河童アオミドロの断捨離世界図鑑

河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

とし子のおかゆ

2009年11月14日 | Next Time/Next Place
「おじいさん、おかゆができましたよ」

「いつも、苦労をかけてすまないねえ
ところで、いつも入っているこの真っ赤なキノコはなんだい」

「それは、エノキですよ、裏山で採ってきました」

「最近、どんどん体の具合が悪くなってる気がするんじゃが
どうしたんかなあ」

「おかゆをもっと食べないからですよ
そのハサミの手じゃ自分で食べられないでしょ
ほら、もっと食べてくださいね、でないと・・・」

おじいさんと孫の幸福な食卓であった

プリペイドモバイル

2009年11月14日 | Next Time/Next Place
時間制のプリペイド通信は、期限が切れると通信できなくなる
通信を続けるにはサイトから料金を追加チャージしないといけないが

ちょっとまてよ

サイトに接続するには、その時通信できないといけないわけで
期限切れで接続できなかったら、どうするのか
銀行かコンビニまで行って現金を振込みか

説明書をよく読まないと・・・

おじいちゃんのシザーハンズ

2009年11月14日 | Next Time/Next Place
一週間前からの雨はまだ降り止まなかった。
裏山のタマゴベニテングタケは雨を受けぐんぐん成長していた。

「11月というのによく降るなあ、梅雨みたいだ
とし子ちゃん、窓を閉めて、エアコン入れて、お茶入れて、そこの新聞取ってくれ」

「おじいちゃん、昔は梅雨って何月だったの?」

「そうだなあ、2010年頃は梅雨は7月頃だったかな
2012年の最後の審判の日から、世界はすっかり変わってしまったんじゃ」

「2012年に何があったの?」

「そうか、とし子はまだ生まれてなかったんじゃなあ
アメリカが8月6日と9日に核爆弾で消滅して、それからは猿が世界を支配した・・・」

「それ、SF映画じゃないの?」

「すまんすまん、最近は歳のせいか、現実と妄想の区別が付かんのじゃて」

「アメリカが消滅して、世界中を死の灰が覆った。
世界中の人間が病気になり、生まれてくる子どもも影響を受けた。
おまえのおばあちゃんはそれで病気になり死んでしまった
体中がガンになって、病院で体中切り刻まれて死んでいったんじゃよ」

「へえ、初めて聞く話だね」

「おばあちゃんは、最後にお医者さんに言った

もう、これ以上私を切り刻まないでください・・・

でもね、その目は真っ直ぐわしのほうを見ていたんじゃ」


「その時、わしは、はっと気づいたんじゃ
おばあちゃんの心を切り刻んでいたのは、わしだってね
わしは、毎朝の新聞の切り抜きをするみたいに、おばあちゃんを
自分の好きなように切り抜いていたんじゃな
おばあちゃんが死ぬ時まで気が付かなんだ」

「人はみな、手にハサミを持っておるんじゃよ
相手を強く抱きしめれば、キズだらけにしてしまう
その手を自分に向ければ自分が死んでしまう」

「それでわしは自分への戒めとして、腕を本物のハサミにしたんじゃ
せめて、痛みがわかる人間になりたかったんじゃよ」

「それで不便じゃないの?」

「とし子がいてくれるから大丈夫だよ
しかし、とし子、腕が4本あるって便利じゃなあ」

「クラスの子はたいてい腕が4本あるわよ
この頃じゃ6本の子もいるんだから」

「それじゃ、まるで本物のスパイダーマンじゃないか」

「わはは、わっはっはーーー」

降り続く雨の中に明るい笑い声が響いた。
梅雨明けも近い蒸し暑い11月の午後であった。