TOTOからはじまったイモづる式音楽日記

旧タイトル:TOTOからはじまるLA FUSION CONNECTION~ネタはフュージョンやらAORやら。

GET UP! / 神保彰

2008-06-01 01:06:00 | J-FUSION
神保さんのソロ再始動第二弾、「GET UP!」。「本能剥き出しのハード・エッジ・フュージョンが炸裂しまくる!」というコピーにもあるように、今回は神保さん叩きまくりです。前作「FOUR COLORS」は1曲目こそおぉっと思わせつつも大人なハードフュージョンを展開(「GET UP!」の1曲目とよくごっちゃになってしまいます)していましたが、2曲目以降の曲は曲の出だしがピアノのポロロロンで始まるような、どっちかいうとスムースジャズの系統。いわゆるステキな音楽ではありましたけど、やっぱりJIMBOドラムを期待する向きとしてはちょいとモノ足りなさがあったのも否めない。そんな柔らかなコンセプトであった前作品に対し「GET UP!」は金属的な硬い音質からしてもハード・エッジな雰囲気バリバリ。ピアノだけじゃなく前作では使われていなかったシンセもところどころにスパイスのように加味されてるし、これはDTXの音源を使ってるんでしょうか、パーカッシヴでビート感を強調するなシーケンスサウンドも聴こえます。CASIOPEA的なノリを重視した、バリバリのフュージョン作品に仕上がってますね。ハードフュージョンドラマー、神保彰を十二分に堪能できる傑作です。

ところで、そんな中でもやっぱりスゲェなあと思うのが超ベテランベーシスト、ABRAHAM LABORIEL SIR御大の存在感。ABRAHAMのベースって昔からそうですけど、独特の音触がありますね。普通に弾いているだけでもそれらしいですし、ソロでチョッパーなんかやったら、一発でこりゃABRAHAM LABORIELだわ、とわかるねちっこいというかベタっとした粘着性のある音とグルーヴ。ライナーの解説に「泥を跳ね上げながら田んぼの中を駈けずり回るような、馬力と愛嬌を感じさせる」なんて書いてましたけど、確かにスマートではない、泥臭さが前面出てるけど、ちょっとやそっとでは折れそうにない骨太な安定感が彼の持つ唯一無二のグルーヴなんです。4曲目「FUSE」終盤のベースソロは後に引く聴き応えですよ。
それにしてもどういうエフェクトかけたらあんな独特な音が出せるんだろう。

GET UP! / 神保彰
AKIRA JIMBO(ds)ABRAHAM LABORIEL(b)OTMARO RUIZ(keys)FRANK GAMBALE(g)
コメント
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