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中指
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１７日のアップ予定が２週間遅れのアップです
大人の童話 第９回
百貨店に用事があって
街に出かけた
寒い・・日差しは春でもさむい
マフラーが風に翻るほど
風の強い日だった
ずっと以前に出会った
占い師がいる路地の前を通りかかった
その時のことを思い出した
そして
占い通り素敵なことが起きた
どこか心の隅で
また出会って
素敵なこと起きないかなと
願っている自分が恥ずかしかった
でも今日は
出てこないし声もかけられない
だよねぇ～～そうそうあるわけないか
そして目的の仕事も終えて
本屋に立ち寄ろうと
少し遠回りした
街の角を曲がると
花飾りにある派手な帽子の人に
呼び止められた
いきなり・・
「占なってあげようかぁあ～」
え？思わず顔を見直した
なんと先日会った占い師だった
「先日はありがとう」
「占い通り素敵な出会いがありました」
「今日も占っていただけるんですか？」
「でもお金持ってないし・・」
そうそう素敵なことも続かないだろうしと
やんわり断わって通り過ぎようとする
背中越しに
「中指を噛んだときから良いことが始まるよ」
えぇえ・・また良いこと
ありがとう
世のなかそうそす甘いものではないし・・
気持ちだけは感謝しておきますと
心の中で呟いて
バス停でバスを待った
バス停にはだれもいなかった
バスは出たところだった
仕方なくタクシー乗り場へ歩くと
目の前に財布が落ちている
拾おうとして思わず
あっと気がついた
手袋をはずそうと中指を噛んでひっぱていた
財布を拾い近くの交番へ
住所氏名を書いて帰った数日後
落とし主が訪ねてこられて
お礼ですと手土産
これも中指噛んだからでしょうか・・？
占いがまた当たったんだよねこれって
次に街で占い師に出会うと
今度は不幸が来るって言われそうで怖いね
だって世の中
良いことは続かないでしょう
だから・・気になるから
絶対忘れていよう
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良いことに感謝しても悪いことには避けたい
そう思いませんか・・（爆）
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