保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

朝霧がたち込める保津川の一日。

2007-11-14 23:44:52 | 船頭
保津川の秋の風物詩といえば朝霧です。
乗船場一帯は数m先も見通せないほど深い霧
がたち込め、まさに白い雲海が広がる幻想的な空間。

この時期、私たち船頭の朝は早く、朝7時頃から始発便
を待つお客さんの為に霧雨が降る寒さの中
船の用意に掛かります。

船は対岸にある係留場に繋いであり、そこまでは
全長約400mもある保津大橋を徒歩で渡り
取りに行きます。
係留場には約60艘を超える船がワイヤーロープにより
繋いであり、その日の担当船に船頭が乗り込むと、
ワイヤーを外した船が順次、保津川を横断して
対岸の船着場へ向かって行くのです。

最初は竿を川に付けることをためらうほどの冷たさです。
時折、吹く風も冷たく身を切る様な寒さの中、お客さんは
用意された船に乗り、嵐山へ向かい出航して行きます。

朝霧の寒さに朝一番に来られたお客さんも乗り込むのを
躊躇されるほど。

「大丈夫。寒いの最初だけ。霧の出る日は最高にいい天気です」
「すぐに青空が顔を覗かせますよ~」
と説明するも、かなり疑いの眼差しを返して来られる方も。

事実、霧の深い日は必ず晴天になるのです。

朝霧は峡谷に入ると晴れてきて、透き通るような
青空が顔を出します。。
あまりにも極端に風景が一変するので、さっきまでの
霧空間は‘幻’か‘錯覚’だったのでは?と感じるほど。

霧が晴れた渓谷には色づき始めた紅葉の景色が広がります。

霧の日は青空がでるまで相当寒いので、暖かい格好や
カイロなどの防寒対策をしっかりしてお乗りくださいね。

それと乗られる前には必ず‘トイレ’を済まして
からご乗船いただくことお願い致します。