細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『オデッサ・ファイル』は、ウクライナの軍港拠点だったが・・。

2022年03月27日 | Weblog
●3月26日(土)20-40 二子玉川<サンセット傑作座>
0V-022『オデッサ・ファイル』The Odessa File" (1974) Columbia Pictures. A John Woolf Productions. Sony Pictures Entertainment.
監督・ロナルド・ニーム 主演・ジョン・ボイト、マキシミリアン・シェル、マリア・シェル <129分・シネマスコープ>
いま紛争中のウクライナの南に位置する<オデッサ>は、ロシアの戦略的な攻撃拠点として位置されていたらしいので、ふと、この作品を再見してみた。
あの「ジャッカルの日」のフレデリック・フォーサイスのベストセラー小説の映画化で、70年代当時には注目されていた、一種のスパイものなのだが・・・。
しかしいまロシアの狙うオデッサは、地中海に繋がる大きな港町で、地中海への貿易拠点ではあるものの、ここでは問題の港ではなく、ただのスパイ暗号だった。
あの「ブラジルから来た少年」もそうだったが、第二次大戦のあと、ナチスの高官たちは、戦争犯罪での裁判と処刑を逃れるために、南米などに亡命逃走した。
この作品では<オデッサ>は、戦渦の拠点となる筈だった、その港町ではなく、元ナチSS隊員たちの秘密組織が、いまも地下では現存しているらしい情報が流れたのだ。
ルポ・ライターとしてウクライナにいたジョン・ボイトが、まるで私立探偵のように、その拠点を追求していく、というスパイ・サスペンスで、ここでは単独捜査となる。
残念ながら、その<オデッサ>という港町を描くわけではなくて、ドイツのナチス戦犯への、復讐のために奔走する展開は、「ロシアハウス」なども思いおこされる。
太平洋戦争のテーマを多く映画化した時代と同様に、この作品も「寒い国から帰ったスパイ」のように、いま混戦を続けているウクライナの悲惨を悼むばかりだ。
あの名作「居酒屋」などの名女優マリア・シェルが、弟がナチスの高官を演じている関係か、ちらりと顔を出していたのも、ああ、懐かしい時代。

■左中間に上がった高いフライだが、結局はセカンドが捕球。 ★★★☆
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