河童アオミドロの断捨離世界図鑑

河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

八田二郎、13歳の夏

2010年07月25日 | 青の妖精と夏への扉
あれは13歳の夏の日だった
西伊豆の海で資生堂のサンオイルを塗って背中を焼いていた僕は
背中の中から燃えるような熱さと
皮膚が割れるような痛みを感じた
例えるならセミが脱皮する時のような気持ちだ
何か違う生物に生まれ変わるような内部衝動というのか
体の中に電流が走ったような感覚だった

13歳の子どもというのはだいたいそんなもんだ

「おい、背中にヒビが入ってるぞーーー」

隣に居た、同級生の笹岡迦陵頻(ササオカカリョウビン)が叫んでいた
僕は寝返りをうち、目の前の視野が真っ青な空だけになったと同時に
かちゃりん、という背中から何かがはずれた音を聞いた

「空を見てると、すべてから開放された気がするよ」

と言おうとしたとたん、目の前がブラックアウトし

そして僕は意識を失った


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