Mechanical actions of dendritic-spine enlargement on presynaptic exocytosis
Nature (2021)24 November 2021
今まで脳内のシナプスの情報伝達と言えば化学的、電気的なものだと思っていましたがこの度、筋肉により力で押す第3の伝達経路があり、それが記憶の形成にも作用している可能性がわかってきたようです。
河西教授らの研究グループはラットの脳を使った研究で、シナプスの末端部分が大きくなり、相対するシナプスの末端部分を押す動きをすることを発見。発見された押す力は1平方センチあたり0.5㎏と筋肉と同じくらいの強さだったとのこと。 反対の押された側のシナプスも反応して化学物質を放出することも確認されており、大きくなった末端部分がしばらくその大きさを維持するため記憶を形作る基盤となっている可能性が高い とのことです。
記憶が出来るという行為はある神経伝達回路が強化されるようなものだということですがそれがやや物理的な機構で起こっているというのは面白い発見。力強く刺激してやることで記憶が励起されるというのは何となくも納得いくようなことで今度はどのようにすればそんな刺激を効率よく起こすことが出来るのかという方向に研究が進めば新たに知見が得られるのかもしれません。
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