学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

美術館から美術館へ

2008-02-06 22:47:26 | 仕事
美術館から美術館へ送られてくるものには…
○展覧会カタログ
○美術館紀要、年報

交流のある美術館から、展覧会カタログが届きます。展覧会カタログは、内容、デザイン、形、どれも個性豊かなものばかり。特に美術館は「美術」を扱うだけあって、どの館の図録もオシャレで、上品です。学芸員として、ただ内容を読むだけではなくて、そうしたデザインの部分も大変参考になります。まだまだ勉強不足の私には、他館のカタログは最良の教科書です。

美術館紀要や年報。これはあまり外部には出ないものでしょう。紀要は学芸員の研究成果が掲載されており、最先端の研究を読むことが出来ます。それらは、論文を書く際、非常に大切な材料になります。年報は、その年にどんなことをやったのか、をまとめたものといったところでしょうか。開催した展覧会や入場者数、教育普及の成果などが掲載されています。特に私が注目するのは、教育普及の箇所。自分のところでも取り入れることができないか、絶えずヒントを探しています。

美術館同士のやり取り、他館の活動内容を知ると、仕事のモチベーションが上がります。自分も頑張らなくては!と。そのようなわけで、明日からまた仕事を頑張りたいと思います(笑)

展覧会の発送作業

2008-02-05 22:01:36 | 仕事
展覧会開催に伴い、パンフレットやポスターの発送作業を行いました。発送先は美術館の関係者から、県内外の美術館・博物館、美術学校などに送っています。発送することにどれだけの宣伝効果があるのかは、未知数な部分もあり、最近ではコスト削減のために発送先の見直しなどを行っています。

発送先で特に当館が力を入れているところ。それは地元です。美術館の周りにあるお店にポスターを持っていき、ぜひ貼ってもらえないかとお願いするというもの。もちろん断られる場合もありますが、たいていの方は快く受け取って下さいます。地元の方と知り合う機会、特に私は県外出身なので、なかなかお知り合いが出来なかったのですが、ポスター掲示の依頼で周ってからは、とても顔が広くなりました。私が勤める美術館は、地元密着型を目指しており、そういった意味でも街のあちらこちらに美術館のポスターが見られるのは、とてもうれしい限り(自分だけうれしくても自己満足で終わってしまうのですが)です。

発送作業、かなり腕の力を使いますので、明日再び筋肉痛の恐怖がやって来るようです(笑)

「芭蕉 おくのほそ道」を読み始める

2008-02-04 21:03:46 | 読書感想
人間、転げ落ちるは極めて早し。然れども、危険が迫れば己を守ろうとするのも、また人間である。

今日は休日。自分を見つめ直す多少のゆとりを得たのは幸。このまま底へ転げ落ちるわけにはいかないと言い聞かせて、気持ちに踏ん張りを持たせる。

久しぶりに読書を始めた。「芭蕉 おくのほそ道」(岩波文庫)である。以前の館長が愛読していた本で、君もぜひ読むといいと薦められた。その頃の私は、芭蕉には全く興味がなく、そのまま返事だけしてなおざりにしていたが、何だかやけに読みたくなって手に取ってみた。

「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」
学生時代に暗記させられた序章だ。月日は旅人、過ぎ行く年もまた旅人。来たと思ったら、すぐに発つ。時間の流れは、最終的にどこを目指しているのかは知らないが、それを旅人に例える部分はある切なさを感じさせる。

読み始めたばかりなので、全体を通してのことはまだ書けない。けれども、序章だけでも十分に読む価値があるような気がする。「おくのほそ道」は東北が舞台となっており、私の知っている地名も数多く出てくるので、芭蕉や曾良とともに、本のなかでしばらく東北の旅を楽しもうと思う。

曖昧な日本の自分

2008-02-02 22:20:14 | 仕事
近頃、忙しさのなかで、自分はこれからどこへ行くのかな、とふと考えることがあります。具体的には「どこへ行く」、ではなく、「何をしようとしているのか」ということです。何だか毎日を曖昧に過ごしているような感がして。

少し気分が落ち込み気味なのかもしれないのですが、本を読む気力もなく、文章を書く力もなく、日々の生活にもなんだか張り合いがなくなってしまっています。このまま、ずるずると下がるわけには行かないと思いつつも、心身がもはや動かない状態です・・・。ただの自分に対する甘え?

何はともあれ、疲れ切った心身に鞭打って、明日も仕事です。答えは我にあり・・・か?