日興コーデ買収、三井住友に優先交渉権 米シティ 2009年4月25日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090426AT2C2401Q24042009.html
米シティグループが傘下の日興コーディアル証券と日興シティグループ証券の大半の部門を売却する優先交渉権を三井住友フィナンシャルグループに与えたことが24日明らかになった。三井住友が提示した買収額は約5000億円で、来月以降の合意を目指して詰めの協議に入る。三井住友は日興を傘下に収めることで、証券部門を抜本的に拡充、総合金融グループとしての地位を強化する狙いがある。
優先交渉権は入札でもっとも高い条件を示した買い手候補に与えられる権利で、三井住友は今後米シティと独占的に交渉していく。両社は細部の条件の詰めを急ぎ、5月にも最終合意したい考え。野村グループ、大和証券グループと並ぶ三大証券の一角である日興が三井住友グループ入りすれば、金融界の勢力図は大きく塗り替わる。
日興アセット、5月1日にも1次入札 米シティ、単独売却 2009年4月26日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090426AT2C2500P25042009.html
米シティグループは5月1日にも、傘下の運用会社、日興アセットマネジメント売却に向けた1次入札を実施する。既に国内外の運用会社や大手金融機関など10社以上に応札を呼びかけ、野村グループなどが強い関心を示している。
日興アセットの運用資産は約9兆円。これを大手運用会社が取り込めば手数料収入を大幅に上積みできるほか、事務部門の共通化などコスト削減効果も見込める。そのため買収資金を調達できる多くの金融機関が入札に参加する見通しだ。買収額は1000億円規模に上るとみられる。
強気の三井住友、警戒の大和証券 日興買収交渉 2009年4月26日
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0426/TKY200904250217.html
共同 http://www.kitanippon.co.jp/contents/kyodonews/20090425/437874.html
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20090426k0000m020081000c.html
規模ではメガバンク3番手の三井住友フィナンシャルグループが、大胆な証券戦略に打って出た。日興コーディアル証券などの買収が実現すれば、国内銀行で初めて大手証券を傘下に持つことになる。その先には親密な大和証券グループ本社との経営統合を描くが、大和の警戒心は強い。
3メガバンクは、企業合併・買収の仲介や株式・債券引き受けなどを担う法人向け証券会社を育ててきた。しかし「車の両輪」の関係にある個人向けは準大手・中堅どまり。全国規模の販売力を欠くのが泣きどころだ。
大手証券が売りに出されるという好機を三井住友がモノにできれば、総合金融グループの将来像の幅が広がる。だが、それには大和との関係の再構築が不可欠だ。
三井住友が、日興シティグループ証券を手にすると、大和との共同出資会社の大和証券SMBCと仕事を奪い合う懸念がある。また、大和証券SMBCが手がけた金融商品を日興コーディアルでも売れば、大和証券は割を食う。
このため、三井住友にとっては「大和証券グループ本社と経営統合し、傘下会社を再編する」というのが大目標だ。傘下のSMBCフレンドと日興2証券の預かり資産の合計は約37兆円(08年12月末)で業界3位だが、2位の大和証券グループ本社が加われば77兆円に膨らみ、野村ホールディングス(58兆円)を引き離す圧倒的首位になる。
しかし、大和は銀行主導の再編を嫌い、証券会社の独立性を重視する。両者の温度差は埋まらず、むしろ最近は大きくなっているのが実情だ。
三井住友が日興買収に名乗りを上げてから、大和の幹部らは「真意を測りかねる。買収したら、非常にややこしくなる」と漏らしていた。三井住友の経営陣に度々、懸念を訴えたが、三井住友は買収に突き進み、「火に油を注ぐ」(関係者)展開になった。
大和と日興は、営業現場で激しく争ってきた間柄だ。三井住友は「日興プラス大和で、野村を追おう」と説得するが、大和には「日興との協力には非常に困惑する」(中堅社員)という声が強い。
大和証券SMBCをめぐっても、出資比率が4割の三井住友は「我々の分厚い顧客基盤で商売しているのに、もうけの配分が少ない」と比率引き上げを求めるが、大和は「証券会社のノウハウがあるからうまく機能する」と応じていない。隔たりは大きく、乗り越えるべき課題は多い。
三井住友・シティ提携へ 日興2証券の買収成立なら 2009年4月26日 朝日
http://www.asahi.com/business/update/0426/TKY200904250208.html
三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、米金融大手シティグループと、日興コーディアル証券などの買収で本格的な交渉に入った。同時に、シティグループと国際的な法人向け分野で業務提携することも検討。早ければ5月中の合意を目指す。
シティは、傘下の個人向けの日興コーディアルと日興シティグループ証券の大半をセットで売却する方針。三井住友と三菱UFJFGの事実上の一騎打ちになったが、20日の入札で三井住友が最も高い金額を示した。さらに、三菱UFJの証券子会社の顧客情報流出事件について、シティを実質管理下に置く米政府が問題視しているとされる。
「シティが三井住友に正式な優先交渉権を与えたわけではない」(関係者)というが、事実上、交渉相手は三井住友に絞られ、すでに証券2社の買収交渉を開始。その中で、三井住友とシティ本体も業務提携を結ぶ方向だ。買収後に証券2社とシティの関係が切り離されると、2社の強みが損なわれるためで、提携で補う狙いがある。
三井住友は、大和証券グループ本社との共同出資で法人向けの大和証券SMBCを運営するが、出資比率は4割で、海外とのパイプも元々弱い。日興2社の買収を通じ、証券部門を大幅に拡充。さらにシティとの提携で、法人向け海外案件の強化も探る。
三井住友は、米金融大手ゴールドマン・サックスと長年の親密な関係にあるほか、昨年は英金融大手バークレイズに5億ポンド(約700億円)を出資した。シティの国際的な営業網も使えるようになれば、国際間の企業合併・買収の仲介や株式・債券の引き受けといった投資銀行部門を強くできるとみている。
親会社であるシティグループが財務体質改善目的のために海外子会社の売却を望んだため、日本でも日興コーディアル証券と日興シティグループ証券の大半の部門が売却されることになりましたが、3大メガバンクが入札に参加した上で、三井住友銀行が優先交渉権を得たようです。
とはいえ、三井住友銀行に次いで掲示した買収金額の大きかった三菱UFJとの金額の差は数百億円程度。
シティは日興アセットマネジメントの売却も5月1日から始めるようですし、交渉次第では三菱UFJが逆転する可能性もまだまだありそうな気がします。(日興アセットマネジメントについては、グループに大和證券をもつ三井住友の関心はあまり高くなく、三菱UFJ側が日興アセットマネジメントも含めて買収金額を打ち出してくることで巻き返してくるのでは…という噂もあります)
ただ、日興は元々三菱グループと仲がよかったのが、シティグループと提携することで、三菱との関係がやや悪化。その後三菱は、野村證券から当時準大手の筆頭だった国際証券(現三菱UFJ証券)を買収しているという経緯があるだけに、三菱と組むのは当の日興側が嫌がる可能性もありますし、国際証券を母体とした現在の三菱UFJ証券の職員とどちらが主導権を取るのか、どう人事を交流させていくのかという問題もありそう。(こちらは組む相手が三井住友銀行でも、大和證券との間に全く同じ問題が発生します。)
そういう意味では最終的に、日興グループの各社がどこの傘下に入るかは、まだまだ一波乱も二波乱もありそうですし、まだまだ目が離せそうにありませんね…。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090426AT2C2401Q24042009.html
米シティグループが傘下の日興コーディアル証券と日興シティグループ証券の大半の部門を売却する優先交渉権を三井住友フィナンシャルグループに与えたことが24日明らかになった。三井住友が提示した買収額は約5000億円で、来月以降の合意を目指して詰めの協議に入る。三井住友は日興を傘下に収めることで、証券部門を抜本的に拡充、総合金融グループとしての地位を強化する狙いがある。
優先交渉権は入札でもっとも高い条件を示した買い手候補に与えられる権利で、三井住友は今後米シティと独占的に交渉していく。両社は細部の条件の詰めを急ぎ、5月にも最終合意したい考え。野村グループ、大和証券グループと並ぶ三大証券の一角である日興が三井住友グループ入りすれば、金融界の勢力図は大きく塗り替わる。
日興アセット、5月1日にも1次入札 米シティ、単独売却 2009年4月26日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090426AT2C2500P25042009.html
米シティグループは5月1日にも、傘下の運用会社、日興アセットマネジメント売却に向けた1次入札を実施する。既に国内外の運用会社や大手金融機関など10社以上に応札を呼びかけ、野村グループなどが強い関心を示している。
日興アセットの運用資産は約9兆円。これを大手運用会社が取り込めば手数料収入を大幅に上積みできるほか、事務部門の共通化などコスト削減効果も見込める。そのため買収資金を調達できる多くの金融機関が入札に参加する見通しだ。買収額は1000億円規模に上るとみられる。
強気の三井住友、警戒の大和証券 日興買収交渉 2009年4月26日
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0426/TKY200904250217.html
共同 http://www.kitanippon.co.jp/contents/kyodonews/20090425/437874.html
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20090426k0000m020081000c.html
規模ではメガバンク3番手の三井住友フィナンシャルグループが、大胆な証券戦略に打って出た。日興コーディアル証券などの買収が実現すれば、国内銀行で初めて大手証券を傘下に持つことになる。その先には親密な大和証券グループ本社との経営統合を描くが、大和の警戒心は強い。
3メガバンクは、企業合併・買収の仲介や株式・債券引き受けなどを担う法人向け証券会社を育ててきた。しかし「車の両輪」の関係にある個人向けは準大手・中堅どまり。全国規模の販売力を欠くのが泣きどころだ。
大手証券が売りに出されるという好機を三井住友がモノにできれば、総合金融グループの将来像の幅が広がる。だが、それには大和との関係の再構築が不可欠だ。
三井住友が、日興シティグループ証券を手にすると、大和との共同出資会社の大和証券SMBCと仕事を奪い合う懸念がある。また、大和証券SMBCが手がけた金融商品を日興コーディアルでも売れば、大和証券は割を食う。
このため、三井住友にとっては「大和証券グループ本社と経営統合し、傘下会社を再編する」というのが大目標だ。傘下のSMBCフレンドと日興2証券の預かり資産の合計は約37兆円(08年12月末)で業界3位だが、2位の大和証券グループ本社が加われば77兆円に膨らみ、野村ホールディングス(58兆円)を引き離す圧倒的首位になる。
しかし、大和は銀行主導の再編を嫌い、証券会社の独立性を重視する。両者の温度差は埋まらず、むしろ最近は大きくなっているのが実情だ。
三井住友が日興買収に名乗りを上げてから、大和の幹部らは「真意を測りかねる。買収したら、非常にややこしくなる」と漏らしていた。三井住友の経営陣に度々、懸念を訴えたが、三井住友は買収に突き進み、「火に油を注ぐ」(関係者)展開になった。
大和と日興は、営業現場で激しく争ってきた間柄だ。三井住友は「日興プラス大和で、野村を追おう」と説得するが、大和には「日興との協力には非常に困惑する」(中堅社員)という声が強い。
大和証券SMBCをめぐっても、出資比率が4割の三井住友は「我々の分厚い顧客基盤で商売しているのに、もうけの配分が少ない」と比率引き上げを求めるが、大和は「証券会社のノウハウがあるからうまく機能する」と応じていない。隔たりは大きく、乗り越えるべき課題は多い。
三井住友・シティ提携へ 日興2証券の買収成立なら 2009年4月26日 朝日
http://www.asahi.com/business/update/0426/TKY200904250208.html
三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、米金融大手シティグループと、日興コーディアル証券などの買収で本格的な交渉に入った。同時に、シティグループと国際的な法人向け分野で業務提携することも検討。早ければ5月中の合意を目指す。
シティは、傘下の個人向けの日興コーディアルと日興シティグループ証券の大半をセットで売却する方針。三井住友と三菱UFJFGの事実上の一騎打ちになったが、20日の入札で三井住友が最も高い金額を示した。さらに、三菱UFJの証券子会社の顧客情報流出事件について、シティを実質管理下に置く米政府が問題視しているとされる。
「シティが三井住友に正式な優先交渉権を与えたわけではない」(関係者)というが、事実上、交渉相手は三井住友に絞られ、すでに証券2社の買収交渉を開始。その中で、三井住友とシティ本体も業務提携を結ぶ方向だ。買収後に証券2社とシティの関係が切り離されると、2社の強みが損なわれるためで、提携で補う狙いがある。
三井住友は、大和証券グループ本社との共同出資で法人向けの大和証券SMBCを運営するが、出資比率は4割で、海外とのパイプも元々弱い。日興2社の買収を通じ、証券部門を大幅に拡充。さらにシティとの提携で、法人向け海外案件の強化も探る。
三井住友は、米金融大手ゴールドマン・サックスと長年の親密な関係にあるほか、昨年は英金融大手バークレイズに5億ポンド(約700億円)を出資した。シティの国際的な営業網も使えるようになれば、国際間の企業合併・買収の仲介や株式・債券の引き受けといった投資銀行部門を強くできるとみている。
親会社であるシティグループが財務体質改善目的のために海外子会社の売却を望んだため、日本でも日興コーディアル証券と日興シティグループ証券の大半の部門が売却されることになりましたが、3大メガバンクが入札に参加した上で、三井住友銀行が優先交渉権を得たようです。
とはいえ、三井住友銀行に次いで掲示した買収金額の大きかった三菱UFJとの金額の差は数百億円程度。
シティは日興アセットマネジメントの売却も5月1日から始めるようですし、交渉次第では三菱UFJが逆転する可能性もまだまだありそうな気がします。(日興アセットマネジメントについては、グループに大和證券をもつ三井住友の関心はあまり高くなく、三菱UFJ側が日興アセットマネジメントも含めて買収金額を打ち出してくることで巻き返してくるのでは…という噂もあります)
ただ、日興は元々三菱グループと仲がよかったのが、シティグループと提携することで、三菱との関係がやや悪化。その後三菱は、野村證券から当時準大手の筆頭だった国際証券(現三菱UFJ証券)を買収しているという経緯があるだけに、三菱と組むのは当の日興側が嫌がる可能性もありますし、国際証券を母体とした現在の三菱UFJ証券の職員とどちらが主導権を取るのか、どう人事を交流させていくのかという問題もありそう。(こちらは組む相手が三井住友銀行でも、大和證券との間に全く同じ問題が発生します。)
そういう意味では最終的に、日興グループの各社がどこの傘下に入るかは、まだまだ一波乱も二波乱もありそうですし、まだまだ目が離せそうにありませんね…。