細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●「ライフ・イズ・ミラクル」の失恋したロバ。

2005年04月18日 | Weblog
●4月18日(月)13-00 六本木<GAGA試写室>
M-055 「ライフ・イズ・ミラクル」Life is a Miracle (2004) セルビア=モンテネグロ
監督・エミール・クストリッツァ 主演・スラブコ・スティマチ ★★★☆☆
『アンダーグラウンド」「アリゾナ・ドリーム」などの鬼才クストリッツァの新作。
独特のブラック・ユーモア感覚溢れる映像は相変わらずだが、1992年のボスニアで国境のトンネル工事をしていたセルビア人家族が、突然の戦渦に巻き込まれる混乱をスピーディに戯画化しているので、154分の長尺は疲れた。
隣国同士で恋が芽生えるが、戦争のために別れなくてはならない。
ところが、なぜか失恋したロバが目に涙を浮かべて、線路に立ちはだかって動かない。この頑固なロバが、セルビア人の心情をシンボライズしていて笑わせる。犬や猫や熊までがドラマをユーモラスに彩っている。
バカな人間たちばかりがバカな戦争で殺し合いをしているのを、ロバのバカ笑いが谷間に響く。
不思議で皮肉な反戦コメディーだが、今回は監督のイメージが空転していた。

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