5000日後の世界 すべてがAIと接続された「ミラーワールド」が訪れる
ケヴィン・ケリー (著), 大野 和基 (編集), 服部 桂 (翻訳)
ケヴィン・ケリー (著), 大野 和基 (編集), 服部 桂 (翻訳)
ビジョナリーな人物の一人であるWired編集長のケヴィン・ケリー 氏の描く未来を体現した本。インターネットが商用化されてから5000日後(約13年後)にソーシャルメディア(SNS)が勃興。そして現在は、SNSの始まりからさらに5000日が経ったとこ路ということでその先の区切りである5000日後にはどうなっているだろうかという予測を記した本です。
一言で言ってしまうとすべてのものがAIに接続されたAR(拡張現実)の世界「ミラーワールド」が訪れると予測。各国に住む100万人単位の人がバーチャルな世界で協働することが可能になる世界でそこにSNSのような新たなプラットフォームが生まれ、協業/創業したりするようになり働き方も変わってくるいうもの。確かにすでにオープンソースなどではそういった取り組みはありますしIT産業ではそういった方向に向かっていくのはさもありなんといったところかなとは思いますがどうしても物理的に物を作るところというのはある程度、レガシーで残るのかとは思いますがそれでもなおインターネット上で成り立つものに関してはAIで指数関数的に進歩が進むのだろうと予測されこれからの5000日は間違いなく今までの5000日よりも大きな変化になってくるのかと思います。
この中で特に着目されているものは取り入って新しいものでもないかもですが食の分野では人口肉と農業現場へのAI/ロボット導入。モビリティは自動運転車、空飛ぶ車、電気自動車、金融は国家による暗号通貨、NFT=非代替性トークン 、教育では動画のコンテンツを利用者が作成し活用する技術、AR/VRを使った効率の高い学習、PJT型の集団学習など。
地域としてはやはりアジアが台頭するとの予想。そして資源と人材はますます都市に一極集中するのではないかとのこと。
それ以外にも知見が紹介されています。 イノベーションを起こす人は楽観主義者であること、そしてイノベーションはエッジから生まれる=カオスと秩序のはざまで生じるものということが地面として述べられています。つまりは「窮鼠猫を噛む」というわけで非常に追い込まれた状態で新たなパラダイムシフトが起こることが基本だということです。組織は大きくなると秩序を保つようになってしまうのですがそのような状態では大きな変革を起こすというのは簡単ではないのでしょう。むしろカオスな小集団で好きにやらせることで失敗は多いかもしれないけれど一発逆転もありうるとそういった状態が必要なのだという知見を与えてくれています。そのためにもある程度ハングリーな状態に置くべきだという指摘がなされていて常に追い込んだ状態に置いておく=臨界状態に何かが起こるという風に考えたほうがよさそうです。
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