河童アオミドロの断捨離世界図鑑

河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

関空の親切な人々(長っ)

2010年08月27日 | 青の妖精と夏への扉
体重が10キロくらい減って深夜に関空に戻ってきた
この日の最終便なのかほとんど人がいない

検疫を素通りしようとしたところ

「インド、ネパール、タイですか、えらく顔色が悪いですね
念のため問診と検便だけお願いします」

関空の人は親切である、無料で診察をしてくれるというのか
別室に連れていかれた

「一応結果が出るまで自宅から出ないでください
それと立ち寄った先はすべて記録しておいてください
場合によっては消毒に周ることになりますから」

急がないと終電までもう時間が無い
深夜とあって税関もガラ空きだった

「インド、ネパール、タイですか、お仕事ですか」

「い、いえ、か、か、観光です」

「えらく荷物が少ないですね、中を拝見してもよろしいですか」

「いや、は、は、はい」

「この白い粉は何ですか」

「コ、コ、コココナッツパウダー、カレー用の」

「この固いものは何ですか」

「ポ、ポ、ポル、ポールモーリアサウンドの映画のビデオ、いやDVD、いやCD-Rかも」

「全部ラベルが貼ってありませんね一応再生してみてよろしいですか
輸入禁止品でなければお返しします」

関空の人は親切である、無料でDVDのエラーチェックをしてくれるらしい
健康に気を使ってくれたのか親切に両側に係員がついてくれて
奥の事務所に連れていかれた

事務所の人々全員の顔がこわばった

「みんな悪いけど残業してくれよ、DVD50枚だから早送りで5時間かな、5人要るな」

げっ親切なことに全部エラーチェックするのか

「顔色がお悪いですけど、念のため持ってらっしゃる薬を全部出してください
あと靴脱いでください、ポケットの中身も全部出してください
タイで他人から何か受け取りましたか?」

「友人から、コ、コカ、コカコーラを貰いました
疲れてヘロ、ヘロヘロだったので」

「滑舌がお悪いようですけど、インドで銀紙に包んだものとか買ってませんか?」

「マ、マリ、マリ花、マリーゴールドの花束を買いました
か、か、滑舌が悪いのは元からです」

「インド、ネパール、タイ・・・何しに行かれたんですか
このシーズンオフの時期にお一人で」

「世界遺産の写真撮影です、わ、私、プロのフリーランスのホトグラファーですから」

「この安物の小さいカメラ1台でですか?普通なら一眼レフでしょ
交換レンズも入ってないし、今の時期、東南アジアは雨季でしょ」

「おい、リコーのデジカメをバカにする気か
僕は自分を救う旅に出たんだ、自分探しのね
僕達はなぜ生きてるんだ、答えを知りたいんだ」

「社員証とか身分証はお持ちですか」

「いえ無職、無収入です、いや、ホトグラハーです」

「じゃ、検品が終わるまで、取調べ室でお待ちください
腹空いたでしょ、カツ丼でもとりますか」

親切なことに夜食までとってくれるのである
冗談と思っていたが、テレビドラマと同じで
カツ丼を食べさせてくれるのである
長年の習慣なのか、演出なのだろうか

「おい、カツ丼なんかでごまかすなよな、まだ答えを聞いてないぞ

1.人間はなぜ生きているのですか
2.みんなが幸福になるためにはどうしたらいいですか
3.自分を救うためにはどうしたらいいですか

どうなんだ、早く答えろ」

「そんな事聞かれてもなあ
もう世界は始まってしまっているんだよ
世界は動いてしまってるんだよ
私は明日の朝9時にタイムカードを押さないといけない
終電が終わったら電車は来ない
息子はまだ大学3年だし
妻はスーパーのレジ打ちをやってる
君が言ってる質問の答えを
みんな考えてるヒマは無いんだよ
まったく、救いようの無い人だなあ
インドにもネパールにもタイにも答えは無かったんだろ
というか質問自体が間違ってるんじゃないのか」


海に反射する朝日が元旦の日の出のようにまぶしかった
インドでもネパールでもタイでも関空でも人々はみんなやさしかった
そして、世界は美しかった

デリーの親切な人々(長っ)

2010年08月27日 | 青の妖精と夏への扉
「じゃあ俺はここで待っててやるよ、旅行社はこの奥だよ」

リクシャーの運転手は親切なことに待っててくれるという

入り口には数人の若者が居た

「マイフレンド!あなたの時計をゆずってくれないか
僕は大学生なんだけど、時計が壊れてしまったんだ
妹が大阪に居るから妹がお金を払う」

なんと、この安物のスウォッチの腕時計が欲しいのだという
しかも後でお金をくれるらしい

「時計を君にあげるよ。妹はどこに住んでるの?」

「大阪の京都大学だよ、妹はジャパニーズの医者と結婚した。日本での名前はリン・スンギョクだよ、メモを渡しておくよ」

うーん日本ではめずらしい名前だ、インドの文字読めんし


「タージマハルまで鉄道で行きたいのですが」

旅行社の社長はとてもうれしそうだった。日本人は人気があるのだろう

「鉄道は予約で満員だ、チャーターの車はどうか、運転手付きでホテルも手配するよ」

なんと親切な人なのだろう一人の日本人に車まで用意してくれるというのか

「特別サービスだ2万円(日本円換算)でいいよ」

えっチャーターの車とホテルで2万円、なんという安さなのか

「前払いで払ってくれ、このバウチャーを明日の朝、ホテルに来た運転手に見せろ」

「金払ったら早く出て行け、用は無いだろ」

なんか急に態度が変わってきたが、きっと忙しいのだろう


外では運転手が暑い中をちゃんと待っていてくれた

「さっき、入り口の男と話していたろう、あいつらは学生じゃないぜ
旅行者をだまして金や物を取りやがるんだ、気をつけろよ」

えっ僕はだまされていたのか

「じゃ、ホテルまで送っていってやるよ、途中ちょっと観光案内もしてやるよ
君はフレンドだから、ノープロブレムだ」

リクシャーはコンノート広場を抜けインド門を通りホテルから離れた場所に止まった

「ホテルの中まで行ってくれていいよ」

「いや、俺達は中には入れない、ここで金を払え2000円だ」

「じゃ1000ルピー払うよ」

運転手はなぜかとても驚いた顔をしていた

「ちょっと待て、500ルピー返してやるよ、じゃあな」

なんと親切な運転手なのだろう半額にまけてくれたのだ


ルピーが無くなってしまったのでホテルで両替しようと思った

「うちのホテルでは円の両替ができない
ちょうど、この人が家まで帰るから一緒にリクシャーに乗って
途中で銀行で降ろしてもらえよ」

僕はその親切そうな男性と一緒にリクシャーに乗った
またコンノート広場まで行き銀行の前で降りた
その男性も親切なことに

「一緒に窓口に行って両替してあげよう、やり方がわからないだろう」

と言って降りてくれた
リクシャーに20ルピー払ってくれた

まてよ、最初のリクシャーって往復して1000ルピーだったよな

しばらく、その人と銀行のロビーで片言の英語で話した

「今日は鉄道の予約は休みですか」

「いや開いてるよ、外国人専用窓口だと空いてるし、今はシーズンオフだから
列車もあると思うよ、アグラまでなら安いしね、駅まで案内しようか」

「い、いや、いいです
それより何かお礼を、さっきのリクシャー代と100ルピーでいいですか」

「ノープロブレムだ、俺の家はすぐそばだからね
それに日本は好きだからね、君はフレンドだ
俺の写真撮ってくれよ」

インド人はみんな日本人には親切だ
インド人はみんな日本人がフレンドですべてはノープロブレムらしい
欧米人や中国人は文句を言うからきらいだという
間違いない、会ったインド人全員がそう言っていたのだから

明日の朝、チャーターした車は本当に来るのだろうか・・・