ただの偶然なのですか

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映画「トゥヤーの結婚」の感想

2008年06月06日 | 映画
モンゴルの厳しい自然の中、夫が怪我をして半身不随になってしまい、夫を守りながら、子供達を育てる主人公。トゥヤーの強さ、たくましさに圧倒されました。モンゴルの風景の雄大さに畏敬の気持ちがわきました。しかし自然の厳しさはあまりにも過酷で、数十キロ離れた井戸まで毎日水を汲みに行き羊達を飼うのは、女ひとりで担うにはあまりにも重労働です。そして、トゥヤーは体を壊してしまい、夫と離婚して再婚相手を探しはじめます。しかし、再婚の条件は元夫も一緒に暮らすこと!

私が若かりし頃は結婚のことを「永久就職」(もはや死語?)なんて言っていましたが、この映画の状況下ではどんな相手と結婚するかは、まさに死活問題です。
それでも、裁判所が結婚相手を仲介するという制度(?)があったりして、元夫や子供達がいる女性の所に次々と求婚相手がやってくるので驚きました。
映画とは思えないほどの、あまりの生活感に、見ていて身につまされました。
主婦の私は、夫を大切にしようとあらためて思いました。
トゥヤーの夫に対する愛は、恋愛というより家族愛なんでしょうね。
母性の強さと尊さを見せられた作品でした。

しかし、トゥヤーの表情の変化が乏しいのが気になったのですが(私だけ?)。
悲しいとき苦しいとき怒っているとき嬉しいときも、表情があまり大きく変わらなくて、それはトゥヤーだけでなく、元夫も他の出演者達も感情の変化があまり顔に出ない感じに見えたのですが、私の読み取り力の問題なのかしら…。おおげさな演技じゃないぶん、かえって現実っぽかったですが。
あとからチラシを読んで驚いたのが、あの涙は「安堵の涙」だったんですか!!!
私はてっきり人生の辛さに耐えきれなくなって泣いたんだと思っていました。