保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

保津川の運航を妨げるもの・・・それは巨岩!

2004-10-31 02:28:13 | 船頭
私の住む京都・亀岡では今も雨が降り続いています。
この雨、私達船頭にとってはまさに無情の雨、非情の雨になるか?

保津川では台風23号が通過した20日から運休を余儀なくされていますが、
あまりのも運休期間が長すぎる為「保津川はどうなっているのか?」とご心配される声を
全国の方々から多く頂くようになりました。

この掲示板ではあくまでも河川整備ということでお伝えしておりましたが、
この度いくつかのマスコミにより、その原因についての報道があったことで
もうご存知になられたことと思います。


ここまで長期の運航停止をせざるおえない原因は、洪水で流された巨岩が
運航水路に横たわっており、船の進路を妨げているからなのです。

巨岩が横たわっているのは「小鮎(こあゆ)の滝」と呼ばれる
落差が2mもある滝の手前に航路をふさぐ様に止まっています。
上から見ただけでもその大きさは容易に確認できるほどの岩で
高さ約5m、幅約3mで30~40tはあると思われます。

この岩、高い水位と濁りが取れない今の川の状況では
近づくことも困難で、かりに近づけたとしてもとても人力では如何ともし難く、
撤去方法について苦慮しておりました。
検討を重ねた結果、破砕薬作業で岩を溶化し割る方法が最良と判断し、
水位が下がることが予想される、来週から作業に入る予定をしておりますが、
この雨が降り続けば、さらに長引くことも考えられます。
何のとか早く作業に入り、1日も早い運航再開を期待してはいますが、
自然相手の事、これだけはどうしょうもないので祈るしかなさそうです。

400年の歴史がある保津川下りは、第二次大戦時の閉鎖や
大手企業からの独立の為、一年間の運航停止事件、
94年の大干ばつよる夏の40日運航停止など幾度となく困難に遭遇してきました。

しかしその都度、力強く立ちあがり伝統産業の灯を守りぬいてきました。

今回の台風被害も確かに歴史に残る受難ではありますが、
心を倒さず勇んで取り組んでいきたいと思っております。
そして秋の観光シーズンを迎えています。
一刻も早い運航再開を目指して頑張りますので
これからも保津川下りをご愛顧いただきます様、
よろしくお願いします。


 

やっぱり雨が・・・

2004-10-30 06:46:49 | 船頭
台風23号が通過してから早、10日を過ぎようとしておりますが、
保津川下りは河川の整備の為、運航中止を余儀なくされております。

通年ならこの時期から秋の行楽シーズンに入り、
この週末は目の回るほど忙しくなるはずなのに
本当に残念でなりません。

これほど休みが続くと、会社の受ける損失も大きく、
私達船頭の生活にも直に響いてきます。

船頭は川の上にいてこそ値打ちがあり、
丘にあがると二束三文だと痛感させられます。

今日も河川両岸の川掃除を予定していますが、
昨夜からの雨で実施できるかどうか?

今のところ、河川の水位は上がってないものの、
今後の降り方次第ではまたしても上昇するか可能性が
十分考えられます。

台風で荒らされた川の整備には水位の減少が
絶対条件です。今はただ、これ以上雨が降らないことを
祈る事しかできません。自然にはかなわないと分かっては
いますが、なんとも無力感を感じずにはいられません。



保津川で河川の掃除をはじめます。

2004-10-29 10:02:12 | 船頭
依然、河川整備の為運休している保津川で、
今日から船頭全員でゴミの掃除を始めます。

ゴミ掃除はこのたびの台風による洪水で流れ着き、
両岸に溜まっているゴミを取り除き景観復帰を図るもの。

掃除は徒歩で進められ、上流の亀岡側から嵐山までの
遊船の舟が流れる流域で実施します。

作業は二日の予定をしてますが、明日から天気が
またしても下り坂に向かう模様で、工程通り進められるか
少し心配です。

明日からの雨はかなり、まとまった雨になるらしいです。
水位の下がるの待ち望む私達にとっては、最悪の情報です。
何とぞ、この予報が外れてもらうように期待したい気分です。

そして、震災被害や台風被害を受けられた方には
追い討ちを掛けるような雨にならないことを祈りたいです。


今年の日本は!

2004-10-28 09:45:57 | 船頭
本日も保津川下りは河川整備の為、運行を中止しています。
現場も懸命に復旧作業を進めておりますので、今しばらくお待ち下さい。

しかし、今年の日本は自然界からの激しい攻撃を受け、
壊滅的な状態に追い込まれてますね。
地震、台風、鳥インフルエンザ、狂牛病など思いつくだけでも
多数が容易に浮かびます。

国のある機関が算出したところによると、
復旧にかかる費用は1兆円を超えるいわれ
今年の当初予算にあげてある災害復旧費では
まったく間に合わないのが現状だそうです。

マスコミの報道も今では殆どが新潟の震災報道に偏っている感がありますが、
台風災害の復旧もまだまだ目途が立たない状況です。
京都・宮津、舞鶴、大江などの北部では、今も一部地域の方達が
二次災害を恐れ避難生活をされています。
長期化も予想され、住民の不安も一段と増していることでしょう。

ボランティアの支援や援助もまだまだ必要な状況です。
しかし、TVや新聞での情報が著しく少なくなっています。
ここでも日本のマスコミの悪い癖が出てきているのではないでしょうか?
災害の被害を受けらた方の心身の傷あとは、どこでも同じであることを
忘れないで欲しいです。

私達も心を倒さず、復旧に取り組んでいくつもりです。

保津川の河川復旧進まず!

2004-10-27 08:34:20 | 船頭
あの台風23号が通過してから早や一週間が経りますが、
保津川の河川復旧整備は、水位が今だ下がらず、
予想以上に困難をきたしております。

この現状では川下りの再会は難しく、ただいま運行を中止しております。

今しばらくお待ち頂く様お願い申し上げます。

昨日コメント頂いた「川大好き」さん、
大高瀬は今のところ、変化はないようです。
今後、水位が減水しつつ、点検する予定です。

保津川の運行水路整備中!

2004-10-26 08:43:51 | 船頭
先の台風23号による川の被害状況は予想以上に厳しく、
現在も運行水路の点検・整備に掛かっていることから
今しばらく運行再開には時間が掛かる模様です。

秋の保津川渓谷美を楽しみにされておられる方には
大変申し訳ございません。
ただいま鋭意、作業を進めておりますので、
今しばらくお待ち頂くようお願い申し上げます。

自然とともに暮らすということは、自然の姿すべてを受け入れると
いうことでしょう。
自然は日頃、私達に多くの恩恵を与えてくれる反面、
自らが新陳代謝をするがごとく、大きく動きをみせ、
力の巨大さを見せつけます。
そのつど、人は自らの無力さと日頃の傲慢さを思いしらされます。

川下りの技術は、その時々の自然状況に合わせてこそ
安全に下れます。逆らっても所詮かなわぬもの。
これは私達、自然とともに生きるとういう人生の
縮図ではないか?感じております。


河川状況の点検進む。

2004-10-25 09:16:16 | 船頭
台風23号で被害を受け、懸命の復旧作業を続けている保津川遊船では、
昨日と今日の二日にわたり河川水路の点検を行っています。

はっちんも昨日、川底の状況に行ってきました。
これは今回の大水による川底、水路の変化を調べるというもので、
幾つかの班に分かれ各ポイントのチェックを実施しました。

視察は川の変化を細かく調べるという上から、川岸を徒歩で見て回ることに。
はっちん達の班も嵐山からトロッコ保津峡駅までの右岸側区域を、
上流に向かい歩いてチェックする事になりました。

しかし、川岸を進行することは想像以上に大変です。
行く手には、台風の雨により所々に崖崩れが起こしており、
山壁伝いをへばり付いて進行しなけらばならない箇所が幾つもあるのです。

絶壁で足を踏み外せば激流に一直線です。
細心の注意をはらい進まねばなりませんので、
心身ともに疲れる作業となりました。

幸い私達の担当した区域では、運行に支障をきたす様な
箇所は見当たらなく、まずは一安心でした。

遊船では川の濁りが今だとれない事から、
水位の減少した今日も運行を中止して
細部に渡り視察を行う予定で、安全運行の徹底に勤めます。

川下り再会まで今しばらくお待ちください。
よろしくお願いします。






時代祭

2004-10-23 10:38:50 | 京都情報
今日も保津川では、運行開始に向けての復旧作業が続いております。
台風による大水の被害は予想以上に厳しく、苦戦を強いられている状況ですが、
1日も早く川下りが再開できるよう頑張っておりますので、今しばらくお待ち願います。

今日は気分を変えて、昨日京都で催された時代祭の話をしたいと思います。

秋の都大路を彩る一大時代絵巻・時代祭は春の葵祭、夏の祇園祭とならび
京都の三大祭のひとつに数えらていることは皆さんよくご存知の事と思います。

生粋の京都生まれ、京都育ちの私はっちんは、この時代祭が一番のお気に入りです。

時代祭開催の中心となる京都・平安神宮にとって京都市民はすべて氏子という形を
昔からとっており、大方の市民に古くから親しまれております。
京都市では各地区別に平安講社という講が置かれており、
時代祭の幹事や役割分担を地区ごとに担当し、祭に参加するのが慣わしとなっております。
その点では、ある限られた地域の方が作られている他の二つの祭に比べて、
京都市民みんなの力を合わせって作っていく時代祭の方が思い入れがあるのです。

はっちんの父上も京都北区・衣笠学区の平安講社の役員を長年務め、
時代祭にはかみしもの衣装を着け行列に参加してましたし、
身内の住む朱雀第二学区では小中学生が、明治維新で活躍した勤王山国隊として
笛を吹いて先頭を行進していたのを羨ましく見ていた記憶があります。

幼い頃から必ず見に入っていた時代祭でしたが、この時期が一番忙しい
京都の観光業に従事してからは行く機会がなくなり少し残念です。
でも、思い入れ深い時代祭のお陰で、毎年翌日にはたくさんのお客さんが
保津川にも足を延ばして頂き、私の生活によい関わりをしてくれていることを
思うと感慨深いことです。

今年はこのような状態で運行できませんでしたが、来年は京都の時代祭とともに
保津川下りも多勢の人々に楽しんで頂けるようになればと思っています。

ここで時代祭の歴史を紹介したいと思います。
時代祭は平安遷都1100年を記念して、明治28年(1895)平安神宮が創建された際、
その記念のお祝いに市民有志の手で企画された祭でした。
   
祭礼日の10月22日は、延歴13年(794)、桓武天皇が長岡京から平安京へ都を移した
日で、京都の誕生日にあたります。
関東大震災や第2次世界大戦のために7年間、お祭りができなかったこともありましたが、
それら苦難の歴史を乗り越え、今年で100回目の記念すべき祭となりました。

行列の人数は、約2000人、牛が2頭、馬が約70頭も加わります。
その先頭から最後尾までの長さは2kmにわたり、京都御所を12時に出発し
2時間30分かけてパレードし平安神宮に到着します。
   
行列は明治維新の新しい時代から平安朝の古い時代へと
古都の歴史を遡り行進され、歴史上の人物が登場することが最大の魅力です。
   
武士姿の鎧や兜は忠実にその時代の者を再現してあり
総重量は80㎏にもなる衣装もあるので結構重労働です。  
  
衣装や調度品、祭具は1万2000点にも及び京都の工匠や染色職人が研究を重ね
帯1本から糸に至るまで各時代の素材を使い、現在に蘇らせているのですよ!

この祭にかける京都の町衆の強い思い入れを感じずには入られない、
逸れが時代祭なのです。
   


保津川下り、懸命の復旧作業が続く

2004-10-22 08:39:56 | 船頭
保津川遊船では、台風が通過した20日の晩に
1F部分の事務所、売店が約50㎝の床上浸水に!

翌日から社員一同による復旧作業が懸命に進めらており、
今日も営業再開に向けての作業を開始します。

昨日のうちに堤防につないであった舟の整理と泥に埋まった
駐車場の清掃を終えており、今日から本格的な売店の清掃に
かかる模様です。

今後は川の水位が引き次第、係留地の整備工事や
運行水路にあたる川底に変化がないかの確認を
行い、1日も早い営業再開を目指します。

秋の保津川下りを楽しみにされているお客様におかれましては、
いましばらくお待ちくださること、お願い申し上げます。

写真は堤防裏に避難させている川下りの舟です。