防衛庁の省への昇格は、単に名前だけの問題ではない。内閣府の外局という現在の位置づけと、独立した省では、長にあたる大臣の権限が全く違うのである。現行では、防衛庁長官はあくまでも長官に国務大臣を充てているというだけであって、何と防衛庁自身に関係ある法律の制定や防衛出動などに関して、内閣府を通さずにこれらを発議するべく閣議の開催を求めることができないのである。これに対して、独立の「省」であれば、主任の大臣として自ら閣議開催の要求をすることができる。これは、国家行政組織法で定められていることである。防衛とは一旦事が生じれば緊急性を最高度に要する問題であることは明らかである。それを、長官自ら閣議の開催を要請できないとは欠陥以外の何物でもないではないか。
数年前に、省庁再編に深く関わる人物に、防衛庁の省昇格を訴えたことがあるのだが、なしのつぶてだった。しかし、ついに、自民党は二十二日、防衛庁を省に昇格させる「防衛省設置関連法案」を来年の通常国会に提出し、成立を目指すことを決めたようである。どうか、連立のパートナーだからといって公明党に過度の配慮をすることなく、堂々と法案を可決していただきたい。国防に携わるものを貶める世の中から、彼らに尊厳ある地位を与える世の中にしなければならない。憲法改正ももちろん重要だが、それ以前にできることはどんどんやるべきである。
(参考記事)
「防衛省」法案提出へ 自民、通常国会成立目指す
自民党は二十二日、防衛庁を省に昇格させる「防衛省設置関連法案」を来年の通常国会に提出し、成立を目指すことを決めた。
党行政改革推進本部(衛藤征士郎本部長)の総会で了承されたもので、衛藤氏は「公明党と十分調整し、政府法案として通常国会で成立させたい」と強調した。
安倍晋三官房長官は同日の記者会見で「党で方向が決まった重みを政府としても受け止めないといけない。さらに公明党と協議していくと聞いている」と述べ、与党協議を踏まえて政府として取り組む考えを示した。
一方、公明党の神崎武法代表は同日、記者団に「与党幹事長合意にもあることなので、政府提出法案で出すなら尊重したい。国民になぜ昇格か、きちんと説明できるようにしてほしい」と、前向きに協議に応じる考えを示した。
防衛庁の省昇格は、自民党結党と同じ昭和三十年、政府・自民党が検討に着手。三十九年に法案の閣議決定にこぎつけたが、国会対策上の理由で提出を断念。その後、平成十四年十二月、自民、公明、保守(当時)の与党三党幹事長が省昇格を有事法制成立後の最優先課題と合意したが、自衛隊の海外派遣などが続き、公明党が慎重姿勢をみせていた。その公明党の姿勢に変化が見られることで、省昇格実現の可能性が高まっている。
省昇格で「防衛省」の長は「防衛大臣」となる。現在、内閣府外局として格付けの低い防衛庁が省になれば、防衛大臣は防衛出動など自衛隊の運用、法律制定について内閣府を通さず直接、閣議開催を求められる。
また、日本が国防を重視する姿勢を印象付け、自衛隊員の士気向上が期待できるメリットがある。
(産経新聞) - 11月23日2時53分更新
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数年前に、省庁再編に深く関わる人物に、防衛庁の省昇格を訴えたことがあるのだが、なしのつぶてだった。しかし、ついに、自民党は二十二日、防衛庁を省に昇格させる「防衛省設置関連法案」を来年の通常国会に提出し、成立を目指すことを決めたようである。どうか、連立のパートナーだからといって公明党に過度の配慮をすることなく、堂々と法案を可決していただきたい。国防に携わるものを貶める世の中から、彼らに尊厳ある地位を与える世の中にしなければならない。憲法改正ももちろん重要だが、それ以前にできることはどんどんやるべきである。
(参考記事)
「防衛省」法案提出へ 自民、通常国会成立目指す
自民党は二十二日、防衛庁を省に昇格させる「防衛省設置関連法案」を来年の通常国会に提出し、成立を目指すことを決めた。
党行政改革推進本部(衛藤征士郎本部長)の総会で了承されたもので、衛藤氏は「公明党と十分調整し、政府法案として通常国会で成立させたい」と強調した。
安倍晋三官房長官は同日の記者会見で「党で方向が決まった重みを政府としても受け止めないといけない。さらに公明党と協議していくと聞いている」と述べ、与党協議を踏まえて政府として取り組む考えを示した。
一方、公明党の神崎武法代表は同日、記者団に「与党幹事長合意にもあることなので、政府提出法案で出すなら尊重したい。国民になぜ昇格か、きちんと説明できるようにしてほしい」と、前向きに協議に応じる考えを示した。
防衛庁の省昇格は、自民党結党と同じ昭和三十年、政府・自民党が検討に着手。三十九年に法案の閣議決定にこぎつけたが、国会対策上の理由で提出を断念。その後、平成十四年十二月、自民、公明、保守(当時)の与党三党幹事長が省昇格を有事法制成立後の最優先課題と合意したが、自衛隊の海外派遣などが続き、公明党が慎重姿勢をみせていた。その公明党の姿勢に変化が見られることで、省昇格実現の可能性が高まっている。
省昇格で「防衛省」の長は「防衛大臣」となる。現在、内閣府外局として格付けの低い防衛庁が省になれば、防衛大臣は防衛出動など自衛隊の運用、法律制定について内閣府を通さず直接、閣議開催を求められる。
また、日本が国防を重視する姿勢を印象付け、自衛隊員の士気向上が期待できるメリットがある。
(産経新聞) - 11月23日2時53分更新
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最近は、初秋は暖かいのに晩秋にいきなり寒くなるので困ったものです。
これは是非、実現してほしいものです。
橋本行革(中央省庁再編論議)のときにも、たしか議論になりましたが、現在、内閣府特命担当相(少子化・男女共同参画)の猪口さんが反対してましたなぁ~防衛「省」には・・・
そうなんですよね。いまのまま内閣府の外局としての長である防衛庁長官は政策と実行の中間にある、なんていうかメッセンジャーボーイみたいな感じなんですよね。
何とも、はがゆい・・・
猪口氏は、そんなところでも左派的思想を本領発揮していたのですね。