細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『セル*CELL』を見ると、使用中のスマホの電池切れも恐怖になってくる。

2017年01月28日 | Weblog

1月25日(水)13-00 築地<松竹本社3F試写室>

M-009『セル*CELL (2014) Benaroya Pictures / International Film Trust / 120dB Films / Cargo Entertainment

監督・トッド・ウィリアムズ 主演・ジョン・キューザック、サミュエル・L・ジャクソン <98分・シネマスコープ> 配給・プレシディオ

かつて<クロスオーバー・ジャンル>の摩訶不思議なB級ムービーが流行した時代があって、これは久しぶりに出現した奇怪なる<誇り高きB・ムービー>だろう。

もともと原作がスティーブン・キングなのだから、「キャリー」、「シャイニング」から「ミスト」などに展開する恐怖世界は、一種の超自然な怪奇現象がテーマなので、覚悟が必要だ。

場末の見窄らしい小さな映画館で、このテの映画を見るのは、あのクウェンティン・タランティーノ監督が、まだ学生時代にアルバイトしていた深夜映画館的なイメージが濃厚。

最近はメジャーな<立派な>映画が、爽快なシネコンで見れるので、かなり美しい仕立ての作品が主流になったが、おおおーーまだ、このテのB級怪奇映画が居残っていたのか、実に懐かしい。

しばらくぶりのジョン・キューザックも、中年の別居亭主で、久しぶりに妻のいるニューハンプシャーの田舎に行こうと、ボストンの空港で、ケータイ電話したがバッテリー切れでプツン。

映画の原名の<セル>は、個室とか、電池とか、いろいろな意味があるが、この作品ではケータイの電池切れが超現象のきっかけになっているので、<セルフォーン>というケータイのことらしい。

幸か不幸か、キューザックのケータイが電池切れで息子との通話がキレてしまい、彼は空港内の固定電話を探すのだが、そのときに<超現象>が起こり、周囲のケータイ中の多くの群衆が発狂。

凶暴になって人を殺したり、ロビーのテラスから飛び降りたり、とうとう、搭乗する筈のジャンボまでが勝手に離陸してエアポートの待合室に突っ込んで来る・・・というパニックになる。

大混乱の最中にも、キューザックは周囲の混乱と、ゾンビ化した群衆を避けて逃げ出して、とにかくトイレなどの安全なところに逃げ込むが、それでも発狂した群衆が押し寄せて来る。

まさに「ウォーキング・デッド」や「バイオハザード」のような地獄のなかを、どうにか地下鉄の構内に逃れて、そこで電車の車掌のサミュエル・J・ジャクソンと知り合い、一緒に逃げることになる。

あとはご存知の<地獄の逃避行>で、群衆化したゾンビの群衆がふたりを追いかけて来るので空車で目的地への恐怖のドライブ・・・という展開は、あああ、またも変態ゾンビ映画のパニック状況。

おそらくスティーブン・キングとしては、激増した<ケータイ人間>から、<スマホ・ゲーム>に興じる大衆のゾンビ化を皮肉った原作なのだろうが、ま、どうぞ、お好きな方はどうぞ。

 

■サードゴロを野手が暴投したが、返球でタッチアウト。 ★★☆☆

●2月17日より、TOHOシネマズ六本木ヒルズなどでロードショー 


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