つれづれなるままに

日々の思いついたことやエッセイを綴る

風で織るタオル「池内タオル」

2023年12月03日 | 経済
 カンブリア宮殿で紹介された「池内タオル」の池内計司社長

 テレビ東京の経済番組で「カンブリア宮殿」がある。成功している企業の経営者をゲストに迎えて作家である村上龍が進行する。
 この週は、タオルの町として有名な愛媛県今治市の「池内タオル」の池内計司社長を迎えての内容であった。主体性を重んじる経営者の理念が伝わってきた。名前にも親しみを感じて興味深く観ていた。

(テレビ東京HPから)
 斜陽産業と言われて久しいタオル業界。90年代から中国をはじめアジア各国からの安価なタオルの輸入が急増し、2000年には国内生産量と輸入量が逆転。現在日本で売られているタオルの、実に80%が輸入品だという。

 江戸時代から綿織物業が盛んだった愛媛・今治地区。ここもかつては500社を数えた繊維関連業者が今では130社ほどに減ってしまった。そんな苦境の中、中小企業でありながら独自のブランドを立ち上げ、世界も認めるタオルを作ったのが、池内タオル。衰退するタオル業界で独自のブランディングを打ち出し、倒産の危機をも乗り越えた池内タオル。世界と闘える、地方の中小企業――勝利の方程式とは?

 強烈なコンセプトで勝負!~世界が認めた超柔らかタオル
 アメリカ最大規模の生活用品展示会で2002年、日本製品初の最優秀賞を獲得するという快挙を成し遂げた、池内タオル。「ミラクルソフトネス!」と評判となったこのタオルメーカーは、愛媛県今治市にある従業員わずか20人ほどの小さな会社。しかも池内のタオルは、見た目は極めて地味で、派手なデザインがあるわけでもない。それでもオーガニックコットンにこだわり、使う電力はすべて風力発電という、高い品質に加えた“強烈なコンセプト”が客を引き付ける。独自ブランド「風で織るタオル」を武器に、今では購入者の4割がリピーターだという。顧客を唸らせるタオルづくりの秘密に迫る。

 こだわりの「風で織るタオル」が会社の危機を救った!「まさに天国から地獄だった」。池内がそう語る“出来事”は2003年に起こった。NYでの栄誉ある賞を得たその翌年、売り上げの7割以上を占めていたOEM(ブランド品を請け負い生産する仕組み)の取引先が突如、破綻してしまったのだ。

 池内タオルの負債総額は10億円!OEMの取引先を増やして会社を再建すべきとの意見もある中、池内は「自社ブランドで勝負する!」と、無謀とも思える決断をしたのだった。なぜ池内は決断できたのか…?

 環境企業を深化させる、さらなる取り組み
 池内はいま、タオルメーカーとして異例の挑戦を始めている。その年に採れたオーガニックコットンだけを使って作るという、新たなブランドタオルを立ち上げたのだ。その名も「コットンヌーボー」。ワインのように毎年の収穫を愉しめる安全でピュアなタオル、というコンセプトだ。

 池内の視線の先にあるのは、タンザニアやインドで、農薬まみれの畑で働く生産者たちの姿。池内は、オーガニックコットンの畑をもっと増やしたいと、「風で織るタオルファンド」も立ち上げ賛同者から資金も募った。
 池内タオルの、ブレない経営戦略がここにある。


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