保津川下りの船頭さん

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‘舟こやし’ってなに?

2007-11-15 18:51:50 | 船頭
私達保津川下りの船頭には船の操船のほかに‘舟こやし’(ふなこやし)
という遊船独特の仕事が昔から存在します。

一般的にはあまり聞きなれない言葉だと思いますが、
使用後の船を‘係留場に収納する作業’のことで、
船を管理する私たち船頭にとって舟こやしは
とても重要な仕事の一つなのです。

でもその作業‘舟こやし’って変な呼び名でしょう~
由来は組合が出来る前、遊船の船は今の乗船場がある
右岸側からクレーンで下ろし、左岸側の係留場へ
川を横切るかたちで移動させていたことを
「舟で川を越える」‘舟こやし’という呼び名に
なったそうです。

私も新人のころ「今日、こやしするぞ~」と先輩船頭
から言われて「何のことか?」さっぱりわからなかった
ほど、方言の効いた言葉でもあるのです。


毎日平均40艘以上の船が流れる保津川下りでは、
常に50~60艘の船を係留場につなぎ管理して
いるわけですが、朝から順次出航していくので
午後には係留場に船が僅かしか残らない状態に
なってしまいます。

そこにトラックで運ばれた船が次々に嵐山から帰ってきます。
トラックから下ろされた船一艘一艘に船頭が一人づつ竿をもち
乗り込み、朝と同じ様に係留場の上流から隙間なく
きれいに整理して直していきます。

舟こやしは一日3~4人の船頭が当番制で行うもので、
当るのは年間6~8回程度。
公平に当番が当るようになっていますが、船が嵐山から
帰りだす午後から始まる仕事なので、川下りの仕事から
帰り次第取り掛かるので、その日の都合で夕方遅くまで
かかることもあります。

今日は私の当番の日。
午後3時から始めて午後5時過ぎまでかかりました。

日が陰る頃、やっときれいに整理する事ができ今年最後の
舟こやしを無事終了することができたのでした。