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大震災復興のために いま増税、とんでもない

2011年04月22日 | 消費税・財政問題
2011.4.22 03:13 産経新聞

 ■財源捻出に英知を結集せよ

 東日本大震災の被災者だけでなく、日本国民と経済全体を疲弊させ、共倒れさせかねない増税論がいま、跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)している。

 不思議なことは、復興の青写真がまったく示されないまま、財源論だけが先行していることである。順序が狂っている。

 問われているのは、いかに経済成長を促して税収を増やすかだ。民主党が衆院選で掲げたマニフェスト(政権公約)の子ども手当など「4K」と呼ばれるばらまき政策の撤回も不可欠だ。増税の前にやるべきことが山積している。

 そうしたことを抜きにして消費税引き上げなどに踏み切れば、大震災という深手を負った日本経済に、消費の一層の冷え込みや成長率の低下などをもたらす。国家が潰れてしまいかねない。増税に突き進んでいる政府・与党に再考を強く求めたい。

 ≪やるべきことがある≫

 震災後の日本経済の落ち込みがはっきりしてきた。優秀な部品工場が多い東北の被災で、国内の自動車や電機の生産は大きく減少した。3月の貿易黒字は前年比で8割近くも減った。生産は回復しておらず、貿易業界は「4月以降は貿易赤字に転じる」と懸念している。電力不足も加わって鉱工業生産はかなりのマイナスを記録しそうだ。自粛ムードは個人消費にも暗い影を投げかける。

 こうした事態を考慮することなく、菅直人首相の私的諮問機関「復興構想会議」の五百旗頭(いおきべ)真議長は、今月14日の初会合で巨額が見込まれる復興財源を確保するために「全国民的な支援と負担が不可欠」と増税の必要性を打ち出した。菅首相も18日、自らの課題として「財政再建への道筋」を掲げ、増税路線を追認した。

 構想会議が提起すべきは、東北復興をテコに日本が新たな成長軌道を描く青写真だ。それをどのような手順で具体化するかの工程表を示し、そのうえで必要な財源規模を出すべきだろう。こうした青写真や財源の確保に専門家や官僚を含めた日本の英知を結集させることが政治の役割だ。

 その上で何をすべきか。「子ども手当」を全廃すれば、従来の児童手当に戻しても1・7兆円程度の財源が確保できる。農家の戸別所得補償と高校の授業料無償化、高速道路無料化も合わせ4K全てを撤回すれば合計で約2・8兆円の財源が生まれる。

 最大のテーマは、日本経済を成長軌道に乗せる戦略の実行だ。その一つは、日本の稼ぎ手である輸出産業の国際競争力を高めることだ。予定されている法人税減税は実行すべきである。輸出産業の稼ぎを国内の雇用や投資に回し、経済全体を活性化させる取り組みが欠かせない。経済成長を促して税収増を考えるのが先だ。

 民間資金を集めて復興費用に充てる取り組みも重要だ。政府系金融機関と銀行や証券会社などが復興基金を設立するのも一つの考え方だ。民間企業が公共施設を建設し、それを運営する利益で建設資金を回収する「PFI」を活用すれば、財政支出は減らせる。

 また、被災地を特区として認定することも検討されるべきだ。法人税などを免除する優遇措置を講じれば、全国から進出希望企業が喜んで手を挙げるだろう。農地法などの規制を緩和して農地の規模拡大や企業の農業参入を認めれば、国際競争力が高まる。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に日本が参加する上での基盤整備にもつながるはずだ。

 ≪経済成長で税収あげよ≫

 こうした手段を尽くしても復興財源は足りない。その場合は被災地の復興費用に充てる「復興国債」を発行する。国民の多くに国債を買ってもらい、連帯の証しとして投資する。経済が拡大し、税収が増えれば償還は可能だ。

 もちろん財政赤字を国内総生産(GDP)比で平成27年度までに半減するとした財政再建目標は堅持する。将来世代にツケを回さないために赤字国債とは別会計にする工夫が必要だ。日本銀行が市場に潤沢に資金供給する量的緩和もさらに進めるべきだ。

 日本は約270兆円を持つ世界最大の債権国であり、この豊富な資金を裏付けにすれば復興国債の消化は容易だ。全体として経済成長を実現し、「日本は貧しくなる」(サマーズ前米国家経済会議委員長)という悲観的な見方を払拭しなければならない。国民もそれを強く求めている。

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