あけましておめでとうございます。今年もいっしょに中国語を勉強し、表現力を高めましょう。
今回は、語順の変化による表現技法です。これは、主に倒置法の利用による意味の強調ですが、ひと口に倒置法と言っても、主語と述語の倒置、修飾語と中心語の倒置や、詩では各句の句末で韻を踏むための倒置もあります。
第五節 文型(句式)の選択
中国語の表現手段は様々である。数多の語句を選択できるだけでなく、無数の文型を構成することができる。多様に変化する文型により、私たちは正確に、細密に、鮮明に、生き生きと思いを伝え、広大な天地を切り拓くことができる。私たちが思想や感情を如何に効果的に表現できるか、その鍵は各種の表現様式の正確で適切な選択である。
一 語順の調整
中国語は形態の変化が乏しく、語順は重要な意味を持っている。語順は重要な文法手段であり、重要な修辞手段である。中国語では、一般的には語順は比較的固定されている。語順の並び方が良くないと、意味の正確な表現を損なうことになる。時には、一部の語順を弾力的に変えてやることで、ことばの表現効果を増すことができる場合がある。
中国語の修飾語と中心語の順序は比較的単純で、一般的には、修飾語が前、中心語が後ろである。修飾語と中心語は偏正関係の“詞組”(“短語”ともいう)を構成する。しかし、偏正詞組の修飾語の前に更に修飾語がある場合、階層の異なる修飾語どうしの間にも語順の問題が発生する。語順の並べ方が良くないと、意味の正確な表現に影響することは同様である。
中国語で、一般に語順は固定されているが、表現上の必要から、基本的な意味が変わらないことを前提に、語句の順序を変えて、文の修辞効果を高めてやることがある。こうして語順を変えられた文は、倒置文(“倒装句”)或いは“変式句”と呼ばれる。
このような文には以下の特徴がある:1.基本的な意味は変わらず、ただ、重点が強調され、情態に変化がある。2.文法上の関係には変化が無く、語句の位置の上で前後の順序が異なるが、文の構造上の関係は変わらない。3.語順の変化は、しばしば音の強弱(ストレス)、語調、ポーズなどを伴い、表現効果を強める。
1.主語と述語の倒置
(1) 安息吧!
敬愛的周総理!
(2) 小心点,老人家!
2.修飾語と中心語の倒置
(3) 他們応該有新的生活,為我們所未経生活過的。
(4) 你已経替中国人民鋪好了道路,用你的血。
3.偏正複文の分句の倒置
(5) 他忍受着,不管是怎様的痛痒。
(6) 正義是殺不完的,因為真理永遠存在。
述語を主語の前に置いたり、中心語を修飾語の前に置いたり、正句を偏句の前に置いたりするのは、特別な表現上の必要のためである。それは先ず、文中のある成分を強調するためである。これら語句の語順の倒置は、述語、修飾語、分句を強調する働きがある。次に状況の上での必要からである。例えば、感情が高まったり、情勢が緊迫している時、しばしば最初に最も相手に注目してほしい語句から話をすることがあるが、このような文は自然の倒置になる。例(2)がそうである。最初に相手に“小心点”と注意を促し、その後相手に呼びかけている。文芸作品の中でこのような文の形式は人物の情態を生き生きと描写する手助けになる。また、時には長い語句を短くするため、長い修飾語を中心語の後ろに移し、いくつかの並列の成分を構成させることがある。例えば、柯岩《啊,春天!》で:
(7) 請揚起你的風帆,
帯着我的思念
往復蘇的大地上飛翔吧,
為了去温暖
毎一顆還在冬眠的種子;
為了去迎接
那碧緑的、碧緑的
成熟的夏天……
時には詩で韻を踏むため、語句の順序をひっくり返すことがある。例えば、郭小川《刻在北大荒的土地上》で:
(8) 継承下去吧,我們后代的子 孫!
這是一筆永恒的財産 ―― 千秋万古長 新;
耕耘下去吧,未来世界的主 人!
這是一片神奇的土地 ―― 人間天上難 尋。
・耕耘 geng1yun2 耕耘(こううん)。→比喩的に用いることが多い。
【出典】胡裕樹主編《現代漢語》重訂版・上海教育出版社 1995年
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今回は、語順の変化による表現技法です。これは、主に倒置法の利用による意味の強調ですが、ひと口に倒置法と言っても、主語と述語の倒置、修飾語と中心語の倒置や、詩では各句の句末で韻を踏むための倒置もあります。
第五節 文型(句式)の選択
中国語の表現手段は様々である。数多の語句を選択できるだけでなく、無数の文型を構成することができる。多様に変化する文型により、私たちは正確に、細密に、鮮明に、生き生きと思いを伝え、広大な天地を切り拓くことができる。私たちが思想や感情を如何に効果的に表現できるか、その鍵は各種の表現様式の正確で適切な選択である。
一 語順の調整
中国語は形態の変化が乏しく、語順は重要な意味を持っている。語順は重要な文法手段であり、重要な修辞手段である。中国語では、一般的には語順は比較的固定されている。語順の並び方が良くないと、意味の正確な表現を損なうことになる。時には、一部の語順を弾力的に変えてやることで、ことばの表現効果を増すことができる場合がある。
中国語の修飾語と中心語の順序は比較的単純で、一般的には、修飾語が前、中心語が後ろである。修飾語と中心語は偏正関係の“詞組”(“短語”ともいう)を構成する。しかし、偏正詞組の修飾語の前に更に修飾語がある場合、階層の異なる修飾語どうしの間にも語順の問題が発生する。語順の並べ方が良くないと、意味の正確な表現に影響することは同様である。
中国語で、一般に語順は固定されているが、表現上の必要から、基本的な意味が変わらないことを前提に、語句の順序を変えて、文の修辞効果を高めてやることがある。こうして語順を変えられた文は、倒置文(“倒装句”)或いは“変式句”と呼ばれる。
このような文には以下の特徴がある:1.基本的な意味は変わらず、ただ、重点が強調され、情態に変化がある。2.文法上の関係には変化が無く、語句の位置の上で前後の順序が異なるが、文の構造上の関係は変わらない。3.語順の変化は、しばしば音の強弱(ストレス)、語調、ポーズなどを伴い、表現効果を強める。
1.主語と述語の倒置
(1) 安息吧!
敬愛的周総理!
(2) 小心点,老人家!
2.修飾語と中心語の倒置
(3) 他們応該有新的生活,為我們所未経生活過的。
(4) 你已経替中国人民鋪好了道路,用你的血。
3.偏正複文の分句の倒置
(5) 他忍受着,不管是怎様的痛痒。
(6) 正義是殺不完的,因為真理永遠存在。
述語を主語の前に置いたり、中心語を修飾語の前に置いたり、正句を偏句の前に置いたりするのは、特別な表現上の必要のためである。それは先ず、文中のある成分を強調するためである。これら語句の語順の倒置は、述語、修飾語、分句を強調する働きがある。次に状況の上での必要からである。例えば、感情が高まったり、情勢が緊迫している時、しばしば最初に最も相手に注目してほしい語句から話をすることがあるが、このような文は自然の倒置になる。例(2)がそうである。最初に相手に“小心点”と注意を促し、その後相手に呼びかけている。文芸作品の中でこのような文の形式は人物の情態を生き生きと描写する手助けになる。また、時には長い語句を短くするため、長い修飾語を中心語の後ろに移し、いくつかの並列の成分を構成させることがある。例えば、柯岩《啊,春天!》で:
(7) 請揚起你的風帆,
帯着我的思念
往復蘇的大地上飛翔吧,
為了去温暖
毎一顆還在冬眠的種子;
為了去迎接
那碧緑的、碧緑的
成熟的夏天……
時には詩で韻を踏むため、語句の順序をひっくり返すことがある。例えば、郭小川《刻在北大荒的土地上》で:
(8) 継承下去吧,我們后代的子 孫!
這是一筆永恒的財産 ―― 千秋万古長 新;
耕耘下去吧,未来世界的主 人!
這是一片神奇的土地 ―― 人間天上難 尋。
・耕耘 geng1yun2 耕耘(こううん)。→比喩的に用いることが多い。
【出典】胡裕樹主編《現代漢語》重訂版・上海教育出版社 1995年
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