(2010/08/27サーチナ)
日本政府によると、日本経済の2010年第2四半期のGDPは1兆2883億ドルだった。一方、同時期の中国GDPは1兆3369億ドルと日本を上回り、世界第2位に躍り出た。両国の経済成長率の差を考えると、2010年通年のGDPでも中国が日本を追い抜くのは異論のないところであり、中国国内外のメディアはこぞって報道している。
しかし、中国網日本語版(チャイナネット)によれば、中国が世界第2位の経済大国になる意味を論じるとき、多くの専門家や学者が懐疑的な見解を持っている。例えば香港致富融資研究員の張馳氏は、日本と中国で人口比に大きな開きがある一方で総量を比較することはまったく意味のないことだと指摘する。経済体の実力を比較するには、産業構造や消費構造、一人あたりGDPを対象とするべきであり、それらを対比してみると、中国は決して楽観視はできないという。
張馳氏によると、2010年上半期、中国GDPの内訳は概算で第一次産業が7.7%、第二次産業が49.7%、第三次産業が42.6%となっている。中国がいまだ「二三一」という工業化中期のオリーブ型産業構造にあることは明らかで、第一次産業の割合も高く、おおよそ日本の1960年代の水準にあたる(1960年の日本の三次産業の生産額構造は13:45:42だった)。つまり、中国の産業構造は日本より40年余り遅れていると言える。日本は70年代に産業構造の変革に成功し、「二三一」構造から「三二一」の工業化後期の逆プラミッド型の構造となった。中国の産業構造は一段階遅れていることになる。
さらに同氏は、中国の産業構造が日本より遅れをとっているのは、国情の違いや成長方式の違いが原因であり、知識や技術面の障壁が厚いからではないと主張した。確かに、第三次産業は知的所有権に属する部分が多いが、中国はいまだに投資が経済成長を支える主要な要因であり、消費の不足は中国経済のかねてから直面している難題である。
張馳氏によると、他国に比べて中国の国民消費率はかなり低く、国民消費の平均が73.2%、政府消費の平均が26.8%となっている。しかも両者は変化が少なく、国民の消費願望と消費行動が強く抑えられている。都市部と農村部を分けて考えると、農村の消費水準の低さが際立っており、農村の消費平均が18.5%、都市部の消費平均が81.5%となっている。全体における農村の消費の割合が近年縮小傾向にあり、都市部と農村部の間で消費能力と消費水準、消費規模の格差がますます広がっていることが分かる。
中国のこういった現状と比べて、日本の経済成長は国民によるところが大きい。統計によると、今年の第2四半期、外需と内需の日本GDPへの貢献度はそれぞれ0.3%、-0.2%であり、前四半期は0.6%と0.5%だった。第2四半期に日本の輸出は実質的に5.9%増加したが、前四半期の増加幅7%より少なくなっている。
そのほか、中国と日本の産業の「粗放モデル」と「精細モデル」のギャップが大きく、この点から見ても、中国が世界第二の経済体であるとする考え方は的外れであると多くの専門家が考えている。(編集担当:米原裕子)
日本政府によると、日本経済の2010年第2四半期のGDPは1兆2883億ドルだった。一方、同時期の中国GDPは1兆3369億ドルと日本を上回り、世界第2位に躍り出た。両国の経済成長率の差を考えると、2010年通年のGDPでも中国が日本を追い抜くのは異論のないところであり、中国国内外のメディアはこぞって報道している。
しかし、中国網日本語版(チャイナネット)によれば、中国が世界第2位の経済大国になる意味を論じるとき、多くの専門家や学者が懐疑的な見解を持っている。例えば香港致富融資研究員の張馳氏は、日本と中国で人口比に大きな開きがある一方で総量を比較することはまったく意味のないことだと指摘する。経済体の実力を比較するには、産業構造や消費構造、一人あたりGDPを対象とするべきであり、それらを対比してみると、中国は決して楽観視はできないという。
張馳氏によると、2010年上半期、中国GDPの内訳は概算で第一次産業が7.7%、第二次産業が49.7%、第三次産業が42.6%となっている。中国がいまだ「二三一」という工業化中期のオリーブ型産業構造にあることは明らかで、第一次産業の割合も高く、おおよそ日本の1960年代の水準にあたる(1960年の日本の三次産業の生産額構造は13:45:42だった)。つまり、中国の産業構造は日本より40年余り遅れていると言える。日本は70年代に産業構造の変革に成功し、「二三一」構造から「三二一」の工業化後期の逆プラミッド型の構造となった。中国の産業構造は一段階遅れていることになる。
さらに同氏は、中国の産業構造が日本より遅れをとっているのは、国情の違いや成長方式の違いが原因であり、知識や技術面の障壁が厚いからではないと主張した。確かに、第三次産業は知的所有権に属する部分が多いが、中国はいまだに投資が経済成長を支える主要な要因であり、消費の不足は中国経済のかねてから直面している難題である。
張馳氏によると、他国に比べて中国の国民消費率はかなり低く、国民消費の平均が73.2%、政府消費の平均が26.8%となっている。しかも両者は変化が少なく、国民の消費願望と消費行動が強く抑えられている。都市部と農村部を分けて考えると、農村の消費水準の低さが際立っており、農村の消費平均が18.5%、都市部の消費平均が81.5%となっている。全体における農村の消費の割合が近年縮小傾向にあり、都市部と農村部の間で消費能力と消費水準、消費規模の格差がますます広がっていることが分かる。
中国のこういった現状と比べて、日本の経済成長は国民によるところが大きい。統計によると、今年の第2四半期、外需と内需の日本GDPへの貢献度はそれぞれ0.3%、-0.2%であり、前四半期は0.6%と0.5%だった。第2四半期に日本の輸出は実質的に5.9%増加したが、前四半期の増加幅7%より少なくなっている。
そのほか、中国と日本の産業の「粗放モデル」と「精細モデル」のギャップが大きく、この点から見ても、中国が世界第二の経済体であるとする考え方は的外れであると多くの専門家が考えている。(編集担当:米原裕子)