つれづれなるままに

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映画「それでもボクはやってない」

2008年02月29日 | 芸能
          映画「それでもボクはやってない」

映画「それでもボクはやってない」。
監督は、周防正行。
話題となった「Shall We ダンス?」から11年目の新作である。

この映画が、3月1日(土)フジテレビ系列で午後9時から放映される。

この映画は、日本の裁判制度を深く取り上げている。
裁判には関係ないと思っている一般人にとっては参考となる内容がたくさんあります。
2009年からは、裁判員制度の導入が決まっているので、この映画を観ることをきっかけに日本の裁判への関心を示したらいいと考えます。

会社面接のため、満員電車に駅員から押されてやっと乗車したが、ドアに背広が挟まれた服を引き抜こうと体を動かしていた金子徹平(加瀬亮)は、痴漢と間違われて、現行犯逮捕されてしまう。
警察署での取調べで容疑を否認して「ボクはやってない」と無実を主張するが、留置場に勾留(こうりゅう)される。

さらに検察庁での取調べでも無実を主張するが認められず起訴される。
徹平の弁護を担当するベテラン弁護士・荒川(役所広司)と新米弁護士・須藤(瀬戸朝香)。
「痴漢冤罪(えんざい)事件には、日本の刑事裁判の問題点がはっきりとあらわれる」と荒川は須藤にはっぱをかける。

徹平の母・豊子(もたいまさこ)や友人の達雄(山本耕史)たちも無罪判決を信じて行動を始める。
徹平の裁判は始まっていく。
警察や検察での取り調べ状況、留置場での模様、差し入れに関しての注意、公判中の裁判官、検事、弁護士、傍聴席の対応等々、映画のなかで、解説をしてくれるように周防監督は配慮している。

裁判などに関わったこともない人には、こんな方法で公判が行われているのかと参考になるところが多い。
また証人の発言内容は、同一の現場にいた人でも異なるから、どのような言葉で言ったのか、どのような人がいたのか、はっきり記憶しておくことも必要である。
あいまいな証言をすると反対に偽証罪となることもあるらしい。

現在、深刻な社会問題となっている「痴漢冤罪事件」を痴漢に間違えられた一人の青年の裁判を通して、周防正行監督は、日本の刑事裁判制度の問題点を明らかにしている。

「それでもボクはやってない」と、本当に無実でも、無罪になるとは限らない・・・・・ってホント?
刑事事件で起訴された場合、裁判での有罪率は99.9%といわれているそうだ。

電車の中では、極力両手を上に挙げて、痴漢容疑のかからないようにして、自己防衛しておかないと何が起こるか分からない。
こんな面倒な日本の裁判の公判には関わりたくない。と思わせる映画「それでもボクはやってない」である。
この映画を観賞すると裁判に対して認識と理解を深めるところが多くなるでしょう。

(2007年1月21日記 池内和彦)

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