学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

民俗学と私

2010-08-09 20:41:17 | 読書感想
大学時代、私は「民俗学」の講義を受講していました。講義のなかで、先生から本を多く読むことを薦められましたが、特に柳田国男の『遠野物語』、宮本常一の『忘れられた日本人』の2冊は特に強く薦められました。さっそく購入して読んでみた私。あまりの面白さにあっという間に読み終えてしまいました。それまで民俗学についての関心はさほどなかったのですが、それからはこの学問に興味を持つようになりました。

講義では、夏休みの課題として、地元の「お盆」がどのように行われているのか調べてくるように指示を受けました。私は山形県の生まれですので、休み中に祖父母に聞いてみたんですね。

まず先祖の眠るお墓へ行き、ろうそくに火をともしておがむ。それから、火を提灯のなかに移し変えて、家に帰宅。仏壇のろうそくに火を移して、お盆中は火が消えないようにする。仏壇には瓜に4本の爪楊枝を差して、足をつくり、それを供える。(私の手元にあった本には茄子で作ると書いてあったので、祖父に聞いてみたところ、この地方では茄子は使わないとのこと)お盆中は親戚一同が集まって、仏壇の前でお餅などの食事をとる。お盆が終わりになると、送り火を焚く。およそ、そのようなことを聞きました。身内の、しかも簡単な調査ではありましたが、民俗学、というものを肌で触れた、そんな夏でした。

今日は書店で宮本常一の『民俗学の旅』を購入してきました。宮本常一の自叙伝というだけでなく、日本人とはかつてどう生きていて、これからどう生きるべきなのか、そうしたものも示唆してくれるような本です。これからまたじっくりと読んで見たいと思います。

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