だんだん歳を取ってくると記憶力が落ちてくる。とてつもなく古いことはよく覚えていて大学受験してから40年以上経過するのに『南都六宗(ちなみに『なんとりくしゅう』と読む)の宗派の名前』や『奈良七代の天皇の名前』などちゃんと今でも覚えている。しかし、昨日設定したパスワードが思い出せないのである。
少し前に起きた2つの事象をお話ししたい。一つ目は『特別定額給付金』の申請である。鳴り物入りで決定した制度だが、申請方法は2つ、①郵送で来たものを送り返す、②電子申請、である。給付金の申請は全国的には5月1日、杉並区は遅れて5月11日から始まった。しかし、せっかくマイナンバーカードを持っているのだからとアプリを入れてスマホで5月17日に申請をしてみた。かかった時間は20分ほど、こちらのパスワードは何とか覚えていた。 話はそれるが、マイナンバーカードほど使い勝手の悪いものはそうない。1枚のカードに色々なものを載せたのが敗因だが、パスワードが4種類もあるカードなんてありえない。しかも『利用者証明用パスワード』『券面事項入力補助用パスワード』『住民基本台帳用パスワード』『署名用パスワード』の4つ。最初の3つは4桁数字だが、署名用パスワードは数字と英字を混在させた6〜16桁のパスワードで最低2つのパスワードを覚えておく必要がある。
ちゃんとパスワードをしっかり記憶していたおかげで5月28日には妻のと2人分20万円が振り込まれたのである。わずか11日間しかかからなかったということになる。特別定額給付金は中々届かないという報道が多い中、ちゃんと手続きさえ取れば実際には大丈夫であったのである。因みに郵送の手続き書類を受け取ったのは6月2日である しかし、パスワードにまつわる話はいいことばかりではない。妻の携帯電話を新しい機種に変えようとした際に思い出せないのはパスワード。
まずはネットワークパスワード、次いでLINEのパスワード、Gmailのパスワード、いずれも自分のパスワードはしっかり覚えているのだが、妻の携帯電話(ただ、名義は私)のパスワードがどうしても思い出せない。使っていそうな言葉と数字を探し出して順列組み合わせで並べた数が60以上、これが全く当たらない。さらにこの作業に気を取られ、LINEのトーク引き継ぎのために必要なバックアップを失念してしまい、妻からは怒られてひどい目にあった。 そこで私自体がパスワードを一体どのくらい使っているのかが気になって一覧表に書き出してみた。すると驚いたことに53ものパスワードを使っていたのである。これにはログが必要なものもあり、これからますます歳を重ねていくのにやはりパスワードのアプリでも入れて管理する必要がある。もちろん、その場合もマスターパスワードは覚えなくてはならないのだが。これから物覚えが悪くなっても大丈夫なのか、正直言って不安しかない。