保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

保津川の紅葉特集・パート2

2007-11-21 23:02:17 | 船頭
保津川の紅葉は只今、見頃です!

明後日からは土曜日を挟んで3連休。
気温も平年並みに戻るという予報が出ているので、
おそらくこの秋一番の賑わいになることでしょう!

さあ~これからが今年最後のラストスパートの始まりです。
私達も体調をしっかり整え、最高のサービスが提供できる
様にに頑張ります!

それでは只今の保津峡の紅葉情報を
リアルタイムでお知らせします。
じっくりご覧下さい。(携帯からの方すいません)

武者ヶ駒と呼ばれ、その昔、武士が住んでいたお屋敷が
あった跡地のもみじです。時が経っているとはいえ、
人の手が掛かっているもみじは優雅さがあります。

保津峡の吊橋下から見るもみじです。ここでは保津川下りの
記念写真を撮ります。バックに美しいもみじ並木が入るのも
秋の川下りならではのもの。

山々が折り重なる保津峡の風景。深い緑の中に鮮やかなもみじが
映えます。色とりどりの秋の渓谷。澄み切った空気も手伝って
奥行きに深みが出ています。

保津峡の中でも紅葉が一番多くて美しい‘女淵’。
船は紅葉を見上げる様に下って行きます。
船から見る深い谷間に映える紅葉はまさに圧巻です。

この景色を毎日何度も見れる私はもしかして
かなり贅沢な仕事をしているのかな?

大自然に映える保津川の紅葉だより。

2007-11-20 00:04:48 | 京都情報
木枯らし一番も吹き、冷え込みも厳しくなってきたことで
保津川峡谷の紅葉も一気に紅を増してきました。

そこでこの季節の恒例企画となりました
「保津川峡谷の紅葉だより」を今年も
リアルタイムでお届けしたいと思います。

これから保津川下りをされ様と思われている方、
また「今年は予定が立たない~」と仰る方も
このブログで保津川の野趣で美しい紅葉を
お楽しみください。


峡谷の紅葉は今が移ろい始め。紅く染まる前の朱色の葉は
日に当ると蛍光度あがり目にまぶしく映ります。
朱色の葉は日に日に紅くなっていき、船から見上げる私達の
目を艶やかな紅葉で楽しませてくれることでしょう。

早めに紅く染まったもみじが、深い緑の杉の木や周りの木々に
華やかなアクセントを演出してくれています。

約50年前、下った船を船頭たちが綱で曳っぱって
帰った道「綱道」の上を鮮やかなもみじが彩ります。
後ろの北山杉が山の奥行き感を出し、峡谷ならでは
の秋の風景です。
昔、船を曳っぱっていた船頭達も、この紅葉の美しさに
気づく余裕があったのでしょうか?
おそらく曳き揚げ作業の疲れもこの紅葉を見て
癒されたのではないかと思いたいですね。

保津川峡谷の紅葉もいよいよ、見頃が近づいて参りました。
ここ数日の急な冷え込みで、体感温度も寒く感じますが、
秋の眩い日光を浴び、紅く浮き上がるような紅葉が体全身
で堪能できる秋の川下り。

水と緑に包まれ、大自然のパノラマに映える
峡谷の紅葉を是非、お楽しみ下さい。




保津川下りの最終便からみる川辺のライトアップ。

2007-11-19 09:12:29 | 船頭
ここ数日の冷え込みで保津峡の紅葉も一気に
色づき始め、この土・日は大勢のお客さんが
保津川下りにお越しくださいました。

この賑わいのおかげで私も二日連続、日に3回も
嵐山へ下るというハードな週末となりました。

日に3度も下ると、3度目は時間的にかなり
遅くなり最終便が多くなります。
秋の最終便になると、嵐山に着く頃には日が落ち
辺りは薄暗くなってきます。


毎年、最終便の楽しみといえば川辺のライトアップです。
トロッコ列車のでは沿線に立つ紅葉一本一本にライトを
当て美しい光の街道を演出しているのが船からも見えます。
また、船が通過する川沿いの武者屋敷跡の紅葉が
対岸の線路からライトアップされ、とても鮮やか!

そして終点嵐山に近づくと暗がりの中にやさしい光が見えてきます。
川岸に建つ料亭・松籟庵のライトアップです。

日が落ちて少し肌寒く感じる時間帯です。小腹も空いてくる頃。
料亭の温かい湯豆腐がほんとに恋しくなります。
松籟庵の湯豆腐懐石の美味しさを知っている私としては
この灯りを眺めながら冷えた心の中に、ほかほかの湯気がたち、
温かい気持ちになれるのもいい感じです。

保津川下りの船に温かい食べ物を売りに来てくれる売店船の
本店である琴ヶ瀬茶屋の灯りも見えてきます。
このお店もおでんと甘酒もこの時期、最高です。

保津川下りの最終便(3時半発)は、川からの望める
ライトアップがいっぱいです。
少し寒いですが、その分普段では見られない風景が
楽しめ‘温かさ’という幸せ感を味わえるのも
秋の保津川下りならではの楽しみの一つなのです。

毎日放送「映像’07」偽ブランド米を追え!

2007-11-18 01:12:06 | 船頭の目・・・雑感・雑記
明日18日(日曜日)の深夜24時30分から
浜省の会副会長で友人の米田記者(MBS毎日放送)
が制作したドキュメンタリー番組
「映像’07『追跡!偽ブランド米』」
が放送されます。

最近何かと世間を騒がしている食品偽装問題!
その魁となったのが「コシヒカリ100%」を謳いながら
実は中国米をブレンドしていた「日本ライス」の米偽ブランド表示。

この問題を報道番組「VOICE」の記者時代から追及して
きた米田記者が取材から編集までを手掛けた渾身のレポートです!

米田記者の報道に端を発し、逮捕者まで出た「日本ライス」の
産地偽装事件をはじめ食品偽装の手口や偽装する側の本音に
まで迫る徹底取材で、終わりのない偽装社会の実態を暴きます。

米田記者は私はっちんが最も信頼するジャーナリストで
粘り強い地道な取材と的確な分析力で今までタブーと
された不正や腐敗を鋭く追及し暴いてきました。

深夜という時間帯ではありますが、彼の渾身のドキュメント
作品。是非ごらんになって下されば嬉しく思います。

*毎日放送「映像'07」‘追跡、偽ブランド米’
 11月18日(日)深夜24時30分ー25時30分まで。
 関西ローカル限定の番組です。

保津川の紅葉が色づき出してきました!

2007-11-17 23:38:30 | 京都情報
ここ数日の冷え込みで保津川の紅葉もいよいよ
赤みが掛かり、見頃が近づいて来たのを感じます!

色づきはじめるこの時期の楓の葉には、多種な色が浮かび上がり
季節のうつろいをリアルに見る事ができます。
葉の紅葉は葉先から赤く色づき、朱色、黄色、黄緑、緑
という5色が秩序よく一枚の葉に並びます。

この五色紅葉、眩しい秋の日光のライトアップで
浮き上がる様な鮮やかさをかもし出し、見る人の
目はもちろん心まで癒してくれるようです。。

川沿いの傾斜に生える保津川の紅葉の生存条件は
決して生易しいものではありません。
年数回は起こる洪水に晒され、葉っぱはもちろん
根まではがされそうになりながら耐え抜いてきた
木々ばかりです。その分、大自然に鍛えられた
野生の強さがつくりだす美しさを表現しているようです。

五色紅葉は見られると保津川の紅葉の本番はもうすぐ!

野趣にとんだ燃えるような真紅の紅葉。
それは保津川の楓たちが最後にいのちの炎を
燃やしきるかの様に、紅く色づきます。

四季のうつろいの中にいのちの燃え盛る様を
実感できる保津川峡谷の紅葉。

多忙な日常を暫し忘れ、大自然が演出する今年最後のショー
に身をゆだねてみてはいかがでしょうか?

*(注意)
 明日は日中かなり寒くなるとのこと。
 ジャンバーやコートなど防寒性の高い服装に手袋やマフラー
 も用意されるといいと思います。
 また、只今の嵐山までの所要時間は1時間50分コースです。
 途中にトイレ休憩などは御座いませんので、乗船前には
 必ずお手洗いをお済ましなってからご乗船下さい。

京都の夜あそび・・・清水寺のライトアップ。

2007-11-16 17:41:25 | シリーズ・京都を歩く
京都の秋も段々と深まってきた今日この頃。
京都各地の紅葉の名所では、秋恒例となった
「紅葉のライトアップ」が今年も始まりました。

紅葉のライトアップといえば、やはり‘京都観光の横綱’
東山界隈を欠かすことはできませんね!

昨日は家族で「清水寺」のライトアップを見に行きました。

自宅がある亀岡から清水寺までは車を飛ばして約30分。
アクセス的にも5条通りを一直線に西東を横断する
だけなので、車が最も早い交通手段です。
車はこれまた紅葉の名所・高台寺の駐車場に停め、八坂の塔を
右手に望みながらライトアップの光で空が明るくなっている
清水寺を徒歩で目指します。


二寧坂から産寧坂の京風情ある石畳の階段を登りながら
清水さんまで歩いたのですが、さすが横綱・東山界隈!
夜の8時頃でも大勢の人が訪れていました。
産寧坂から清水門前町の京土産屋さんの灯りも眩しい
賑やかな参道を登りきると清水寺の門前に着きます。

眩しい光で紅く浮き上がって見える清水寺の正門・仁王門。
その右横後方には安産祈願に利益があるといわれる子安塔も。

清水寺の紅葉はもう少し後なのか?まだ紅く色づく楓は
少なかったですが、やさしい光に映し出された清水の舞台は
広い暗闇の海に浮び幽玄な美しさがあります。
遠景に見える京都まちの夜景と背後の山々も
清水寺の光の演出を盛り上げています。

すっかり観光客気分に浸りながら秋の夜長、京都で
たのしい夜遊びをして幸せな気分になったはっちんでした。

*清水寺・夜間拝観ライトアップ
 期間:11月15日(木)~12月9日(日)まで。
 時間:18時30分~21時30分(受付止)
 拝観料 400円

‘舟こやし’ってなに?

2007-11-15 18:51:50 | 船頭
私達保津川下りの船頭には船の操船のほかに‘舟こやし’(ふなこやし)
という遊船独特の仕事が昔から存在します。

一般的にはあまり聞きなれない言葉だと思いますが、
使用後の船を‘係留場に収納する作業’のことで、
船を管理する私たち船頭にとって舟こやしは
とても重要な仕事の一つなのです。

でもその作業‘舟こやし’って変な呼び名でしょう~
由来は組合が出来る前、遊船の船は今の乗船場がある
右岸側からクレーンで下ろし、左岸側の係留場へ
川を横切るかたちで移動させていたことを
「舟で川を越える」‘舟こやし’という呼び名に
なったそうです。

私も新人のころ「今日、こやしするぞ~」と先輩船頭
から言われて「何のことか?」さっぱりわからなかった
ほど、方言の効いた言葉でもあるのです。


毎日平均40艘以上の船が流れる保津川下りでは、
常に50~60艘の船を係留場につなぎ管理して
いるわけですが、朝から順次出航していくので
午後には係留場に船が僅かしか残らない状態に
なってしまいます。

そこにトラックで運ばれた船が次々に嵐山から帰ってきます。
トラックから下ろされた船一艘一艘に船頭が一人づつ竿をもち
乗り込み、朝と同じ様に係留場の上流から隙間なく
きれいに整理して直していきます。

舟こやしは一日3~4人の船頭が当番制で行うもので、
当るのは年間6~8回程度。
公平に当番が当るようになっていますが、船が嵐山から
帰りだす午後から始まる仕事なので、川下りの仕事から
帰り次第取り掛かるので、その日の都合で夕方遅くまで
かかることもあります。

今日は私の当番の日。
午後3時から始めて午後5時過ぎまでかかりました。

日が陰る頃、やっときれいに整理する事ができ今年最後の
舟こやしを無事終了することができたのでした。

朝霧がたち込める保津川の一日。

2007-11-14 23:44:52 | 船頭
保津川の秋の風物詩といえば朝霧です。
乗船場一帯は数m先も見通せないほど深い霧
がたち込め、まさに白い雲海が広がる幻想的な空間。

この時期、私たち船頭の朝は早く、朝7時頃から始発便
を待つお客さんの為に霧雨が降る寒さの中
船の用意に掛かります。

船は対岸にある係留場に繋いであり、そこまでは
全長約400mもある保津大橋を徒歩で渡り
取りに行きます。
係留場には約60艘を超える船がワイヤーロープにより
繋いであり、その日の担当船に船頭が乗り込むと、
ワイヤーを外した船が順次、保津川を横断して
対岸の船着場へ向かって行くのです。

最初は竿を川に付けることをためらうほどの冷たさです。
時折、吹く風も冷たく身を切る様な寒さの中、お客さんは
用意された船に乗り、嵐山へ向かい出航して行きます。

朝霧の寒さに朝一番に来られたお客さんも乗り込むのを
躊躇されるほど。

「大丈夫。寒いの最初だけ。霧の出る日は最高にいい天気です」
「すぐに青空が顔を覗かせますよ~」
と説明するも、かなり疑いの眼差しを返して来られる方も。

事実、霧の深い日は必ず晴天になるのです。

朝霧は峡谷に入ると晴れてきて、透き通るような
青空が顔を出します。。
あまりにも極端に風景が一変するので、さっきまでの
霧空間は‘幻’か‘錯覚’だったのでは?と感じるほど。

霧が晴れた渓谷には色づき始めた紅葉の景色が広がります。

霧の日は青空がでるまで相当寒いので、暖かい格好や
カイロなどの防寒対策をしっかりしてお乗りくださいね。

それと乗られる前には必ず‘トイレ’を済まして
からご乗船いただくことお願い致します。

渡月橋の上空に‘謎の飛行物体が・・・

2007-11-13 23:24:26 | 船頭
嵐山の秋を優雅に彩る「嵐山もみじ祭」の当日、
渡月橋の上空を謎の飛行物体が!

「いったい、あれはなんだ?」

渡月橋を歩く全ての人が、上空に浮ぶその物体を
指差しながら空を見上げています。

近づいて見てみると、どうやら‘凧’のような・・・
でも、ただの凧ではありません!凧は一本の糸で何連
もつながり、上空目掛け順々に伸びていってます。
その姿はまさに天に駆け揚がる昇龍のよう。


聞けばこの大規模な凧揚げ、日本とお隣の韓国の友好を
願い、韓国の大学教授が中心となりと日本の同志社大学
日韓地方自治研究センターと共同で行なわれたイベント
で、最大全長約6キロの2000枚の連凧を渡月橋から
西南の空の方向に舞い揚げたそうです。

当日は私も3度、嵐山まで下って行ったのですが、
下って行く度に凧の全長が長くなっており、3度目
の時などは、渡月橋下3ヶ所から連たこを揚げ、上空
で一箇所に結ばれ伸びて行ってました~

連凧をあそこまで伸ばすことは、並大抵なことでは
ないと思いますが、この企画に賭けた両国の関係者
の熱い思いが十分伝わるイベントだと感じました。

でも・・・少し気になることが・・・

6キロにも及ぶ連凧、上空で受ける空気抵抗は相当な
ものだと思うのですが(事実、その日は風の強い日でした)
どのようにして、片付けたのでしょう?
失敗すると空下の民家の上に落ちてしまうのでは?

ご存知の方がおられたら、是非、教えて下されば幸いです。
仕事の途中だったので、最後まで見ることは出来ません
でしたが、その後この凧はどうなったのでしょう・・・


朝日新聞に紹介された「トロッコ列車」特集。

2007-11-12 23:59:29 | 京都情報
保津川下りと同じく保津峡の魅力を観光客に伝えている
嵯峨野観光鉄道・トロッコ列車の特集記事が
10日(土)の朝日新聞夕刊に紹介されておられ
これからの紅葉シーズンを前に保津峡観光に
弾みがつきそうです。

「ぷらっと沿線紀行」という日本の鉄道をシリーズで
紹介する記事は、1面と3面にわたる大型特集。
トロッコ創業以来、保津峡の景観保全として取り組まれた
桜やもみじなどの沿線植樹事業に焦点をあて、その木々
に込められた人間模様を追う形で文章は綴られています。

嵯峨野観光鉄道では社長の発案による沿線植樹計画が
創業された平成3年より進められてきましたが、2000年
より「オーナー制」の一般者植樹希望者を募り、植樹場所が
なくなる2005年まで続けられていました。
その間、自分の生きた証として、また子供や孫の誕生記念
として、桜23本、もみじが71本が植樹されたのです。
その中には木々に自分や身内の生涯を照らし合わせた
「数々の人間模様が展開している」と記事は伝えています。
保津峡の自然は、これら多くの方々の熱い思いにより
支えられ守られていることが記事からもわかります。

トロッコ列車は明治32年、京都鉄道として開通、その後
旧国鉄山陰線・保津峡区間として平成元年に廃線。
その線路を利用して平成3年に観光用列車トロッコ列車
として復活、今では年間約90万人の観光客
が訪れる洛西・嵯峨野を代表する観光施設です。

嵯峨嵐山からトロッコ列車で亀岡まで行き、保津川下りで
嵐山まで戻るというルートは洛西観光のゴールデンコース
と呼ばれ京都有数の人気スポットに成長しているわけ
ですが、創業当初は線路も錆び、枕木も朽ち果てていると
いう荒れるにまかせる状態だったそうです。
その峡谷を観光カリスマ(国土交通省)にも任命された
長谷川社長自らが先頭に立ち、スコップやツルハシを手に
路線の整備と沿線の桜植え、木々の剪定、草を刈りまでを
9名の職員の手作りで始め、桜と紅葉を植樹したその数が
約4000本にも及び、10年後には桜や紅葉のトンネル
が出来るというから凄い。

そして今、一般植樹事業も進め、保津峡観光に訪れ、
感動した日本中、いや世界中の人々の手によって
保津峡を守り光輝かすシステムも構築された。

観光と自然の共生。そのヒントが我が保津峡にある!
今後この保津峡をどのように光らせていくか?
私達保津川遊船も学ぶべきところが多いと感じます。

そして同じ保津峡に生きる者として、自然を守り
育てていく責任の重大さもこの記事は教えてくれて
いる様に感じた次第です。

嵯峨野観光鉄道HP