猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

普天間移設、名護市長は態度を軟化-岸本市長は「もののふ」になれるか?

2005-11-10 14:45:16 | 安全保障・自衛隊
 普天間飛行場の移設問題をめぐって、額賀防衛庁長官と岸本名護市長が会談した。額賀長官はキャンプ・シュワブ沿岸に普天間飛行場の代替施設を建設する案への理解を求め、これに対して岸本市長は「移設について絶対に反対というわけではない。新しい案をよく説明してほしい」と述べて、柔軟な姿勢を示した。普天間移設問題の最も最前線の当事者がこのように一定の理解を示してくださったことは非常に心強い。岸本市長が説明を求めているのは、滑走路を含む施設の長さが1800メートルに延長されたことについて、滑走路の位置が陸寄りになったことについて、飛行ルートが住宅地にかかるような滑走路の方向について、騒音問題が生じないとの技術的根拠がある否かについて、である。このうち、特に滑走路の方向については何とかせねばならないと思う。滑走路の長さは純軍事的な要素が強いので変更は難しいだろう。
 名護市は前任の市長も職を賭して辺野古沖埋め立て案を受け入れてくれた。それを無にしてしまったのは痛恨の極みである。岸本現市長も確か次期市長選への不出馬を決意していると記憶している。見事な「もののふ」ではないか。「受け入れられない」との一点張りの知事とは対照的である。岸本氏には立派な決断をされることを願い、政府にはそれに報いることが出来るよう、米軍再編の持つ戦略的意義を説きつつ誠意ある対応をお願いしたい。
 一つ、私の認識不足というか誤解を訂正しておきたい。今まで、沖縄県は辺野古沖埋め立て案を縮小した浅瀬埋め立て案を支持しているものとばかり思い込んで議論を進めてきたが、実はそうではなかったようだ。米国防総省のヒル日本部長が沖縄県に対して直接説得に行った際に「浅瀬案は絶対に受け入れられない」との回答を受け取っていたそうである。辺野古沖埋め立て案が受け入れ可能で、その縮小案は受け入れ不可能というのも理にかなわない話で、結局のところ沖縄県は何も受け入れる気がなかったということだったのか。


(参照記事)
[在日米軍再編 額賀長官が名護市長に説明 シュワブ沿岸案]
 額賀福志郎防衛庁長官は9日午前、沖縄県名護市内のホテルで同市の岸本建男市長と会談し、在日米軍再編協議で、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先として日米間で合意したキャンプ・シュワブ沿岸(同県名護市)案への理解を求めた。岸本市長は、同案の問題点を指摘したものの政府と協議していく姿勢を明らかにし、従来の反対の立場から柔軟姿勢に転じた。
 会談で額賀長官が「シュワブ沿岸案のどこに難点があるのか」と問いかけたのに対し、岸本市長は「特に騒音の問題だ」と述べ、辺野古沖を埋め立てる現行計画より飛行ルートが住宅に近付いたことが問題との認識を表明した。
 さらに、「新しい案は技術的な検討が不十分ではないのか」と指摘したうえで、「(名護市への)移設について絶対に反対というわけではない。新しい案をよく説明してほしい」と要求。額賀長官は「技術的なことも含めて時間をかけて説明させる」と応じた。
 これまでシュワブ沿岸案に反対の意向を表明してきた岸本市長が柔軟姿勢に転じたことで、政府は今後、飛行ルートの詳細な説明など同意取り付けに向けた対応を本格化させる方針だ。
 岸本市長は10月31日に北原巌男防衛施設庁長官と会談した際、沿岸案に対する疑問点として、▽滑走路を含む施設の長さが1800メートルに延長された▽滑走路の位置が陸寄りになった▽滑走路の方向から、飛行ルートが住宅地にかかる▽騒音問題が生じないとの技術的根拠があるか--の4点を挙げていた。【古本陽荘、上野央絵】
(毎日新聞) - 11月9日17時39分更新


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