保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

シリーズ・保津川を下ろう!その1 400年の歴史

2004-09-17 23:56:10 | シリーズ・保津川を下ろう!
以前、京都のFNラジオに出演した時、DJの方が驚き聞き返された事、
それは「保津川下りって400年も続いているのですか?」というものでした。

京都生まれのそのDJの方でも、保津川がそれほど歴史のある川下りである
ことをご存知ではなく、ただの観光業として始まったものとばかり思っていたそうです。

そういえば、船下りに来られるお客さんも以外にこの事をご存知ない
様子で、皆さん一様に驚かれることが多い様に感じていました。

はっちん達船頭にとっては常識であることでも
案外、皆さんご存知でないことが多いんだな~と気付かされます。

そこで今回から保津川の名所とその云われなどを
紹介し、改めて保津川の魅力に触れていただこうと思って
シリーズ保津川を下ろう!」というコーナーを企画しました。

ご覧になっている方の中でも、何か知っていることが
あれば、どしどし投稿してくださいね。


では保津川下りの歴史を簡単に紹介したいと思います。

先ず保津川下りの本名は「保津川遊船企業組合」といいます。
企業組合とは、船頭一人一人が権利金を組合に出資して、
共同で経営するという、日本でも珍しい組織なのです。

保津川の水運としての歴史は古く、奈良時代にまでさかのぼります。
奈良・平城京から長岡京に都を遷都する時に、建築用の木材を
筏にして流したことが始まりといわれ、その後今の京都・平安京に
移す事業から盛んになったと伝えられています。

慶長11年(1606)に嵯峨の豪商・角倉了以によって、
今の遊船の前進である荷物船が、初めて保津川を流れました。
これは保津川水運の歴史の中での最も画期的な事業で、
明治時代に鉄道が開通するまで続けられたのです。

貨物列車にその仕事を奪われる形となった船事業でしたが、
その後観光船として姿を変え、生まれ変わり今日に至っています。

観光船として生まれ変った保津川下りでしたが、当時の時代背景も手伝って
その経営は一様に厳しかったらしく、村営から、運輸会社、鉄道会社へと
事業主体の買収が繰り返され、船頭達は苦難の変遷を辿らなければならなかったのです。

しかし大手資本に翻弄された苦い経験をした先輩船頭たちは
先祖代々受け継がれた操船技術だけを頼りに
船頭だけの自主運行に踏み切り、船仕事を自らの手に取り戻す勝負に出たのです。

自主運行には踏み切れたものの、当然、大手資本の妨害も予想され
厳しい船出となりましたが、先輩達の奉仕的な街頭宣伝・営業の
努力が実り、乗船者の増加を生み
新たに企業組合を立ち上げる事に成功したのでした。

これが今日まで保津川下りの歴史なのです。

次回からは保津川上流から順番に名所を案内し嵐山まで
下って行きたいと思っておりますので
乞うご期待!

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
新しい川下りのかたち? (ミイー)
2004-09-18 11:56:16
「シリーズ 保津川を下ろう!」という企画

おもしろいです。

PCの前に居ながらにして

噂の船頭 はっちんさんの素晴らしいガイドで

川下りが出来るなんて!!

どんな景色が目の前に広がるのかとても楽しみです。

返信する
名所 (めい)
2004-09-18 17:33:07
以前乗ったときは、やたらに蜂の巣ばかりを紹介していただきました。名所?他にもいろいろあるんでしょうか?岩の名前とかは聞きましたが・・・山の名前、瀬の名前、他にはなんだろう?もう一回友達とリベンジ川下に行きます!今年はちょっと無理なんで、来年の春にでも。その時はなんとかはっちんの船に滑り込むぞ!
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川下りしよう! (はっちん)
2004-09-18 22:45:27
ミイーさん、めいさん、いつもコメントありがとう!シリーズ楽しみしておいて下さいね。この掲示板を読んで頂いてる方が、保津川下りをされる頃には、すっかり保津川通にしてしんぜよう!

ただし、船頭に突っ込み入れて、イジメないであげてね!

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とても興味深いです! (ナッツ)
2020-10-14 00:26:28
保津川下りの歴史をとても興味深く拝読しました。よもやそんな歴史があったなんて…
誇るべき企業組合ですね!
そんな事実を知って、改めて船に乗りたいと思います。
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ナッツさんへ (はっちん)
2020-10-25 12:17:40
企業組合の歴史をお読み下さりありがとうございます。今年、組合設立50周年の年に当たります。盛大にお祝いしたいな~と思っていたのですが、このコロナ禍で全てのイベントが中止となりました。
困難な時世ですが、先人たちも幾度となく苦難を乗り越えて続けてきた舟下りですので、我々の世代のここ危機をしっかり乗り越えていきたいです。
これからもよろしくお願いいたします。
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ご挨拶 (荒川夏槻)
2024-02-08 08:55:36
はじめまして僕は八王子市内の中学1年生です。僕たちの学校は二年生で京都に行って嵐山に行くので保津川下りにみんなでいきたいとおもっています。僕は大人になったら船頭になりたいです来年の2月ぐらいにあそびにいきます。はっちんさんに技術の授業で作った高瀬船の模型を3月28日の事故のお供えものにします。
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訂正 (荒川夏槻)
2024-02-08 09:03:26
はっちんさんこんにちは僕は八王子市内の中学1年生です。僕たちの学校は二年生で京都に行って嵐山に行くので保津川下りにみんなでいきたいとおもっています。僕は大人になったら船頭になりたいです来年の2月ぐらいにあそびにいきます。はっちんさんに技術の授業で作った高瀬船の模型を3月28日の事故の献花用に作りました櫂や舵も動く模型です楽しみにしていてください前に出したのコメントの訂正版です。
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ありがとうございます。 (はっちん)
2024-03-11 14:39:32
荒川夏槻さま
ご丁寧なメッセージを送っていただきありがとうございました。
来年の2月ですね。承知いたしました。
お待ちしております。
また、献花用に船の模型を作成して下さり、感謝申し上げます。みんな、喜ぶと思います。
お会いできる日を楽しみにしております。
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