その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

忘れ音

2007年11月23日 | Weblog

 

忘れ音

 

***

 

部屋に入ってきたきみが

 

いま玄関で

 

虫が鳴いていたよ

 

こんな寒くなっても鳴いているんだね

 

寒いって鳴いたのかなぁあ

 

お腹空いたって鳴いたのかなあ

 

寂しいって鳴いたのかなあ

 

そうね~

 

どれも当たっているかもね

・・・・

***

 

最後の一匹

季節を過ぎて鳴く虫の音のことを

忘れ音といいます

「きりぎりす 忘れ音に啼く 火燵哉(こたつかな)」 芭蕉

昔は 蟋蟀(コオロギ)のことを螽蟖(きりぎりす)

螽蟖のことは 機織(はたおり)と呼びました

そして

鳴く虫の総称として

きりぎりすといっていたようです

蟋蟀も螽蟖も

語源は鳴き声からだといわれますが

忘れ音になると

「コロコロ」とか「キリキリ」とは聞こえません

「ヒョロヒョロ・・」と か細く 弱弱しく 悲しげです

わたくしたちは

見送り 見送られながら

果てしない命の営みを続けてきました

この忘れ音の主が

最後の一匹だとしたら

その寂しさは はかりしれません

人の生命の営みに

心から感謝したい気持ちです

本日の写真はイメージのみです

 

 

 

 


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6 コメント

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そういえば・・・ (青い森から)
2007-11-23 16:18:39
こんにちは

晩秋といいながら、いつの日にか虫の声は聞こえなくなっていました。
勿論今は、冬、雪の中ですから鳴き声が聞こえるはずもなく!

ただ、何年か前のこと、秋も深まる頃、いつまでトンボが見れるかなんて・・・考えてた事があり、探し続けて・・・
「エ~っまだ生きている!・・今日も見つけた!・・こんな寒い日もまだ!大丈夫」ってな感じです。

昆虫は、その身が終わりに近づく頃、体がぼろぼろになってますよね。人生の縮図を見るような~!
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わすれおと? (乙女座)
2007-11-23 16:39:14
わすれおと?
わすれね?
どちらの呼び方が本当かしら?
虫の声だと「わすれね」かしらね。
でも、「わすれおと」と読んだ方が趣があるみたい。

石段にしばし佇み忘れ音
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こんばんは! (裕華)
2007-11-23 23:45:56
「忘れ音」も、初めて聞いた言葉デス。
最近、日本語って世界で一番表現力のあるコトバなのでは?と思うようになりました。
漫画でも、海外向けの翻訳などで擬音を訳すのに苦労するとか。
きっと四季や豊かな自然に囲まれていることと、無関係ではないのでしょうネ。
いつも勉強させて頂きありがとうございマス。
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青い森から・・さん (ぱふぱふ)
2007-11-24 07:25:55
町の中ですと・・青森に比べると随分気温も高いから・・
まだ時折・・虫の音を聞くことがあります。

トンボ・・そうそう~~赤とんぼを昨日見ました
かなり動きが悪いけれど・・
高い木のてっぺんに止まっていました。
少しでも太陽に近づくために~~(笑)
カメラ向けたら飛んでいってしまいました。
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乙女座さん・・ (ぱふぱふ)
2007-11-24 07:29:02
忘れ音・・わすれねですね・・
確かにものによっては・・ワスレオトも・・いいかも~(笑)

日本語の奥深さですね・・。
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裕華さん・・ (ぱふぱふ)
2007-11-24 07:35:23
>日本語って世界で一番表現力のあるコトバ・・
そうです・・日本人よりも海外で・・日本語熱があるのは
表現の幅が広いこと、微妙は違いを表現できる言葉は
日本語だけだそうです・・・又色についての日本語の
表現方法も同じように世界的に数が多いそうです。

もっともっと・・日本語を大切にしたいですね・・

漫画の・・擬音・・これには気持ちが、
その人の感情が入っているから・・・・
表現は更に難しいでしょうね・・

同じ「ガーン」でも・・衝撃のガーンなのか、音だけなのか
どれだけその文字の中に含まれているかで
変わってしまいますから~(笑)

そういう意味合いで・・日本語の感情の機微を
言葉で表せる文化はすばらしいのですね。
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