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陽だまりでアフタヌーンティ

願望をタイトルにしました。
食べたり作ったりする事が好きなのでそんな話を中心に、時にはその日の出来事を添えます。

小説「暁の宇品」を読みました!

2022年09月20日 | Weblog

       ・堀川恵子作・第48回大佛次郎賞受賞作品。

       (広島の軍港・宇品に置かれた陸軍船舶司令部)

       (前半は田尻昌次中将、後半は佐伯文郎中将という

        高潔な軍人を据え、彼らの英知と懊悩を

        自叙伝、証言、日記から再現する確かな

        筆致に思わず「膝を打ち」ました)

       ・人類初の原子爆弾は、なぜヒロシマに投下

        されなくてはならなかったか?

       (アメリカの公文書では京都、広島、横浜、小倉が

        狙われ、特に広島、京都がAA級。

        最終的には古都を破壊すれば日本人の反発が強まり

        占領後の統治が難しくなるとの懸念から外された。)

       (広島が選ばれた理由は、重要な「軍隊の乗船基地」があり

        隣接する丘陵が爆風の集束効果を生まじさせて被害を

        増幅させることができる。・・・すごい緻密な洞察力!)

       ・広島で軍隊の乗船基地といえば、海軍の呉ではなく、

        陸軍の「宇品」である。

        (日清戦争、日露戦争、シベリア出兵、満州事変、日中戦争

         そして太平洋戦争とこの国のすべての近代戦争において

         幾百万もの兵隊が宇品から戦地へ送り出しました。)

       ・その日の朝、宇品の空は一点の雲もとどめぬ晴天が広がった。

        海原は風ひとつたたず、真夏の日差しが炎熱焼くがごとく

        照りつけている。食卓の机の上に「ピカッ」と真っ白な

        閃光が走った。(1945年8月6日午前8時15分)

       ・376ページ、前後左右の資料から紡ぎだす、迫真の

        文章力・・・ページをめくるのももどかしかった。

       ※ よい本に出合えました! 「読書の秋」始まり!始まり!

       

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