河童アオミドロの断捨離世界図鑑

河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

ガンジスへの道

2016年02月10日 | ZIZY STARDUST
その頃、八田四郎は、三途の川でまだ立ち止まっていた。

「ねえ、番人さん、地獄への道は3方向しか無いんかなあ」

「あっ、真上に見えるマンホールからはバラナスの路地に出られるよ。
ガンジス川のほとりだから、あそこまで行けば天国に行けるかもしれん
でも、天国に行けるのは心と体の軽い羽根のような人々だけだがな」

「じゃあ、なんで、みんな天国に行けないんだい?」

「握りしめている六文銭の重さで空を飛べないんだよ
六文銭さえあれば、とりあえず地獄でもそれなりに普通に暮らせるからなあ
完璧な幸福や理想や永遠の平和とか、そんなものは多くの人間にとって
さほど必要無いんだよ」

「わかる、わかるよ。時々災害があって、戦争があって、原子炉が爆発して、
人が死んで、また頑張るほうが、神様としても見てて面白いだろうしね。
わても、地獄行でええわ。そのかわりひとつお願いがある。
わての骨はアダマンチウム合金だから、ホームセンターで高く売れる。
そのお金を番人さんにあげるから、わての目玉だけを無縁仏の墓のほうに
投げ込んでくれないか、お願いするよ」

「わかった、意味不明だが、今後の展開が見えそうな気もするよ。
気をつけてな」


ルテインとアントシアニンを充分に補給した、四郎の目玉は、希望に輝いていた。
来世では、ブルーベリー農家になるのだと、ひそかに決意していた。

海からカッパ淵へ

2016年02月10日 | ZIZY STARDUST
「八田二郎さん、遅かったじゃないですか
えっ、おまえ、八田さんじゃないな、カッパじゃないか」

「い、いえ、カッパと入れ替わっただけですわ。
中身は八田二郎のままですさかい」

「どうして、カッパになってしまったんだ。新手の所得税隠しか」

「いえね、頭蓋骨の中の海が大きくなって、
とうとう遠野のカッパ渕とつながったみたいなんですよ。
おかげで、来週あたりから九州大学の実験室送りになるかもしれんのですわ
『水力による瞬間空間移動』とかの献体として解剖されるかもしれん
入院とかになったら、若い看護婦さんとウハウハですわ
下の世話とかしてくれますかね」

「単なる外科手術なら日帰りじゃないのか、献体なら納骨してくれるし」


医者の意見は十人十色だ、そもそも10人いれば、そのうちの1人は必ずアホだ。
他の1人が天才的な場合もある。世の中の仕組みはそんなものだ。