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ハローワーク:なぜ今?職員削減…年度末に大量解雇なのに

2009-04-11 11:54:44 | Weblog
ハローワーク:なぜ今?職員削減…年度末に大量解雇なのに 2009年4月6日 毎日夕刊
http://mainichi.jp/select/today/news/20090406k0000e040065000c.html
 年度末の大量失職の影響で6日、ハローワークに長い列ができた。「仕事探しの時間より待っている時間の方がはるかに長い」と失職者のため息が漏れる。一方、厚生労働省はこうした状況下にもかかわらず、07年から3年連続となるハローワークや労働基準監督署の職員削減を続けた。4月からハローワークだけで約300人の職員が削減され、「何を考えているのか」と利用者や職員から批判の声が上がっている。
 厚労省は国の合理化計画に沿い、労働関連で07年から3年間で約900人の人員を削減。このうち労働局は625人、ハローワークは457人減った。09年度はハローワークで297人が減らされ、全国で1万1700人になった。
 東京都内のあるハローワーク職員は「300人近い定員を削り、この事態に対応しろというのはむちゃ」と嘆く。厚労省人事課は「政府方針なので削減を止められない。代わりに臨時相談員を1300人増やした」と説明。しかし、現場の職員からは「書類作成などはできても、実際の相談への対応は厳しく、窓口が全部埋まらない」と話す。窓口は昼休みなしで対応し、昼食を取る時間もないのが現状だという。
 利用者の不満も大きい。「20年間仕事でハローワークに通っているけどこんな状態は初めて」。社会保険労務士の女性(43)は、口をとがらせる。3月中旬から混雑したといい、2日にハローワーク品川に会社側の離職票発行手続きのために行った時は85人待ちだった。女性は「午後に行けば、その日のうちには手続きできない」と話す。離職票が遅れれば、雇用保険の手続きの遅れにもつながり、女性は「こんな非常時に職員を減らすなんて論外だ」と憤る。
 ハローワーク新宿で求職中の渋谷区の女性(29)は、「これ以上職員を減らされては困る」と訴える。窓口は、職員が動き回っているせいか空席が目立ち回転率の悪さを感じるという。女性は「午後は40~50人待ちは当たり前。自分が体験してみて深刻さが分かった」と話した。
 全労働省労働組合によると、関東のハローワークでは、4~5時間待つのは当たり前の状態。混雑は静岡、愛知県など製造業の集積地から全国に広がっているという。同労組幹部は「じっくり求職者の話を聞いてあげたい気持ちがあっても、順番待ちの求職者の目が怖く時間がかけられない」と話している。

ハローワーク:新年度迎え長い列…広がる雇い止め  2009年4月6日 毎日夕刊
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090406k0000e040064000c.html
 年度末の非正規雇用労働者の大量失職や、リストラによる失業者が過去最大幅で増えるなど雇用情勢の悪化が深刻化する中、週明けの6日、各地のハローワークに長い列ができた。
 さいたま市大宮区のハローワーク大宮では、業務が始まる午前8時半に、仕事を探す約150人が並び、50メートルの長い列ができた。8時に来たという製造業の元正社員の男性(60)は「年末に定年になり、雇用延長されるはずだったが、リストラも始まり、拒否された。アルバイトでもと思って探しているが、仕事はない」と顔をしかめた。
 このハローワークでは、派遣切りが横行していた昨年12月には朝20~30人が並んでいたが、先月下旬から、日に日に列が長くなっていったという。職員は「経験したことのない事態」と話す。
 「トヨタショック」が直撃した愛知県。名古屋市中村区のハローワーク名古屋中では、混雑ぶりは昨年4月の1.5倍近い。今月1日以降は、年度末に失職した人たちが、大量に離職手続きに訪れており、閉庁後も午後10時すぎまで事務が終わらないという。
 厚生労働省は、製造業の派遣労働者が今年3月以降に一斉に派遣期限を迎える「09年問題」で非正規社員の雇い止めが広がっているうえ、経済の悪化で正社員のリストラも進むことが予想されるため、企業が人員調整に踏み切りやすい年度末は、昨年末以上に職を失った人が増えたとみている。今月に入って4~5時間待ちのハローワークも出始めているという。

ハローワーク臨時増員 正職員304人、非常勤7千人 2009年4月8日 朝日
http://www.asahi.com/job/news/TKY200904070342.html
 政府は7日、緊急雇用対策の一環として、ハローワークの正職員304人を臨時増員する方針を固めた。行政改革で公務員数の削減が進む中、年度途中で正職員の増員が認められるのは異例だ。急激に悪化する雇用情勢に対応するため、ハローワークの非常勤職員も約7千人増員する。09年度補正予算案に関連予算を盛り込む方針だ。
 増員する正職員は、改正雇用保険法で要件が緩和され、受給者の増加が見込まれる失業手当の給付や、申請が急増している雇用調整助成金の担当に充てる。職業相談や求人開拓分野については非常勤職員の増員で対応する。
 雇用情勢の悪化で、2月の新規求職者数が前年同月比で3割増の約70万人に達したほか、雇用調整助成金の申請対象者数も同1200倍以上の186万人となり、ハローワークの業務量は急増している。各地のハローワークでは、求職者や雇用調整助成金を申請する事業者らが、何時間も手続きを待たされる状況で、体制の強化を求める声が上がっていた。
 一方、09年度当初のハローワークの体制は、小泉内閣時に定められた行政改革方針などに基づき、正職員数は前年度比約300人減となっていた。これに対して、与党からも、雇用対策が求められる中でハローワークの職員数が減ることへの異論が出ていた。今回の臨時増員は、これを補う形だ。
 国家公務員の正職員の増員については通常、本予算に合わせて決定する。阪神大震災時に一定の増員が認められた例はあるが、補正予算案に増員要求を盛り込むのは異例だ。ただ、3年間の時限措置とし、今後、退職者の補充などを減らすことで、最終的には行革方針には影響が出ないようにする。



 う~ん。ハローワークで非常勤の仕事をしている社労士の有資格者の方から、『数年連続で正規職員を減らし続けて、その分非正規職員に置き換えている。窓口にいるのはほとんど非常勤職員』とは聞いていましたが、雇用情勢が本格的に悪化しはじめた昨年11月以降も、臨時も含めて職員補充をしていないとは吃驚ですね。
 まあ、私の地元のハローワークでも、朝一でハローワークに行き、ネット上から希望の仕事を見つけて受付窓口に提出してから職員の面談にこぎつけるのに2時間待ちはザラなようですし、紹介に時間がかかるため求職者の滞留時間が長くなり、車で来る求職者の場合は、求人待ち以前に駐車スペース待ちの時間まで必要な有様。
 全般的に求人が悪化しているとはいえ、お役所の側にも予算というものがある以上、そう簡単に人員補充できないという事情もあるのかもしれませんが、お役所の職員の側が過労で倒れては話にもなりませんし、お役所としては異例の年度途中での人員補充となったのも致し方ないと思います。

都下水道局ワッペン2万枚作り直し 都知事はバカじゃねえか発言

2009-04-11 11:51:15 | Weblog
都下水道局ワッペン2万枚作り直し、3400万円追加支出 2009年4月10日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090410AT1G1001E10042009.html
 東京都下水道局が作製した職員の制服に縫いつけるワッペン約2万枚のデザインが、都の内規に反していたため、約3400万円をかけて作り直していたことが10日、分かった。
 同局によると、職員のアイデアで昨春、「東京都下水道局」のロゴの下に「汚れた水がきれいになるイメージを」と水色の波線を入れたデザインを決定。しかしワッペンができ上がった後の昨年11月、局内の会議で、イチョウ形をした都のシンボルマークと組織名以外の要素を加えることを禁じた「基本デザインマニュアル」に抵触することが判明、波線を除いたデザインで作り直した。
 都は今年3月、当初のデザインを決めた当時の部長と課長を訓告処分とした。同局総務課は「ワッペンは長期間使用するため、内規違反と知りながら放置できない。多額の追加費用がかかってしまい重く受け止めている」としている。

ワッペン作り直し問題、都知事「バカじゃねえか」 2009年4月11日 
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090411AT1G1002710042009.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090410-OYT1T00769.htm
 東京都下水道局が「内規に反している」との理由で制服のワッペンを約3400万円かけて作り直した問題で、石原慎太郎知事は10日、「バカじゃねえか。役人の悪い意味での律義さは世間では通じない」と述べ、作り直しに関係した職員の処分を検討することを明らかにした。
 組織名のロゴの下に、きれいな水をイメージした水色の波線を入れた当初のデザインについて、「私はこっちの方がよっぽどいいと思う」と感想を漏らした。



 ………(滝汗 このワッペンの作り直しは確かにムダだとは思いますが、東京都民からみれば、『新銀行東京に桁違いの多額のムダ金をつぎ込んだ張本人のあんたが言うな!!!(激怒』というのが、まさに本音でしょうね…(呆れ
 世の中には、『これは絶対必要だ』と誰かが強行に主張して、時にはその主張がそのまま通ってしまい、実際にお金がつぎ込まれてしまうものが沢山ありますが、長期的に人口減少社会が続く中、少しでもムダなものは排除したいもの。
 私は、石原都知事に対しても『人の振り見て我が振り直せ』という有名な故事を使いたくなってしまいます。

入社前日に内定取り消し…カナサシが破たん、採用「白紙」に

2009-04-11 11:46:46 | Weblog
入社前日に内定取り消し…カナサシが破たん、採用「白紙」に 2009年4月11日
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090411-OYT1T00043.htm
朝日 http://www.asahi.com/job/news/TKY200904100299.html
毎日 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090411ddm041020055000c.html
 1日から操業を一時停止し、2009年度の新規採用予定者19人の内定を入社式前日の3月31日に取り消した静岡市清水区の造船会社「カナサシ重工」は10日、静岡地裁に会社更生法の適用を申請し、財産の保全管理命令を受けたと発表した。
 負債総額は201億2000万円。週明け以降操業を再開して再建を目指し、従業員140人の雇用も維持するものの、操業再開すれば「声をかける」としていた内定取り消し19人の扱いは「白紙」としている。
 同社は09年3月期に23億円の赤字が見込まれたが、722億円の受注残があるとして、取引先の金融機関に対し運転資金の融資を求めていた。しかし、経済危機に伴う取引先の態度硬化で融資を受けられず、自力再建を断念した。今後は保全管理人の弁護士の下で13日に操業を再開し、更生開始決定後、再建に向けた更生計画を策定する。
 更生法の申請に伴い退任が決まった片上久志社長は10日夕、記者会見。「関係者に迷惑をかけ、心からおわびする」と深々と頭を下げた。保全管理人は、新規採用予定については「今のところ白紙」と述べ、片上社長は「融資が受けられればもろ手を上げて迎えに行ったが、それもできなくなった」と陳謝した。

倒産動向記事 株式会社カナサシ重工 会社更生法の適用を申請 2009年4月10日 帝国データーバンク
http://www.tdb-news.com/bankrupt_detail.html?ID=29615&SID=e672dc3052a0843da6a9d70f7c4dfeae
 (株)カナサシ重工(資本金3億円、静岡市清水区三保491-1、代表片上久志氏、従業員140名)は、4月10日に静岡地裁へ会社更生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。
  申請代理人は洞江秀弁護士(静岡市葵区八千代町24-9、電話054-272-8660)ほか3名。保全管理人は青島伸雄弁護士(静岡市葵区呉服町1-1-14、電話054-255-2819、カナサシ重工内保全管理室電話054-334-5151)ほか1名。
  当社は、1999年(平成11年)2月の設立。1903年(明治36年)3月創業、36年(昭和11年)9月に法人改組し、88年9月に会社更生法の適用を申請した造船業者(株)金指造船所(現:(株)豊橋造船、旧:(株)カナサシ)が前身で、同社の更生計画の変更による同社清水工場の分社化によって発足した。近年は、新船建造、船舶修繕を主業とするほか、貯水槽などの鋼構造物を製作する陸機工事部門を併営し、近海貨物船やタンカーなどの商船、官公庁向け調査船や水産学校向け実習船などの漁船を建造する新船部門が約80%、船舶修繕と陸機工事が各10%の比率で、2008年3月期には貨物船・タンカーなど5隻の新船建造が寄与し過去最高となる年売上高約102億4800万円を計上していた。
  しかし、この間、更生計画変更の条件でもあった「黒字維持」が、2005年3月期、翌2006年3月期の大幅な連続欠損で途絶え、それまでの内部留保の流出を余儀なくされていた。貨物船など商船部門への進出は、売上規模を拡大した反面、生産ロスの発生や原材料価格の高騰による借入金の増加を招いていたほか、2004年に実施した旧カナサシからの完全独立にあたり、本店不動産や諸設備、子会社株の購入に伴う資金需要の発生から余裕のない資金繰りが続いていた。
  こうしたなか、2009年3月期末時点で700億円超の受注残を確保し2010年3月期以降は黒字化を見込んでいたが、損益面の改善見込みは立たず、昨年来の世界的な金融危機などを背景に取引行の支援姿勢が硬化。追加融資が得られなくなったことで3月末以降の支払についてメドが立たず、4月1日から工場の操業を一時停止していた。その後は、静岡市をはじめ各方面に支援を要請、同市はメーンバンクに「特別の配慮」を求める要望書を提出したほか、緊急の支援策を講じるなどして支援姿勢を表明。当社も13日から工場の操業を再開する計画であったが、自力での再建は困難と判断、今回の措置となった。
  負債は約201億2000万円。




 あ~。結局 カナサシ重工は会社更生法を申請ですか…(汗
 この会社については、入社式の前日になっていきなり新卒19人の内定を取り消したことで全国区のニュースとなり、7日には『静岡市が市内の企業を対象に、内定を取り消された学生を正社員に採用した場合、1人あたり月1万6000円の補助金を出すと発表』し、翌々日の9日には、『操業を13日に再開する方針を明らかにし、再開後に、内定を取り消した19人から希望があれば採用する』と発表したばかり。
 その舌の根も乾かない翌日に会社更生法を申請するなんて、内定者やその家族からすれば『何度も言うことをころころと変えやがって、一体人の人生を何だと思っている いい加減にしろ…(怒!』とうのが正に本音だと思いますし、なんと言っても振り回された内定者が可哀想…。
 経営状態が苦しく法的整理になってしまったことそのものは致し方ないとしても、金融機関の融資が受けられるかどうかで採用を決めるという経営方針にもクビを傾げざるを得ないのですが、内定者に対してもこの調子では、債権者集会などはまさに修羅場になりそうな気がしますね…(溜息