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国難打破から、いざ、未来創造へ

大震災 非常時シフトに変えよ ばらまき止め全地方選延期を

2011年03月18日 | 消費税・財政問題
2011.3.18 03:06 産経新聞

 日本が今回の未曽有の国難を乗り切るためには、一刻も早く後手の対応から攻めの対応へと態勢を立て直さなければならない。具体的には国家の非常時を踏まえたシフトへの変更である。

 菅直人首相はまず、直ちにマニフェスト(政権公約)を撤回して子ども手当などのばらまき政策中止を表明し、その予算を復興のための財源に充てるべきだ。従来の発想にとらわれていては責務を果たせない。

 ≪子ども手当は復興財源≫

 被災地での統一地方選実施を延期する特例法案が衆院を通過し、きょう成立するはこびだ。だが、今は国民が心を一つにして、救援に当たるべきときだ。被災地以外であっても与野党が争い、選挙カーが候補者名を連呼して走り回る状況だろうか。

 西岡武夫参院議長は全国規模で延期するよう主張した。政府は各選管と協議し、緊急事態における選挙戦の回避を検討すべきだ。

 与野党は来年度予算の成立後、復興費用を盛り込んだ補正予算編成に取り組む必要がある。

 菅首相がマニフェストの見直しを断行しなかったため、予算関連法案は一部を除き成立のめどがたっていない。政府は「つなぎ法案」で子ども手当の支給を4月以降も続けることを諦めていない。非常時に何を優先すべきかを判断できていない。

 子ども手当のほか、高校授業料無償化や高速道路無料化、農家への戸別所得補償はいずれもばらまき批判が強い。大震災でさらに優先度は下がっている。

 子ども手当の中止で約2兆2千億円が浮く。こうした予算を震災復興に回せば計約3兆3千億円が確保できる。民主党内に、子ども手当は来年度の増額分(約2千億円)のみの圧縮にとどめたいとの考えがあるのは耳を疑う。

 阪神大震災では3度にわたり3兆円を超える補正予算が組まれた。今回は当時を相当上回る費用が必要だと指摘されている。的確に対応しなければならない。

 自民党は、ばらまき予算が削減されれば、赤字国債の発行に必要な特例公債法案に賛成する考えも示している。与野党が一致して、相当規模の補正予算の方針を打ち出すことで被災者の不安を和らげ、危機に立ち向かう政府の姿勢を内外に示すことが重要だ。

 当面の緊急復旧対策費に加え、今後の中長期的な復興需要に向けた財源確保も検討しなければならない。復興に関するビジョンを策定し、それを実現する大規模な財源を確保する「復興債」発行なども検討する必要がある。

 政府は大震災発生直後に緊急災害対策本部を発足させたのに続き、原子力災害、電力需給など7つの「対策本部」や「会議」を立ち上げた。菅首相は3つの「本部長」となっている。

 一方、自民党が主張する「震災担当特命相」は置いていない。求められるのは組織の数ではなく、あらゆる緊急事態に対応する的確で迅速な判断だ。

 ≪原発対応の一元化を≫

 福島第1原発が陥っている深刻な事態に対応して、「原子力災害対策本部」と、政府、東京電力の「統合連絡本部」の2つが併存している。そのため、枝野幸男官房長官の発言と東電や経済産業省原子力安全・保安院の発表に食い違いが生じている。対応を一元化し、情報を集約して発表する態勢を整えることが急務だ。

 自衛隊員らは放射性物質に汚染された区域で、被曝(ひばく)の危険にさらされながら作業にあたる。司令塔にぶれは許されない。にもかかわらず、首相は仙谷由人前官房長官を官房副長官に起用した。今頃、そんな人事を行って、司令塔は混乱しないだろうか。

 原発関係国・機関の協力も重要だ。スリーマイル島原発事故(1979年)の経験をもつ米国はいち早くエネルギー省や原子力規制委員会(NRC)の専門家を派遣した。汚染状況を探知・分析する計測機器の提供を申し出ているが、16日時点で日本政府から具体的要請はなかったという。メンツにこだわっていてはなるまい。

 自衛隊ヘリや警視庁の特殊車両が原子炉への決死の注水作戦を進めるなかで、震災の避難所では不十分な医療や寒さで、お年寄りの命が失われている。

 こうした事態を平時の体制で乗り切れないことを為政者と国会は再認識すべきだ。

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