祇園祭・伝説の巨大鉾復元へ 幕末に焼失、巡行向け一歩 2010年7月11日 朝日
http://www.asahi.com/travel/news/OSK201007020073.html
祇園祭最大の見どころ・山鉾(やまほこ)巡行で、江戸時代までトリをかざっていた大船(おおふね)鉾と呼ばれる巨大な鉾があった。約150年前の幕末の争乱で大部分が焼失してしまったが、近く展示用に復元されることになった。巡行復帰に向けた一歩を踏み出した。
大船鉾は500年以上前につくられた。ほかの鉾の胴体は長さ3.5メートル程度で、大船鉾はその2倍ほどあったとみられる。1864(元治元)年、長州藩と会津・薩摩藩などが衝突した蛤御門(はまぐりごもん)の変で、木組みや車輪など本体部分が焼けてしまった。250点を超える装飾品や神体などは難を逃れ、1870(明治3)年には、ふたつきの箱・唐櫃(からひつ)に神体である神功皇后の面を入れて巡行したこともあるという。
しかし、鉾は再建できず、巡行前夜の宵山で、四条町大船鉾保存会が町内の建物に神体や装飾品を飾る「居祭(いまつり)」を続けた。1990年代になって若手が立ち上がり、97年、近隣の町内の指導を受けながら約130年ぶりに祇園囃子(ばやし)を復活。公募で有志を募りながらけいこを続けていた。
昨秋、山鉾行事がユネスコの無形文化遺産に登録されたのがきっかけで、JR京都駅前に今年11月に大型店舗を開業するヨドバシカメラが、大船鉾の展示スペース提供を表明。同社役員から個人的に5千万円の寄付もあった。
市は寄付を元に、今年度の補正予算案に大船鉾を展示用に復元する費用を盛り込むことを決めた。設計図などが残っていないため、有識者による委員会を設け、これまでの調査や古い絵などを基に大きさや構造を割り出す予定だ。
ただ、展示用の鉾は巡行に参加できない。巡行に参加するためには、新たに鉾をつくり、収蔵するスペースを確保して装飾品を新調する必要がある。数億円の費用がかかると見られ、大船鉾保存会は、より寄付を集めやすい公益財団法人になることを目指して今春、一般財団法人になった。松居米三理事長は「まだまだ時間がかかるだろうが、近い将来必ず巡行に復帰する」と意気込んでいる。
2日、巡行の順番を決める「くじ取り式」が京都市役所であった。先頭は長刀鉾(なぎなたぼこ)と決まっており、長刀鉾の次の「山一番」は、孟宗(もうそう)山が引き当てた。大船鉾保存会は将来の巡行復帰に備え、オブザーバー参加した。
祇園祭:山鉾飾る懸装品修復ラッシュ、理由は天明の大火? 2010年7月11日 毎日
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100711k0000e040011000c.html
祇園祭の山鉾(やまほこ)の前後左右を飾る懸装品(けそうひん)の新調・修復ラッシュが続いている。京都市によると、09年までの10年間で61点。今年も孟宗(もうそう)山や霰(あられ)天神山で新たに制作された。関係者によると、集中の理由は意外にも1788年の天明の大火にあるという。
懸装品の多くは絹織物で海外産も珍しくない。32基がそろう7月17日の山鉾巡行は「動く世界の美術館」とも呼ばれる。だが、天明の大火では、20基以上が被害を受け、大半が復帰するのに十数年かかった。多くの懸装品修復を手がける川島織物セルコン(京都市)によると、絹製品の寿命は約100年で、大切に扱えば2倍程度長持ちする。だから、今、多くの山や鉾の懸装品が更新時期という。
大火で焼けた際の孟宗山の胴掛けの復活は1808年。劣化が進み、今年、故平山郁夫さん原作の「砂漠らくだ行」(縦155センチ、横270センチ、2枚)に一新した。
火難を免れた霰天神山も前掛けのベルギー製タペストリー(縦125センチ、横175センチ)などを新調。町人文化が花開いた文化文政期だけに、霰天神山保存会は「他町と競うように制作したのだろう」と推測する。
ほぉ…。京都の祇園祭のクライマックス山鉾巡行に参加する32基の山鉾の他に、どんど焼け(蛤御門の変による大火)等の理由により休み山となってしまった山鉾が3つ(布袋山・鷹山・大舩鉾)あることは知っていましたが、そのうちの1つの大舩鉾(おおふねぼこ)を復活させる計画があるとは、これは夢のある話ですね…。
まあ、現実問題として巡行までこぎつけようと思えば、まずは新たに鉾をつくり収蔵するスペースを確保して、装飾品も新調し、かつ巨額の維持費用も確保しなければならないだけに、本当に巡行までこぎつけようと思えば、それこそ気の遠くなるような年月が必要かと思いますが、是非復活してほしいものだと思います。
一方、懸装品と言えば、毎年どこかの山か鉾の懸装品が新調されたと話題になるものですが、今年は新調ラッシュなのだとか…。
勿論、17日の巡行を見るのも素晴らしいのですが、宵山や宵々山で展示物をじっくり眺めるのも悪くありませんし、巡行を見に行かれるという方がいらっしゃいましたら、大きさの目立つ鉾だけでなく、是非山の懸装品や御神体にも注目して欲しいと思います。
ちなみに、山鉾巡行の生中継は7月17日の午前8時半から正午までKBS京都及びBSフジ(こちらは午前11時までの放送)で放送されます。ご興味のある方はご参考までに。
http://www.asahi.com/travel/news/OSK201007020073.html
祇園祭最大の見どころ・山鉾(やまほこ)巡行で、江戸時代までトリをかざっていた大船(おおふね)鉾と呼ばれる巨大な鉾があった。約150年前の幕末の争乱で大部分が焼失してしまったが、近く展示用に復元されることになった。巡行復帰に向けた一歩を踏み出した。
大船鉾は500年以上前につくられた。ほかの鉾の胴体は長さ3.5メートル程度で、大船鉾はその2倍ほどあったとみられる。1864(元治元)年、長州藩と会津・薩摩藩などが衝突した蛤御門(はまぐりごもん)の変で、木組みや車輪など本体部分が焼けてしまった。250点を超える装飾品や神体などは難を逃れ、1870(明治3)年には、ふたつきの箱・唐櫃(からひつ)に神体である神功皇后の面を入れて巡行したこともあるという。
しかし、鉾は再建できず、巡行前夜の宵山で、四条町大船鉾保存会が町内の建物に神体や装飾品を飾る「居祭(いまつり)」を続けた。1990年代になって若手が立ち上がり、97年、近隣の町内の指導を受けながら約130年ぶりに祇園囃子(ばやし)を復活。公募で有志を募りながらけいこを続けていた。
昨秋、山鉾行事がユネスコの無形文化遺産に登録されたのがきっかけで、JR京都駅前に今年11月に大型店舗を開業するヨドバシカメラが、大船鉾の展示スペース提供を表明。同社役員から個人的に5千万円の寄付もあった。
市は寄付を元に、今年度の補正予算案に大船鉾を展示用に復元する費用を盛り込むことを決めた。設計図などが残っていないため、有識者による委員会を設け、これまでの調査や古い絵などを基に大きさや構造を割り出す予定だ。
ただ、展示用の鉾は巡行に参加できない。巡行に参加するためには、新たに鉾をつくり、収蔵するスペースを確保して装飾品を新調する必要がある。数億円の費用がかかると見られ、大船鉾保存会は、より寄付を集めやすい公益財団法人になることを目指して今春、一般財団法人になった。松居米三理事長は「まだまだ時間がかかるだろうが、近い将来必ず巡行に復帰する」と意気込んでいる。
2日、巡行の順番を決める「くじ取り式」が京都市役所であった。先頭は長刀鉾(なぎなたぼこ)と決まっており、長刀鉾の次の「山一番」は、孟宗(もうそう)山が引き当てた。大船鉾保存会は将来の巡行復帰に備え、オブザーバー参加した。
祇園祭:山鉾飾る懸装品修復ラッシュ、理由は天明の大火? 2010年7月11日 毎日
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100711k0000e040011000c.html
祇園祭の山鉾(やまほこ)の前後左右を飾る懸装品(けそうひん)の新調・修復ラッシュが続いている。京都市によると、09年までの10年間で61点。今年も孟宗(もうそう)山や霰(あられ)天神山で新たに制作された。関係者によると、集中の理由は意外にも1788年の天明の大火にあるという。
懸装品の多くは絹織物で海外産も珍しくない。32基がそろう7月17日の山鉾巡行は「動く世界の美術館」とも呼ばれる。だが、天明の大火では、20基以上が被害を受け、大半が復帰するのに十数年かかった。多くの懸装品修復を手がける川島織物セルコン(京都市)によると、絹製品の寿命は約100年で、大切に扱えば2倍程度長持ちする。だから、今、多くの山や鉾の懸装品が更新時期という。
大火で焼けた際の孟宗山の胴掛けの復活は1808年。劣化が進み、今年、故平山郁夫さん原作の「砂漠らくだ行」(縦155センチ、横270センチ、2枚)に一新した。
火難を免れた霰天神山も前掛けのベルギー製タペストリー(縦125センチ、横175センチ)などを新調。町人文化が花開いた文化文政期だけに、霰天神山保存会は「他町と競うように制作したのだろう」と推測する。
ほぉ…。京都の祇園祭のクライマックス山鉾巡行に参加する32基の山鉾の他に、どんど焼け(蛤御門の変による大火)等の理由により休み山となってしまった山鉾が3つ(布袋山・鷹山・大舩鉾)あることは知っていましたが、そのうちの1つの大舩鉾(おおふねぼこ)を復活させる計画があるとは、これは夢のある話ですね…。
まあ、現実問題として巡行までこぎつけようと思えば、まずは新たに鉾をつくり収蔵するスペースを確保して、装飾品も新調し、かつ巨額の維持費用も確保しなければならないだけに、本当に巡行までこぎつけようと思えば、それこそ気の遠くなるような年月が必要かと思いますが、是非復活してほしいものだと思います。
一方、懸装品と言えば、毎年どこかの山か鉾の懸装品が新調されたと話題になるものですが、今年は新調ラッシュなのだとか…。
勿論、17日の巡行を見るのも素晴らしいのですが、宵山や宵々山で展示物をじっくり眺めるのも悪くありませんし、巡行を見に行かれるという方がいらっしゃいましたら、大きさの目立つ鉾だけでなく、是非山の懸装品や御神体にも注目して欲しいと思います。
ちなみに、山鉾巡行の生中継は7月17日の午前8時半から正午までKBS京都及びBSフジ(こちらは午前11時までの放送)で放送されます。ご興味のある方はご参考までに。