業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

戦意喪失3部作

2006年06月26日 | 業務日誌
その3

ヘルパーもケアマネも大事な社会資源です。ご利用は計画的に!
今月から担当している浦田さん(仮名)夫婦。
ご主人はアル中、奥さんはリウマチ。
とっても仲のいいご夫婦で、公団にふたりで住んでいます。
もとはニチイさんがご主人のケアマネだったのですが、4月の更新で要支援1になってしまったため予防給付に移行しました。するとそれまで入っていたヘルパーの利用回数が2/週⇒1/週に制限されてしまい、キレイ好きな奥さんがゴネはじめたのです。ご主人のヘルパーの仕事は2日とも掃除でした。
で、私が奥さんを担当して代行申請したら、奥さんのほうには要介護1が出ました。ニチイさんの退職も重なり、必然的に私がこのご夫婦をふたりとも担当することになったのでした。

奥さんは、認定がおりるとすぐさま訪問介護を利用すると言われました(「したい」ではなく「するったらするったらする!」です)。しかも「慣れているから」という理由で、これまでご主人が利用していた事業所から、つもりもう1日派遣を増回してもらいたいと言ってきかないのです。
確かに利用者にとっては、いくつもの事業所が派遣されるのでは面倒だし気も遣うしで、同じ事業所に依頼したいのは当然のことですから、私はそれまで入っていた事業所“あおぞら”さんに調整を依頼し、なんとかひとり確保しました。
ただ、ご主人のヘルパーを好きなように使い、エアコン掃除や絨毯の交換など過剰な依頼をしていた奥さんだったのでちょっと心配だったのですが、火曜日に奥さんのヘルパー、木曜日にご主人のヘルパーを派遣することにし、予防給付であるご主人へのサービス内容と、介護給付である奥さんへのサービス内容とをきちんと分けて考えてもらい、適正に利用してもらうよう説明をしたつもりでした。
ですがこの夫婦は、私の知らないうちに“あおぞら”さんに直接交渉して派遣日を変更したり、ヘルパーを指名したりしやがりました。
最初に派遣されるはずだったヘルパーが、自分の知っているヘルパーではなかったことが気に入らなかったようなのですが、“あおぞら”は利用者に言われるがままに担当を変更し、派遣日も水曜:奥さん、木曜:ご主人と調整してしまいました。かなりムリして調整したようです。
私は、そんなことをして“あおぞら”さんは困らないのかな、と不思議に思いました。

訪問介護の利用者は大抵そうですが、この夫婦は特に『ヘルパー=使用人』という感覚が強く、以前にも「今度のヘルパーはトシをくっているので仕事が頼みづらい、もっと若くて丈夫なヘルパーに変えてくれ」と、どこぞの包括のブ長がソープランドでやったのと同じようなことをしたことがありましたし、ヘルパーやケアマネにだってお休みは必要だしその権利もあるということを全然理解しないところがありますから…以前私はこの奥さんから「あなた日曜日休んでたでしょう、どうして?」と責められたことがあります。
私が「はあ、日曜はウチの居介自体休みなんスよ」と答えると、「じゃあ電話をとった居介の方はどうなの?仕事なさってたわよ」と、まるで私が怠慢ケアマネであるかのように言い返されてしまったのでした(奥さん正解ですw)。
電話に出たのはナース河合で、たまたま週末に終わらなかった仕事を済ますために出勤し、たまたま奥さんの電話に出てしまったのですが…。
この浦田さん宅の担当ヘルパーは休まないのでしょうか。
私は特定のヘルパーを指して「○○ヘルパーでなければイヤ」だとゴネる利用者には、実は訪問介護なんて必要ない、という信念を持っていますし、そのような求めに応じてしまう事業所はプロではないと思っています。
ケアマネもヘルパーも、利用者が何を望むかということよりも、利用者に何が必要かをまず考えて仕事をしなくてはならないと思うんです。
この場合、浦田さん夫婦にとって、お気に入りのヘルパーだけを派遣しなくてはならないという必要性はあるでしょうか。否、ない(反語)。

とにかく、初っ端からこれでは先が思いやられるし、自立支援どころかヘルパー依存に拍車をかけることになりかねません。
“あおぞら”も“あおぞら”です。
どうしてハッキリと「ヘルパーの指名はできません」と、「うちのヘルパーは誰が派遣されてもみな同じ仕事が出来ますのでご心配なさらないで下さい」と、自信を持って利用者を説得出来ないのでしょうか。
まして、いくら希望があったからといっても、水・木曜と続いてはご主人と奥さんのサービスの間隔が短すぎます。しかも家事の内容はどちらも掃除なんです。絶対に過度な『2日がかりの掃除』になってしまうのは目に見えてます!プロのヘルパーである“あおぞら”のサービス提供責任者に、それが予想出来ないはずはありません。

私はとりあえず、サービス担当者会議を開いて、“あおぞら”と業務の内容について話し合うことにしました。

参考資料:メイド・サーバント症候群

⇒つづく

今夜は





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