つれづれなるままに

日々の思いついたことやエッセイを綴る

Kさんの誕生日

2009年02月14日 | 日記
                      おしどり白鳥(皇居)

Kさんが69歳の誕生日を迎えた日のこと。
お祝いのメールを朝に送った。
「本日は誕生日ですね! おめでとうございます。
 いつまでもお元気でご活躍されますように祈念しております」

勤務先で会ったら、「メール有難う」とちょっと照れるように返事があった。
仕事から帰ったら奥さんからプレゼントがありますよ。と問いかけると、
「うちの奥さんは、自分の誕生日が1月2日であるので、いつも正月と重なってお祝いをして貰えないと言っている。私の誕生日などは忘れているよ」
それならば、健康で元気に仕事をしていられるのも奥さんのお陰なので、誕生日にちなんで奥さんへ花でも持って帰ったらどうですか?と言ってみた。

夜になってからKさんからメールが届いた。
「池内さんの助言に従い、ショートケーキを買って格好つけて、帰りました。
 ところが、私より遅れて帰ってきた奥さんの手に、何と私への大きなプレゼント。若者風のセーターとコート。
 まさかの出来事。
 池内さんの言うとおりに、奥さんにお礼のケーキを買った気持ちが、相手に通じたのでしょうか。
 有難うございました」
という内容。
 このメールを読んで心の中が温かくなってきた。

今夏、映画「60歳のラブレター」が公開する。
このブログでも時々掲載している三井信託銀行が募集した文集を基に映画化される。
「60歳のラブレター」については、このKさんからの情報である。
Kさん曰く「自分にはこのような優しいラブレターはとても書けない」と言っていたが、誕生日一日の奥さんとのやり取りは立派な「69歳のラブレター」です。
それぞれ夫婦の中で人生ドラマがあるのです。
と実感したKさんの誕生日でした。

(2月14日記)

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