業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

DTN!!! その1

2008年05月29日 | 事例検討
ええと、とりあえず当選した寺社奉行さんおめでとうございます。
惜しくも選にもれてしまった方々、6月に強行される予定の業務日誌ブログケアマネ実務研修専門課程Ⅰ参加記念企画にご期待下さい。
なんでこんな研修に出んとあかんのじゃ!!
ケアマネはそんなに
ヒマじゃないんじゃ!!

ハリケンのココロの叫びがコダマするプレゼントをご用意しております(いやマジで)。


んーと、んーと、いくつかのトピックが流れっぱなしになっている気がします。
続きを書く気はあるんです、ホントに。
ただ、ハリケンが、4月末から新規で受けた利用者が、私のブログ定期更新を邪魔しているんです。

名前はリューク(仮名)。68歳・男性。
今月20日、ひがし区で1番大きな中央病院(仮称)から退院しました。
リュークを担当してもらえないか、と、中央hpのド新人MSWミサミサ(仮名)から依頼があったのは、先月半ばのことでした。


リュークは独居()。家族とは20年も前に離別しています。
もとはトラック運転手でしたが、引退して気ままなひとり暮らしをしていました。
糖尿病になっても乱れた食生活を送り、腎臓を悪くしてもろくに病院にも行かずいたため尿毒症になってしまい、3月末に自宅でのたれ死ぬ寸前だったのを知人に助けられ入院。
すぐにシャントがつくられ、4月アタマには透析導入()となったんです。
4月のはじめにシャントが出来たにしては退院が遅いな、と私はそのとき思ったんです。
中央病院はここ最近、切ないほどに患者を切ってしまうのに、シャントが出来て透析も開始し、あとは地域の病院に出すばかりのリュークが1ヶ月も入院しているのはおかしい。
ま、とにかく会って話を聞こう。
ゴールデンウィーク前、私はインテークのため中央病院へ。

リュークは入院して間もない時期にすでに認定を受けており、介護度は要2でしたが、長期の入院のせいか体調のためか、はたまた本人にまったくやる気がないからか、下肢筋力低下が低下のしまくりで、まったく立てませんでした。
インテークにはMSWのミサミサも立会いまして、私はリュークの退院の予定やら、退院後の透析施設はどこかなどなどをひとつずつ聞いていきました。
リュークははじめ、退院後の透析は、ウチ(ひがしクリニック透析センター)ではなく、よそで透析するはずだったんです。
なぜそれがダメになったのかつーと、リュークがナマホ()だったせいでした。
ナマホの人が透析を受けるためには、その透析施設が更生医療の指定を受けていなくてはならないのですが、そーゆー施設は多くはありませんので、結果リュークが透析施設を選択するにあたっては制限がある。
また、リュークは自立歩行できませんし、ナマホでお金もありませんのでタクシーを利用するのにも限界がある。
この市では透析患者さんなどに対して往路または復路に相当するぶんのタクシーチケットを出しますが、あとの半分は自腹ですからね。
そこにいくとウチのクリニックは、透析患者さんの送迎をやっておりますし、トーゼン更生医療の指定も受けておりますイコールナマホ()の患者さんが選択しやすいんです。
そんなワケで、インテークの翌日には、なんでだか、ウチのクリニックに面談に来ることになってて。で、面談に来たらもうほぼウチで透析することは確定したようなもんで。
担当する利用者が自分の法人のクリニックで透析するということは、つまり、その利用者を介してケアマネと透析ナースたちとの関係がアレになるワケです。
利用者のダメはケアマネのダメ。
ケアマネのダメはケアマネのダメ。
ウチの居介のケアマネが、ウチの透析患者さんを担当したがらない理由はそれです。

まー、でも仕方ない。
私は利用者を選り好みするようなケアマネではありません
透析施設も決まったし、リュークの退院もこれでトントンと決まるでしょうし、さっさとヘルパーやら福祉用具やらを決めていこうと思い、連休明けにふたたび中央病院へ。

その日でした。リュークのそのときの所持金が
2円
だということを知ったのは。


                           つづく





※もうおわかりでしょうが、『DTN』とゆーのは、ハリケンが勝手に作った、医療法人に勤めるケアマネ用語で『独居・透析・ナマホ』の略です。

特養優先入所指針 その3

2008年04月27日 | 事例検討
【根回し】
ねまわし ―まはし 2 (名)スル
(1)木を移植するに先立ち、根の周囲を切り詰めて細根を発達させておくこと。
(2)事を行う前に、関係者に意図・事情などを説明し、ある程度までの了解を得ておくこと。
「関係方面に―する」
---------------------------------------------------------goo辞書より

介護サービス事業というヤ○ザな業界におりますと、この根回しがいかに大切かをイヤというほど思い知らされます。
以前私が青かった頃は、根回しという言葉にあまりいい印象を持ってなかった。
今だって本当はそうです。
でも、それは単なる誤解でした。
実はとってもとっても大切なことなんですよね。



さて、選択の余地なし+突然だったとはいえ、運よく徒然荘という特養に入ることが出来たというのに、家族の意向でわがひがし会系列の“あいの家”への転所を目指すことになったジェシカ。
ジェシカの夫ディカプリオのケアマネであり、ジェシカの元ケアマネでもあり、かつひがし会に勤務している私のところに、この夫婦の次女サブリナから相談の電話がかかってきました。

「特養から特養への転所ですか!?」
ハナシを聞いて、最初私はそりゃすごく驚きました。
「一体どうしてですか(⇒バカかあんたらは)?徒然荘に何か問題でもありましたか(⇒入りたくても入れない高齢者が、それこそ特養難民と言われるくらいいて困っているというのに)?」
サブリナは、転所したい理由として
・今いる徒然荘はたしかに良い特養かもしれないが、スタッフの対応がもうひとつ気に入らないし、全幅の信頼というカンジではない。
・姉ローラが探してきた“あいの家”は、全国的にも評価が高く、また、社会福祉実習中の甥(ローラの息子)たちの間でも評判が良かった。それを聞いて、どうしてもそこに母を入所させたくなった。
というふたつをまず挙げました。

そんなの自己都合じゃん、と思いました。
特養に入れた後ろめたさから、「ここはダメだ」「他のもっといい施設に入れたい」などと言い出したりする、厄介な家族感情ではないかと。
実際ジェシカは、多少の問題はありましたが、やっと徒然荘になじんできつつあるんです。わざわざよそに移す必要性が感じられなければ手伝えない、と思いました。
そこで私は
「私はジャシカさんにとっては『もと』のケアマネですし、サブリナさんたちご家族の思いを私が否定するつもりはまったくないのですが」
と前置きして、なんとか転所を考え直すように説得にかかりました。
あきらめさせようと思ったんです。

「だいいち、ジェシカさんの住所地はひがし市ひがし区ですよね?“あいの家”はK市ですよ。K市にはご親戚か何かおられますか?」
ジェシカにはK市在住の親類はおろか、友人知人すらいませんでした。
「ひがし市のような大きな市にはあまり関係ないのですが、たしかK市には『地域枠』みたいなものがあったと思います。地域住民を優先して入所させましょうというしばりのことです。
たとえば『親戚がジェシカの面倒をみることになりました』と、徒然荘を退所したとして、K市に住所を移して…という裏技ぐらいは必要ですよ。それが出来ますか?」
サブリナ沈黙。

前回も書きましたが、特養入所者が、入所している特養に特に問題があるワケでもないのに転所を希望しても、スムーズに移れるはずはありません。
どこでもいいというならハナシは違うでしょうが、サブリナやローラの目指すあいの家は300人以上の待機者を抱える優良特養です。
特養から特養へは移れません、という法律はありませんが、リアルに無理です。

また、特養には特養のオキテというか、モラルがあります。
徒然荘は県内に複数の特養をもっていますし、“あいの家”のあるK市にもやっぱり徒然荘その3だかその4だかがたってます。
そうヒョイヒョイ受け入れてしまってはカドたちまくります。

どう考えてもこの話は無謀すぎると思い、腹も立ってきました。

「住所は今のままで、ジェシカさんをなんとか老健に飛ばして、つまりワンクッションおいてまた別の特養へ、という方法もありますが、老健にしても、現在特養に入所している状態では、そうすんなりと入れませんよ。緊急性も必要性も感じられないし、説得力がありません。もし私が、もとのケアマネとして、相談員にバックの事情を聞かれたとしても、私自身がこの転所に緊急性も必要性も感じられないので、『よろしくお願いします』と言う自信がありません」
私はそう言って、この転所話には一切協力すまいと、それをハッキリとサブリナに伝えようと思いました。

しかし、このあと彼女の話を聞いているうちに、ローラとサブリナ姉妹がジェシカを“あいの家”に入れたいと思う理由が、他にもあったということがわかってきたんです。


                        つづく




特養優先入所指針 その2

2008年04月21日 | 事例検討
別にひっぱっていたワケではないのですが、長らくトピック放置してしまい申し訳ございませんでした。

仕切りなおし。

ケアマネをやっていますと、担当を外れたあとでも関わらなくてはならないケースがありますね。
ハリケンが担当していたディカプリオさん78歳男性・要介護3と、その妻ジェシカさん80歳女性・要介護4のご夫婦。
ディカプリオは現在ひがし会系の病院に入院中。大きな声では言えませんが長期入院です。今月でちょうど7ヶ月くらいです。
妻ジェシカは現在、市では評判の良い特養・徒然荘(仮称)に入所中。
ハリケンのケアマネとしての仕事はもうありません。
ですが、ワケあって、私はこの夫婦とご家族に、ずっとずっと関り続けています。

このトピックは、いわゆるフツーの特養入所のトピックではありません。
実録!私はこうして特養から特養へ転所した!!
なのです。

妻のジェシカは、特養徒然荘に入所して約半年。
その前は老健に入っていました。
ディカプリオが認知症の妻の介護に疲れ果て、倒れてしまい、ひがし会の本院に緊急入院したのが去年の9月なかば。
私とご家族(娘2人)は、慌てて超のつく認知症のジェシカをなんとかひがし会系の老健に入れました。ショートから繋いだんです。
そして同時に2,3箇所の特養に入所申し込み。
申し込んだ特養のうち、私が
「ここは市内では評判の良い特養ですからご一考下さい」
と情報提供した徒然荘に、去年11月突然入所が決まりました。

徒然荘はユーザー評価でも、口コミ情報でも評判の良い施設です。
母体は介護保険施行以降に参入してきた某団体で、あやしくもなんともありません。お世辞ヌキ、Aランクと言えます。
ただ、ディカプリオ夫妻の実の娘ふたりには、お気に召さなかったようでした。

徒然荘は新しく、いわゆる“若い”施設。
ヤングなスタッフが、元気ハツラツに介護しています。
親しみがあります。アットホームです。
娘たちにはそれが『お行儀がよくない』ととれてしまった。
また、ジェシカレベルの認知症高齢者が、当時たまたま他にいなかったこともアンラッキーでした。
以前書いたこともありますが、ジェシカは、差別用語をガンガン発するタイプの、迷惑行為がとっても目立つ認知症なのです。
徒然荘はジェシカのケアのため、ジェシカ以外の入所者の居室を施錠せざるを得なくなったり、ジェシカの居室を転々と替えざるを得なくなったりと、それまで1度もやらなかった処遇を実行するハメに。
その都度娘さんたちに連絡をとり、説明し、同意を求めながら実行していくのですが、娘さんたちにはそれが負担となってしまいました。

そこで、姉娘のローラは、いつしか
「母を徒然荘から他所に移したい」
と思うようになったんです。
ローラの息子(つまりディカプリオ夫妻の孫息子)は、他県で社会福祉学を学ぶ大学生でしたが、この息子が自分の祖母のために探し当てた施設がなんと、ひがし会系の特養“あいの家”(仮称)だったのでした。

医療法人ひがし会は、社会福祉法人ひがし会を系列に持っていますが、その中では唯一ここだけなぜ?と言えるほどの優良施設がこの“あいの家”です。
郊外の、閑静で開放的で牧歌的な環境。
明るく有能で前向きなスタッフ。
理想的な上司といえる施設長。
県内外からの評判もすこぶる良く、ひがし会で唯一阿呆迂闊を受託しているところです。
最初ローラは、あいの家がひがし会系列であることをまったく知らなかったそうで、私にも秘密であいの家を見学したり、相談員と会ったりしていたようでした。
そうして
「なにがなんでも母を、できることなら父も、この“あいの家”に住まわせたい」
と熱望するようになったんです。

しかし、ジェシカはすでに特養に入所した身です。
ましてや“あいの家”は、ジェシカたちの住所地の市のずっと外の特養。
自治体によっては地域枠というものもあります(地元の入所希望者を優先的に入所させようとする方針みたいなもの)。
特養から特養にスライド転所なんて、そう簡単にはいきません。
現に特養に入所している人が、『より困っている状況』とみなされるはずもなく、優先順位は要介護1の待機者よりも下かもしれません。
特養関係者であれば、これがいかに難しい話か理解してもらえると思います。

ですが

今まさにジェシカは、この特養転所を実際にやってのけようとしています。
他のケアマネさんたちなら経験があるかもしれませんが、私にとっては初めて体験するレアケースなので、その一部始終をブログに残していこうと思ったのでした。


その3へつづく




特養優先入所指針 その1

2008年04月10日 | 事例検討
ハリケンの勤務する(特定)医療法人ひがし会。
系列には社会福祉法人ひがし福祉会もあります。
居宅介護支援事業所は全部で7箇所。

最近わかったことですが、医療法人ひがし会の居介のひとつ、みなみケアプランというところが、とんでもなくおバカな不正をやってたそうです。
あまりにもバカバカしいので記載するのも恥ずかしいのですが暴露しちゃいます

ケアマネと利用者の契約関係は、
入院したとき
入所したとき
死亡したとき
には解除となりますね。
それ以外にも、利用者から解約の申し入れがあったときや、居介の人員制限の関係で担当の継続が困難になったときとかいろいろあります。
で、このみなみ会の居介は、利用者が入院・退院するたんびに新規加算をとっていたらしいです。
新規加算Ⅱのことじゃありません。
2週間程度の入院であってもとってたらしいです。
このみなみ会は病院併設で、老健もありますんで、老健に入所した利用者が3ヶ月とかで退所して在宅復帰となり、以前と同じケアマネが担当に復帰した、なんて場合もガンガン新規加算をもらっていたらしい。
ちょっと聞くと微妙に思えますが、これはダメです。

私が先月担当することになった予防の利用者のときなんかこうでした。
去年の夏に予防になったのがきっかけでサービスの利用をやめ、プランがなくなったのですが、今年3月になって事情がかわり、予防訪問介護を利用することになったんです。
以前はデンタル糸居が担当してたのを私が持つこととなりましたので、新規の予防給付の利用者だからと思い、その区の包括に新規加算を請求したところハネられてしまいました
担当を外れて半年以上もたっているし、予防になってからは初めて担当する方です。Q&Aをみても新規加算がとれると書いてあるのに、そこの包括はダメだと言い張るんですよ。
主任のカニちゃんもかなり噛み付いたんです。
他の区の包括では同じようなケースで新規加算をもらったこともあるのにおかしい、と言ったら
「それはそこ(の包括)がおかしいんです。」
と一蹴でした。

このように、新規加算に関しては不可解なことがあります。
入院してちょうど30日めに退院してきたらどうなのかとか、退院時のカンファには医師が同席していないとダメなのか、とかね。

まあ、このあたりのハナシは、自治体の解釈によっても違うかもしれませんのでご注意下さいといい置いて、と。

今回お話したいのは新規加算のことじゃないんです。
タイトルのとおり、特養優先入所指針のことでございます。

ケアマネをやっていますと、担当を外れたあとでも関わらなくてはならないケースがありますね。
ハリケンが担当していたディカプリオさん78歳男性・要介護3と、その妻ジェシカさん80歳女性・要介護4のご夫婦。
ディカプリオは現在ひがし会系の病院に入院中。大きな声では言えませんが長期入院です。今月でちょうど7ヶ月くらいです。
妻ジェシカは現在、市では評判の良い特養・徒然荘(仮称)に入所中。
ハリケンのケアマネとしての仕事はもうありません。
ですが、ワケあって、私はこの夫婦とご家族に、ずっとずっと関り続けています。

長くなるので次回につづく。

深く考えてませんでした 1

2007年12月17日 | 事例検討
コメントでご指摘いただきましたように、本文中におバカな計算間違いがございましたことをお詫びいたします。12/19更新。

ひがしヘルパーステーションとのゴタゴタはまだ継続中。

先日、併設ヘルステの歯くそに
「ハナシがあるんだけど」
と呼び止められ、相談(質問?)されたこと。

前々回のトピックに関連することです。
・利用者都合で90分⇒60分に時間短縮されたときには、ヘルパーの損失を補填していた。(つまり請求は60分で上げてきても、ヘルパーの実働時間は90分のままにして時給を与えていた)

このことに関しては、コメントでも書かせていただいたのですが、私は、介護サービスは、すべて実施(提供)されてナンボの仕事だと思ってます。
60分やっても90分のお給料がもらえるとしたら、悪徳ヘルパーは自己都合で仕事を短縮してしまいかねません。特にウチみたいな超悪徳ヘルステだったらと思うとおとろしや。
そういう不正を防ぐためにも、補填はすべきではないと私は思います。
実際私がヘルパーだったときも、お給料の保証なんてありませんでした。
ヘルパーに限らず訪問系の仕事はそんなもんなんです。
歩合で動く営業マンと同じですから、売れなければお金は入らないのが普通です。
もしもそんなこと=利用者の自己都合によるお休みや時間変更⇒が多いようなら、ケアマネがプランを変更すべきですよね。

話を元に戻して、歯くその相談とはこうでした。
(ちなみに、私の担当ケースではありません)

自宅に浴室のない利用者Gさん(女性)要介護3 独居 認知なし。
とっても不衛生で、まあゴミ屋敷といっても言いすぎではないお宅に住んでます。
居宅内はなんとか歩行移動出来ますが、屋外では車椅子などの介助なしでは外出できません。
ひがしヘルステのヘルパーが、週に2回の掃除と、週に2回の銭湯で入浴のための移動と介助に入っています。
生活3が2回と、身体2が2回です。

ところが、このGさんは、たいして清潔好きではありません。
外出もそんなに好きじゃない。なので通所での入浴がイヤで、銭湯で入浴介助となっているワケなのです。
で、入浴の予定の日には
「今日はお風呂には行かんでええわ」
となってしまうことがよくあるということなのですが---------------------

ここで、ケアマネさんやヘルパーさんに聞きたいことがあります。

外出や入浴の介助サービスが組んである利用者さんケースには
・雨が降って外出できない
・体調不良、気分不良で入浴できない
ことがときどきありますよね。

そんなとき、その日のサービスはどうしていますか?

身体介護のサービスが、やむを得ない理由で中止になった場合、居室の掃除とか他のサービスに変更するようになっていませんか。

買物の付き添いの「外出介助」が、ヘルパーのみの買物代行などに変更になる場合は別に構わないと思います(もともと必要があって買物に行くのですから、雨が降って利用者を連れて行けないとなればヘルパーが代行するのは必然ですよね)。
実際私もそんな利用者さんはいますし、居宅サ計画にも書いてます。

しかし、通院とか入浴とかの身体介護が、なにかの事情で生活援助に変更になるのってどうなのでしょうか。
たとえばこのGさんのように、前日もしくは前々日に掃除してあるお宅を、入浴が中止になったからってまた掃除する、なんて計画はどうでしょうか。

実際Gさん宅のサービスは、入浴が中止になったときは居室の掃除をすることとなっていました。
とっても不衛生な部屋なので、もともと週に2回程度の掃除では追いつかない。
だから入浴がない日にも掃除をしたほうがいい、という計画らしいです。

歯くそは言うんです。
もともとGさんはキレイ好きではない。
そりゃ汚い部屋に住んではいるけど、それはそれでGさんの生活スタイルなので掃除なんかしなくてもいいと思っているのに、ケアマネの感覚や価値観で汚いから掃除しろ、というのもおかしい。
しかし、それを「おかしい」と言えば、ケアマネは
「たとえ生活援助に変更になっても、仕事が無くなるよりはいいのでは?」
と返された、と。

「うーん」
歯くその話を聞いて、私はちょっと考えてしまいました。
今までもこんなケースはありましたが、恥ずかしいことに、私は特に疑問を感じたことはなかった。

身体2だと、ひがしの登録ヘルパーさんのペイは1500円。
生活3だと950×1.5で1425円です。
歯くそは常勤ですからお給料に影響はありませんが、登録さんだったら文句が出ても仕方ないかもしれません。
かといって、このような利用者さんを常勤だけに担当させるのも無理です。


私は、他のケアマネさんにこの話を聞いてどう思うか聞いてみたくなり、歯くそには返事を保留にして別れました。


                       つづく






親切詰め合わせ

2007年10月28日 | 事例検討
※ この中から1個(一匹)だけ抜き取って買うとしたら、私だったら、私だったら、たぶん自分のほうをじっと見てる子にする。


私の利用者さんの話じゃないんですが、アイリン女史が困ってるある独居の女性のケース。
ウチのヘルステを週に2回ほど利用して家事支援してます。
娘さんなんかもちょっと遠くに住んでて、ときどき来るワケです。

持ち家なんです。
庭があります。
木なんか生えてます。
で、お隣のお宅との境をちょびっと越えて、枝葉が繁ったりするんです。
まあ、そんなに高い木ではない。
植木屋さんを頼むほど大切な木でもない。
こんなとき、ご本人や娘から
「ヘルパーさんに切ってもらえないかしら」
という依頼がくることがありますよね。
ちょっとだけでいいからとか、1日サービス日を増やすからとかなんとか言ってね。

もちろん出来ませんわな。
庭の手入れや草むしりなどは生活援助の範疇外。
これはもう訪問介護事業が開始して以来変わっておりません。

このアイリンさんの利用者さんと娘は、もう何年もヘルパーを利用しているというのに、毎年この依頼を繰返す方たちです。
そしてこのお宅にもう何年も派遣されているウチの登録ヘルパーあゆゆ(48歳仮名)は、毎年この依頼を引き受けてくる困ったさんです。

今年もまた落ち葉の季節となり、去年見た光景がくりひろげられます。
あゆゆがアイリンさんとこにやってきて、このお宅のご本人と娘からの庭木の手入れの依頼を報告し、
「ケアマネさんがいいと言ったら私がやります」
と答えました、と言う。
そしてアイリンさんが区のシルバーボラセンターに電話して日程と料金を聞き、このお宅に電話して伝える。
そして必ず
「そんなに(料金が)かかるんだったら要らんわ」
と文句を言われる。
そして依頼は自然消滅。娘がほんの申し訳程度、塀からはみでた枝葉をちょん切って終了です。

タメ息です。

あゆゆはどうして毎年これをくりかえすのか。
理由は利用者との関係を悪くしたくないからですね。
現場のヘルパーにとって、利用者の頼みを断るというのはとっても辛いことですからね。
そして利用者や家族は、そんなあゆゆのキャラを充分わかっていて、
「今年はやってくれるかもしれない」
とか
「もうじきケアマネに内緒でやってくれるかもしれない」
とか思ってるワケです。

まあ、ウチのヘルステのヘルパーさんたちもお粗末ですが、私は、この問題に関してはアイリンさんにも責任があると思います。
私がそれをアイリンさんに言わないのは、アイリンさんとの関係を悪くしたくないからです。

なんで出来ないのかをきちんと説明出来ていない。
というより、そもそも「出来ない」のではなく、税金使ってヘルパーがやらなきゃならんことの範疇ではないということが双方ともよくわかっていない。
食べたり出したり眠ったりという生活行為や、死なないための支援に関係しないことはやらないのがヘルパーですからね。

もうね、やらしときゃいいじゃんって思います。
請求しなきゃ何したっていいじゃないかってね。
そうやって自分の首をしめたければしめればいいさ。



接近困難事例レポート

2007年10月19日 | 事例検討
※ 画像はイメージです。

半年前に区変した方が今月更新、に判定がおり、無事2年間の要介護2をもぎとってひと安心、なヒマもなく10月の新規、ひとり平均4件。

忙しいハリケンです。

そんな新規利用者さんの中におひとり、家族がジキジキに相談の電話をかけてきたケースがありました。
お名前は坂田三吉さん(仮名)70歳。要介護1です。

ハリケンのセオリー(私見)ですが、初回認定で要介護1というのは要注意レベルが5であります。
軽度のヤツぁ何が何でも要支援なんだよ!だの、初回認定は要支援に決まってらぁ!だののたまうあばれはっちゃくな保険者が要介護1をおくだしになるのには、それ相応の理由があると思うのであります。

ひがしケアプランでは、新規利用者はいったんカニちゃんが対応し、状況に応じて振り分けられます。正直言えば新規なんか引き受けたくありません。
手がかかるし、ホセ・メンドーサ。
振り分け方に関してカニちゃんは平等です。先月から3人も入所者を出してしまい、ケースの減ったハリケンは断れません。

で、まずは娘さんに電話をし、ケースの概要を聞きました。

・三吉さんは10年前に妻を亡くした。(娘もこの頃結婚)
・以来、未婚の長男と同居している。
・長男は仕事の都合で滅多に家に帰らない。
・ここ数年、三吉さんの様子がおかしいと感じた。
 居宅が雑然としていて、片付けさせてくれない。
 片付けようとすると怒鳴られ、はては家に入れてくれなくなった。
・今年の夏、散歩の道中で熱中症になり、入院した。
 その際こっそり、MRIをとった結果アルツハイマーと診断された。
・1ヶ月ほどで退院し、認定を受けた。
・依頼はヘルパー。
 プロの支援者の方なら三吉さんに接近し、世話をさせてくれるのではと思った。

つーカンジ。

で今日、娘さんと打ち合わせてご自宅訪問。
チャイムを鳴らすと、出てきたのはかわいらしいじぃちゃんでした。
あら、要注意なんて思ったのは杞憂だったかしら。

と思いきや

玄関の向こうから漂ってきたのは

突然鼻の穴に
ぶっとい棒を
突っ込まれたかのような

異臭刺激臭腐敗臭排泄臭

もしもハリケンが彦麻呂だったら
ま、まさに
悪臭の
オーケストラや~

と叫んでいたに違いない。

すこーしだけ開けてくれた玄関の向こうは
ゴミの山。
ゴミの山。
ゴミの山。
匂いの正体はこのゴミか。

-------------------しかし、臭気は三吉さんの身体からも漂ってきました。

アカまみれなんです。

よく見ると、この方が首にかけてるタオルはもともと茶色だったものが色褪せたのか、それとも白いタオルが何かおぞましいもので染まっているのかわからないほど茶色。
廊下はワックスなのか人体から染み出した脂(アブラ)なのかわからないものでテカテカぬらぬらギラギラ光っている。
下駄箱の近くにはなんかの虫の足がたくさん落ちている。

玄関先で咄嗟にこれだけの情報を獲得し、瞬時に実態を把握したハリケンは、間違いなくプロの支援者と言えるのではないでしょうか。

そして私は、ケアマネつーもんは、あまりにも衝撃的なケースに遭遇すると、固まるとか逃げ出すとかより先に笑い出すのだということを久しぶりに実感いたしました。

私は三吉さんに向かって、飛び切りの笑顔を見せて言いました。
坂゛田゛ざん゛ごん゛に゛ぢわ゛!!
ハ゛リ゛ケ゛ン゛ども゛う゛じま゛ず!
←(息をとめている)

そんな私をチラ見した坂田さんは、すかさず

ガラガラ!ピシャン!!
と玄関を閉めましたとさ。




困難事例レポートはまだまだ続きます!読んでね!エヘッ★←(疲れている)











使えない特養

2007年10月10日 | 事例検討
医療法人ひがし会系列の社会福祉法人特養もみじ
系列にも関わらず、私たちひがしのケアマネは滅多に使いません。
介護力がない上に利用者を選ぶ。
他に入れる特養がないときしか組みません。
以前カニちゃんがここを使おうとしたときのこと。
家族が冠婚葬祭で県外に行くので、その間ショートに入れたいと依頼。
問題行動のない認知症で、ごくおとなしいばあちゃんです。
なのに、特養もみじの相談員(とバックの医療職)から

初回だし、家族が他県にいるんじゃ緊急時の対応が出来ないからダメだと。

カニちゃん以下ケアマネ全員激怒です。トーゼンです。
サービス提供拒否だと言われても仕方ないと思います。

主任会議などで、デイケアだのヘルステだのの業績がふるわないと必ず
なぜ併設事業所を使わないのか
とお小言を言われるらしいのですが、そんなときでもカニちゃんはハッキリと
使えないから
と言ってのけます。
だって事実だもん。



さて、そんな特養もみじの併設居介が、近々閉鎖することになりました。
これ、まだ極秘なんですが、まー特養とケアハウスしかない居介なので、不要っちゃ不要ですわね。
ここの専従ケアマネさんは約20ケースほど持ってたようですが、これが今後すべて(ではないにしろほとんど)ひがしケアプランにふられる予定です。



ハリケンの担当、今月37人+予防2人。
来月、入所と転居で3人減りますんで

5人ばかし余裕があります。


ケアマネは数持ってナンボ。
逆らえません。
ただでさえウチはひがし会では最多人数のケアマネを抱える居介ですから、断れるハズはない。引き受けるしかない。

にしても、なんでこんな使えない系列特養に、世話になった覚えもたいしてないのに、迷惑かけられなあかんねん。

ちくしょう。

後日談

2007年08月30日 | 事例検討
その後のお話を。

8月23日(木)
トシオさん、ひがしクリニックで最後の透析日です。
ホントはこの日からもうみなとクリニックに転院するはずでしたが、トシオさんはナマホですから、自立支援医療受給者証を書き換えなくてはならず、トシオさんのナマホの担当ワーカーの山田さんがこの日までお休みをとっていたためその手続きが出来ず、あと1日だけひがしで透析を受けることになったワケです。
最後の最後まで透析ナースやスタッフに
「ワシは本当はここで透析をしたいんじゃい!なのにハリケンが余計なことをしたからこんなことになったんじゃい!!」
とゴネていたトシオさんでしたが、私はもう何も言いませんでした。

トシオさんが透析を受けている間に写経に出向き、トシオさんの資料を手渡す。
直近の居宅サービス計画、利用票、使っている事業所の情報。
それから私が必死で作成した、同居家族のいるお宅に家事支援を入れるための同意書・確認書。
ナマホのワーカーさんからの確認書と、トシオさん宅で家族がすべきこととヘルパーが出来ることをきちんと区別して文書にし、トシオさんに捺印してもらった同意書です。
それから新しいケアマネさんにこれまでの支援経過を話して帰りました。
あとは野となれ山となれです。

事業所に戻った私は、あらためてトシオさんのところに行き、挨拶。
トシオさん、いろいろな行き違いや思い違いがありましたが、これまで担当させていただきありがとうございました。トシオさんのおかげでとても勉強になりました。私が感情的になって担当ケアマネをおりたせいでトシオさんにご迷惑をかけたこと、本当にすみませんでした。これからもどうかお元気で。

トシオさんはちょっぴり名残惜しそうに
「うん、わしもハリケンさんには世話になったんじゃい」
と言ってくれました。
やれやれ、こうして下手(したて)に出れば、何の問題もないトシオさんです。
一体どうして私はあんなにも
「こんな○○○○ィの担当なんか、もう1日だって続けられない!
キ-------------------ッ!!!!!」
て気持ちになってしまったんだろうかと思いました。
しかしもう後の祭りです。
そしてトシオさんに頭を下げて去ろうとしましたが、おっと忘れてた、どうしてもひとつだけ聞きたいことがあったんだ。
「ところでトシオさん、今日トシオさんの新しいケアマネさんにトシオさんの情報を引き継いできましたが、一体またどうしてトシオさんは、あんなに嫌っていた写経のケアマネさんに担当を依頼されたのですか?」
私が聞くと
トシオさんの顔色がみるみる蒼白に
----------やっぱりそうか(内心笑)。
トシオさん、ひがし区介護保険事業所が写経だと知らなかったんだな。
トシオさんは
「ワシは写経なんかに電話しとらんのじゃい!」
と。
「いいえトシオさん、トシオさんは自分で写経に電話され、ケアマネをやってくれと頼まれたんですよ。」
「写経だとは知らなかったんじゃい!」
「だと思いました。しかしもう今からこの話をひっくり返すのは難しいですし、それにトシオさんがお嫌いなのは写経のヘルパーさんであって(それも逆恨みだし)写経のケアマネさんではありませんしね。大丈夫ですよ。」
とニッコリ笑って退場。
透析センターを出てから私がこっそり、思う存分笑って笑って笑ったのはいうまでもありません。

8月24日(金)
トシオさん、内藤ケアマネに居宅介護支援計画作成依頼。
これで私とトシオさんとの縁は完全に切れました。
透析は土曜日からみなとクリニックに変更。透析センターとの縁も切れました。
-----------ところが
ここにきてトシオさん、突然
「ワシゃやっぱり、ひがしクリニックで透析がしたいんじゃい!!」
とゴネ始めたのです。
お休みが終わって出てきたナマホ課の山田さん大激怒
トシオさんは電話で1時間近くねばったそうですが、頑として聞きいれナシだったそうな。
それからトシオさんは森の神にもナキを入れて来ましたが、さすがの森の神もどうすることも出来ませんでした。
「言わんこっちゃない。可哀相だけど、まあトシオさんも1度他所の透析施設を経験してみればいいんですよ。」
と苦笑いでした。
もしかしたらトシオさん、1ヶ月ほどしたらまたひがしクリニックに戻って来るかも知れません。
しかしそんときゃ私は無関係です。



それから、トシオさんの新ケアマネの内藤さんですが



申し訳ありませんが、バカなケアマネさんでした。
8月27日(月)
内藤さんから電話がありました、なんだか怒っています。
何かありましたか、と聞くと
「ハリケンさん、ハリケンさんがトシオさんのお宅に組んだヘルパーさん、これ身体介護になってますが、透析の方の食事を作るのが身体介護になるというのは何か根拠があってのことなんですか?」
と言うんです。
「はぁ?そうだと思いますよ、トシオさんは糖尿病で透析患者ですから、医師から食事や水分について制限の指示が出てますし、ヘルパーさんには医療機関の栄養指導も受けてもらっていますし、私というケアマネを介して資料や検査データも送ってますし。だいいち保険者の許可として、ナマホのワーカーさんの確認書も取ってますから」
と答えると
「国保連に確認しましたか?」
だと。
おまえにいちいち私の仕事の手順を確かめられるいわれはないわ!とムカムカしながら
「いいえ、私は国保連には電話しません」
「だったら--------------」
「いまドキ国保連に電話するケアマネなんかいませんよ。国保連や県に電話しても、『保険者がいいと言うならいいですよ』と言われるだけですから」
「じゃ、ナマホ課の山田さんはそういう介護保険のイロハを知ってらっしゃるんでしょうか」
「その点は私も何度も聞きましたし、だから文書で確認を取ったんです。なんなら私がしつこく何度も山田さんに『治療食ですよ?身体介護ですよ?保険者意見ととっていいですね?』と書いている連絡票をFAXしましょうか?」
「あ、それお願いします。それから、その特段の調理が身体介護になるということが記載してある条文かなにか、どこで見たかわかります?」


私は平成12年の老計10号の一文
身体介護とは(中略)((3)その他専門的知識・技術(介護を要する状態となった要因である心身の障害や疾病等に伴って必要となる特段の専門的配慮)をもって行う利用者の日常生活上・社会生活上のためのサービスをいう。(仮に、介護等を要する状態が解消されたならば不要となる行為であるということができる。)
までコピーして貼って、FAXで送ってやりました。

「すみませんね、なんせウチも、写経ですけど、半官半民、監査は来るもので、厳しいんですよお」



利用者のみなさん、そして事業者のみなさん。
写経のケアマネさんには気をつけましょう。
老計も見ないバカがいますから。


※ 特段の専門的配慮をもって行う調理については、医師の指示等に基づき適切な栄養量および内容を有する特別食(腎臓食、肝臓食、糖尿食、胃潰瘍食、貧血食、高脂血症食、痛風食、燕下困難者のための流動食等)が想定されているが、具体的な取扱いは現場の状況により保険者の判断によって行われたい。糖尿食はカロリー計算をその都度行うため、透析食はカリウム除去や塩分計算を都度行うため特段の専門的配慮をもって行う調理と解される。(どっかのQ&Aより)

ケアプラン料 5

2007年08月29日 | 事例検討
「転院するのはハリケンがそうしろと言ったからじゃい!
全部ハリケンのせいなんじゃい!!
自己チューな我侭があとに退けなくなっただけなのに、全て私のせいにしてゴネ始めたトシオさん。
アタマに来て、トシオさんに罰を与えようと、
「トシオさんを担当していく自信がなくなりました。
他のケアマネを探していただけませんでしょうか
と言い放った私。

8月21日火曜日の終業前にはもう、トシオさん宅のヘルパーをお願いしていた某訪問介護事業所Fから連絡が入りました。
「トシオさんから電話があって、ケアマネをお願いしたい、と言われた」
と。
私は『やっぱりそうきたか』と苦笑し、
「ええ、実は色々と行き違いがありまして、ケアマネをクビにしてもらうことにしたんです。そちらのケアマネさんでお願い出来れば1番いいと思ったのですが」
と説明しましたが、残念なことにその事業所Fでは居宅はまだ準備中らしい。
なので、ヘルパーさんたちからみて、トシオさんをお願い出来そうな、ヘルパーさんとも連携の取れそうな方を探してみる、ということに。
こんなことになって本当に申し訳ないが、どうかよろしくお願いします、と言いました。
そして私も主任のカニちゃんと事務長にコトの次第を報告。
すみません、こんなことになって、と謝りました。
事情はわかっているものの、やはりケアマネ側から利用者に
「やめさせてくれ」
というのはよくないことです。
しかし
「トシオさんのケースで、ハリケンさんがこれまでどんなに大変だったのかはよく知ってますし、ここでケアマネをかえてみて、トシオさんに色々わかってもらうことも必要かもしれませんしね。」
と言ってもらいました。
とはいえトシオさん、ケアマネ探してこれるだろうか。
もう8月も終盤だし、今月いっぱいはこちらでフォローしてくしかないだろうな。



思っていたんですが---------------
この時点ではまだコトの重大さを理解していなかった私。


翌日8月22日(水)午後
一本の電話が。

相手はひがし区介護保険事業所。
つまり写経です。
「わたくし、ひがし区の写経のケアマネで、内藤(仮名)と申します。
この度田中トシオ様よりご依頼がありまして、ケアマネジメントを担当することになった者ですが
とおっしゃるんですわ。
まさか、あの写経嫌いのトシオさんが、と思ったので
「どういう経緯で写経さんに?」
と聞くと、どうやらトシオさん、透析を導入したC病院の地域医療連携室、つまりMSWに電話で相談し、そこから
『ひがし区の介護保険事業所はどうですか?』
と言われたらしい。
※ トシオさんのような利用者さん、公的な事業所でなければムリだとMSWもわかってるんです
さてはトシオさん、『介護保険事業所』と『写経』の違いがわからなかったな。
私は可笑しくなりながらも、ざっとコトの経緯を説明しました。
そしてあらためてトシオさんのケアマネを内藤さんにお願いすることとなったのです。
内藤さんはトシオさんと私のいざこざ?について遠慮がちながら知りたがっておられたのですが、私は「まあ色々とありましたのでとてもひとことでは…しかし実際に内藤さんが担当なさればすぐにおわかりになると思いますので」程度にとどめました。
そして翌日ケアマネ同士会って、引継ぎをすることになったんです。

内藤さんが
「ではどうしましょうか、今月ももう終わりですが、この8月の給付管理はこちらでさせていただいてよろしいのでしょうか」
と言われたんです。
普通ケアマネさんが担当を引き継ぐときは、その月の終わりはもとの事業所にやってもらって、新しい月から次のケアマネさんに引き渡します。
必ずそうとは限りませんが、大抵の事業所間では円満に引き継ぐためにそうします。
私もトシオさんのためにこの8月さんざん働いてきたのですから、せめて今月のプラン料はもらいたかったのがホンネでした。
なので
「おっしゃるとおり、もう月末ですから、今月はこのままこちらで給付管理させていただくわけにはいかないでしょうか」
とお願いしたのですが




------------ダメでした。


「これは利用者様から依頼があって、早急に変えたいということでこちらが動いたことなので、申し訳ないですが明日にでも保険証の書き換えをさせていただきます」
と言われました。

そりゃそうだ。
しかしまさか、まさかまさか


8月早々にナマホのワーカーさんから、同居家族のいる利用者に対する家事援助の導入の許可をとり、居宅サービス計画を作成し、トシオさん宅に入ってくれるヘルパー事業所を探し、初回面接に付き合ってサービス担当者会議をやり、介護券が早く出るように計画と利用票をすぐにナマホにもって行き、同意書や確認書も超特急で作り上げ、

初日にトシオさんからヘルパーにクレームが出たのでそれにも対応し、ウチの栄養課からは膨大な資料を作ってもらってヘルパー事業所に届け、ヘルパーさんたちは無償でC病院の栄養指導に出てもらい、

透析センターからの呼び出しにはすぐ馳せ参じ、トシオさんをなだめたり説得したり説明したり繰り返し、森の神にも何度も頭を下げ、次の透析施設にも何度となく電話し、トシオさんのしたいようにさせてやろうと走り回った挙句に悪者にされ


そんな日々がすべて
私がたった1度癇癪を起こしたせいで
タダ働きと
なってしまった。






法人は私にカラ給料を払わなくてはならないし、トシオさん対応のせいで訪問もそっちのけでやってきたため他の利用者さんにも申し訳ない。
立ち直れない。





もう呆然としました。
まさかこんな結果を招くとは----------てゆーか、トシオさんにキレた時点でこのことを考えなかった自分がバカでした。
アホか、私。
調子に乗って、森の神のマネなんかして、「気に入らないなら他所に行け」と利用者に制裁を与えたつもりになって、結果がこれです。



その日1日私は、カニちゃんたちがのちに
「気の毒すぎて声もかけられなかった」
と言ったほどに燃え尽きていました。

そうです、皆さん、私は燃え尽きました。
ハリケンは
真っ白な灰になりました。


笑ってやって下さい。