あいにくの雨のため予定していた山中湖トレイルランは中止。
久しぶりにのんびりとした土曜日になりそうです。
生物と無生物の間の福岡伸一さんの本です。
もともとは羊のスクレイピー病が発祥とされる狂牛病(人の場合はクロイツフェルト・ヤコブ病)の正式名称は伝達性スポンジ状脳症。脳内のプリオンタンパクが凝集してスポンジ状になってしまうことにより神経細胞が死亡し、不安や焦燥という症状から歩行障害、意識障害を引き起こして死亡にいたります。致死率は100%
さらに厄介なのは潜伏期間が長く、(数年から数十年)感染を特定する決定的な手立てが無いということです。
狂牛病では正常なプリオンタンパク質のみが異常になり、凝集します。
病原体の特徴としては
1.ゲノムサイズが通常のウイルスよりもずっと小さい (放射線照射試験により)
2.放射線、熱殺菌剤に対して強い抵抗性がある
3.核分解酵素によっても不活性化されない(通常のウイルスは核がある)
4.感染後の免疫反応がない
というわけで通常のウイルスではありえないような性質を併せ持っています。
プリオン説はこの不可解な病原体に対して遺伝子を持たないタンパク質が感染して増殖するという発病機構を提唱したものです。
筆者は今までのプリオン説を支持する論文結果を総括し、タンパク質そのものが病原体である可能性について疑問を投げかけています。
一方でウイルス説を支持する結果もいまだ出ていないというのも事実。筆者はウイルスが正常型のプリオンタンパクを宿主として感染していくというレセプター仮説を提案。
結局のところまだ分からないことが多すぎるというのが印象。
そもそも病原菌自体もきちんと特定されておらず感染したかどうかもはっきり言い切れるわけではないので危険なものは口にせずというのが現状での消費者の取り得る対策かと思います。
なぜ狂牛病の対策でこうも議論になるのか知りたければお勧めの本です。
久しぶりにのんびりとした土曜日になりそうです。
プリオン説はほんとうか?―タンパク質病原体説をめぐるミステリー (ブルーバックス)福岡 伸一講談社このアイテムの詳細を見る |
生物と無生物の間の福岡伸一さんの本です。
もともとは羊のスクレイピー病が発祥とされる狂牛病(人の場合はクロイツフェルト・ヤコブ病)の正式名称は伝達性スポンジ状脳症。脳内のプリオンタンパクが凝集してスポンジ状になってしまうことにより神経細胞が死亡し、不安や焦燥という症状から歩行障害、意識障害を引き起こして死亡にいたります。致死率は100%
さらに厄介なのは潜伏期間が長く、(数年から数十年)感染を特定する決定的な手立てが無いということです。
狂牛病では正常なプリオンタンパク質のみが異常になり、凝集します。
病原体の特徴としては
1.ゲノムサイズが通常のウイルスよりもずっと小さい (放射線照射試験により)
2.放射線、熱殺菌剤に対して強い抵抗性がある
3.核分解酵素によっても不活性化されない(通常のウイルスは核がある)
4.感染後の免疫反応がない
というわけで通常のウイルスではありえないような性質を併せ持っています。
プリオン説はこの不可解な病原体に対して遺伝子を持たないタンパク質が感染して増殖するという発病機構を提唱したものです。
筆者は今までのプリオン説を支持する論文結果を総括し、タンパク質そのものが病原体である可能性について疑問を投げかけています。
一方でウイルス説を支持する結果もいまだ出ていないというのも事実。筆者はウイルスが正常型のプリオンタンパクを宿主として感染していくというレセプター仮説を提案。
結局のところまだ分からないことが多すぎるというのが印象。
そもそも病原菌自体もきちんと特定されておらず感染したかどうかもはっきり言い切れるわけではないので危険なものは口にせずというのが現状での消費者の取り得る対策かと思います。
なぜ狂牛病の対策でこうも議論になるのか知りたければお勧めの本です。
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