つれづれなるままに

日々の思いついたことやエッセイを綴る

60歳のラブレター(4)

2008年12月28日 | 社会
                    北の丸公園の紅葉

●夫から妻へ
57歳という中途半端な年齢は、やはり応えた。せめて60歳までと自分でもそう決めていたから。
君はそれほど深刻そうでなかった。29年間、頑張ったのだからと言ってくれた。
3日もすると胸がしめつけられそうになった。自分は社会から取り残された敗北者に思えた。
君は「お父さん、自分をそんなふうに責めないで」と言ってくれた。
次の日の朝の食卓に炊き立てのごはんと、目玉焼きと、キャベツのみそ汁と、好物のめざしが並んでいた。それを見た瞬間涙がとまらなかった。
君は元気づけようと、リストラされたことを責めもせず黙って用意をしてくれた。
今の自分には、この食事は、ぜいたくすぎるのだ。
時給800円でもいいから稼いでから出してくれ。
堂々とお変わりするから。(M.Kさん 高松市 57歳)

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