像の前には果物などをお供えしていた由。
全くもって予想外もいいとこだ。


私はてっきり犯人は古物商で、
外国に売りさばく目的で
片っ端から盗んでいるのだとばかり思っていた。
その裏には、
当然中規模の窃盗団がおり、B団経由で海外へ売られる。
今ごろ仏像は海外の好きものコレクターに渡っていると考えていた。
まったく自分の貧弱な想像力には呆れる。
事実は小説よりというやつだ。


まさか犯人が仏像マニアで、自宅に置いてきちんと並べ、
ニヤニヤ楽しんでいるとは思わなかった。
思いたくなかったと言った方が良いかもしれない。
それは我々マニアがひょっとしたら
超えてしまうかもしれない一線だからだ。
いや、
いくらマニアでも盗んでまで集めるのは当然だけどアウトだ。


コレクターなるものは、自分のものになるかどうか、
手に入るかどうか、どこまで金額を積めば手に入るのか、
その微妙な一点にこそ苦吟し七転八倒し、
身を捩るように悩み、
そしてそんな苦しみをある意味で楽しんでいる。
そんな人種ではないだろうか。


自分の手に入るかどうかのスリルこそがコレクターの醍醐味であり、
そうした苦しみをあらかじめ放棄して、
何の苦もなく手に入れてしまうことは邪道である。
そういう近道はズルであり、
近道をして手に入れても値打ちはないのである。


身を切るような大金を払って手に入れてこそ、
そのものの値打ちは出るのでありその人にとっての逸品となる。
だからこそ、
盗んでまで手に入れることをマニアは嫌うのである。


盗むことにもスリルはあり、
ある意味での努力というか苦もあるだろうが、
とにかくそれは邪道であり、正当な手段ではない。

だから、今回の泥棒氏が「信仰心」からと言い、
仏像好きだったと言っていても、本当にそうなのかは怪しい。
いや、盗みという手段に訴えるのは仏像好き、
並びにコレクターとしての風上にも置けぬ。
真実のコレクター、真実の仏像マニアとは言えないのだ。
やはり収集家の暗黒面に落ちたとしか言いようがない。
気持ちは分からないでもないけど。


私だって
阿修羅が手に入るのならば盗んででも手に入れたい(嘘)。
東京に持って行かれるくらいならワシの家に欲しいわ。
掃除をする時、
ハタキでポンポンはたいてその腕の一本でも折ってみたいわ。
だんだん記述が変になって来ているが、
それくらい阿修羅を自分の自由にしてみたいものだ。
東京の者に見せるなんて勿体無いわ。
きゃつらにはあしゅら男爵でじゅうぶんじゃ。
何だかめちゃくちゃになって来た。




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思文閣美術館のお雛様

2009年03月02日 | 展覧会・絵



お雛様ネタが続くんですが…
この季節あちこちで開催されているひな飾りを見ようと、
今回は思文閣美術館へ出向いた。

http://www.shibunkaku.co.jp/artm/

思文閣といえば、難しそうな本を出版していたほか、
最近では「なんでも鑑定団」で鑑定団のハンカチ王子こと
田中某が出演するようになり、
それで少し名前が知られているかもしれない。

あの田中某のおかげで、
何となく胡散臭いイメージがあるのだが、
思文閣美術館とは、思文閣グループが作った美術館らしい。

すごく小さくて、
マンションの一室を展示場にして美術館と称している、
という感じだ。
となりに出版の事務所があり、行き来出来る。
ビル全体が思文閣グループの事務所なのか?

まあ、そんな感じの所で、
でも美術展覧会の企画は悪くない。
前には宮武外骨の展覧会をやっていた。
ひな飾りとミニチュアの展覧会は毎年行っている。

今回行った「雛とミニチュアのお道具展」はお雛様はほんの少しだった。
これまでの博物館の方がうんと沢山展示してあった。

http://www.shibunkaku.co.jp/artm/hina4/

ほんの少しというよりも、ひとつふたつしか飾ってない。
お雛様よりもミニチュアの方が展示の主眼だった。
それでお雛様も小さいのばかりだ。

だけど、そのミニチュアがすごかった。
美術館のスペースは狭いが、
飾ってあるのがミニチュアだから問題ない。うん。
もともと人形が好きで、
リーメントなどのミニチュアにも当然のように
興味がある体質だから、
なるほどこの展覧会は趣味に合うはずだ。

家の雛飾りの段にも、ミニチュアの箪笥とか、
食器などを飾るのが習わしだ。
そのようなものも当然展示されていた。

関西での飾りの定番、おくどさんや、台所用具、
ゲームの将棋、碁、すごろく、
貝あわせなどのミニチュアもあった。
ちまちまとした極小の将棋や碁の駒を見るのはそれだけで楽しい。


昔よく見た和傘、印籠、ハンコ
(石のもので、1センチもないくらいので、持ち手に龍とかが彫られている)、
お正月の凧、羽子板、茶道具、硯と筆、を入れる硯セットなど、
ハサミ類、ミニ屏風、
それから指物類では化粧台、
茶道具を入れる棚、極小の蒔絵箱(?)
もうミニチュアファン大喜びの展示の数々。

私が特に気にいったのは和裁道具で、
へらとものさし(金製)、こての三点セット。
へらが1センチくらいか?、ものさしが5センチくらい?
とにかく小さくて可愛い。
帰ってから「こて」は何にするのか母に聞いたら、
着物を縫う時にふちを折るのに使ったとのこと。


そして何と言っても「象牙人形」がひたすら圧巻だった。

全長3センチくらいで、虫眼鏡で見る。
そこには首、肘、膝、手首などに関節があり、
動くようになっている。

昔よくあった、子供(赤ちゃん)のヘッドで、
頭のてっぺんにまげを結っているやつ。
それがたったの3センチなのに関節人形なのだ。

関節は、ネジのようなものでジョイントされている、
という説明が書いてあった。

ほとんど打ちのめされたと言っても良い。
裸で展示されていたが、人形はとても状態が良く、
汚れもなく、きれいだ。
関節も痛んでいる部分はない。
保存が良かったのだろう。

人間、やる気になったら何でも出来るものなのだ。
やって出来ないことはない、と感じ入ったことだった。


思文閣へ行ったついでに近くの京都大学へ行き、
せっかくなので京大特製付箋を買った。
人がいっぱいで大混雑していた。
新学期(試験?)の時期なので、子供、
親を含めてえらい人の波だった。




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