保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

京懐石・門の西田浩二さん、読売夕刊に登場!

2007-11-01 00:43:28 | 素晴らしき仲間たち~
我が「押忍!男組」のメンバーである「京懐石・門」
の店主・西田浩二さんが、昨日の読売新聞・夕刊に
紹介されました。

紹介されたのは「師匠あり・弟あり」という特集記事。
しかも一面を西田さんの記事が全て占領するという
スペシャルな扱いで、彼の料理に魅せられた記者の
思いが随処に読み取れる内容になっています。

とはいえ、日頃から彼の料理の実力を知る私としては
「やっと、正等な評価を受けられたな~」と
感じる方が強いのです。

伝統ある京料理の世界でキャビアやフォアグラなどの
洋素材を取り入れるなど‘革命児’といわれ、一世を
風靡した京都岡崎の高級料亭「京料理・まる多」の
主人故丸田明彦氏の最後の弟子として腕を磨いた
西田浩二さん。
しかし多くの兄弟子たちの様には、今まで和の料理界
でスポットを浴びなかったのは、彼が‘京都’
ではなく、この‘亀岡’という地に強いこだわりを
持ち、この地を離れず店を構えているからなのです。

初めて会った時、彼が私に話してくれた言葉が忘れられません。

それは師匠丸田さんとの固い約束事でした。
師はまだ若い最後の弟子にこう言ったそうです。
「お前(西田さん)、亀岡という地がどうゆう場所か
気が付いて店を構えているか?亀岡のある丹波には
かぶらやみぶななど京野菜や丹波黒豆、丹波マツタケ、
鮎など旬の食材の宝庫や。京料理といっても食材は
丹波から。その京料理食材の地元丹波でまず
自分にしか出来ない‘丹波の京懐石料理’を
完成してみろ!それが出来るまで、京都市内で
店を開かんでもいい」と仰ったそうです。
それに亀岡は京料理のいのちである‘だし’を
引き立てる‘水’がきれいで美味しい地です。
京都にない京料理を創作する土壌は整っています。

その言葉を‘師匠の遺言’として受け止めた西田さんは
今も‘自分の丹波産・京懐石’完成を目指し、この
亀岡の地で日々料理の研究に余念がないのです。

京都市内の情報を中心とした「グルメ雑誌」に
紹介される京懐石の若い日本料理人さんたちを
横目に見ながら、彼は一人この亀岡の地で、
師匠の言葉だけを頼りに日々料理の地道な研鑚に
一生懸命だったのを私は知っている。

そんな彼に読売新聞がやっとスポットをあてた!

それは師匠の言葉を忠実に守り、今も懸命に師匠の
影を追いかけている彼への、今は亡き師からの‘激励’
であり‘プレゼント’でもある様な気がします。

いつまでも師を慕う弟子と死してなお今も弟子に
手を差し伸べる師。
なんという強き‘絆’で結ばれているのでしょう!

そこには現代社会が忘れていた‘古き日本’の
人と人のつながりが脈々と息づいていると感じます。

彼はよく「本物」という言葉を口にします。

人として「本物」でありたいという心が
「本物」の料理を生み出します。
「本物」の師匠に導かれた彼は
間違いなく「本物」への王道を力強く
真っ直ぐに歩いていかれることでしょう。
師匠がそうであったように・・・