学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

展覧会を立ち上げる仕事

2007-02-03 22:38:09 | Weblog
現在、4月からの展覧会準備に追われています。
本当は仕事に追われていてはだめなわけで、
仕事を追っていなくてはいけないのですが・・・。

学芸員の展覧会準備って具体的にどんなことをするの?と
いう方のために、ちょっと列挙してコメントしてみます。

・展覧会開催に伴う図録、ポスター、パンフレット、チケットの発注。
→当館では全て学芸員がデザイン・編集します。特に図録は曲者・・・。
 本の装丁、作品解説、論文、写真などを一番時間がかかります。
 しかし、大変な分だけ、出来上がったときの感激もひとしおです!

・キャプション、パネルの発注。
→両方とも学芸員の温かい手づくりです(笑)
 パネルに関しては、A3以上だと大体は業者へ発注します。

・看板の発注。
→美術館の外看板と展覧会会場の看板。
 目立つもので、且つ、上品になることを心がけてデザインします。

・展示プランの作成。
→展覧室をウロウロしてから、頭のなかでイメージを思い描き、
 プランを作成していきます。

・作品の額装。
→作品を額の中へ入れてゆく仕事です。当館の所蔵する作品は、
 保存箱に入れて保管してあるため、こうした仕事が出てきます。
 大変な作業ですが、とても大切な作品を守るためですからね。

・講演や講座の準備
→当館では予算がない(泣)ので、学芸員が講演や講座をします。
 むろんいつもではありませんけれども。
 日程調整や会場の予約はもちろん、講演に関しては
 知識だけではなく、話術も問われます。

・展示作業
→展示プランを基に作品を展示してゆくわけですが、
 実際に作品を置いてみると、思い描いてた通りにはいかないことも
 あるわけで・・・。学芸員同士が言い争いになることもあります(笑)

大まかには、こういったところでしょうか。
まだまだ細かい点を挙げればきりがありません。

展覧会を立ち上げたときは、達成感でいっぱいです。
それが学芸員という仕事の魅力の1つに挙げられるのではないでしょうか。

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