細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ダウト/あるカトリック学校で』対立した教育と宗教の温度。

2009年01月20日 | Weblog
●1月19日(月)13-00 六本木<ディズニー試写室>
M-006 『ダウト/あるカトリック学校で』Doubt (2008) miramax
監督/ジョン・パトリック・シャンリィ 主演/メリル・ストリープ ★★★★
ケネディ大統領が暗殺された翌年の、ニューヨークにある教会。
併設されている小学校では、尼僧たちも教壇で学生指導している。
宗教と教育。慈悲の心と英知の頭脳教育は、微妙に対立する。
しかもアメリカが指導者を失って、混迷の時代にさしかかった頃。
黒人学生と神父との関係に疑問を抱いた女性校長のメリルは、フィリップ・シーモア・ホフマン演じる神父の行動にあらぬ偏見と疑惑を持つ。
映画はこのオスカー俳優の壮絶な論争を見つめて、久しぶりに緊迫した演技バトルを見せる。
ワイラーの『噂の二人』にも共通したテーマは、とくに宗教学校の場合、致命的な問題点となる。
「リーズナブル・ダウト」という、道理的な疑惑は、裁判では罪としては成立しない。
確証のない疑惑には、その個人的な倫理感が左右する。
この作品は、そこの誤差を鋭く抉った。古風だがパワーはある。

●3月上旬、日比谷シャンテシネなどでロードショー

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