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魔法瓶
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魔法瓶という名前は
すごく夢があって好きです
アラジンの魔法のランプのように
きっとすごい力があると
信じていた
ちっちゃなころは本当に
魔法瓶の中には
どんな魔法が詰まってるのだろうと思った
運動会の時
冷たいお茶を飲んでから走ると
かけっこは一等賞になれる
そういわれて
飲んで走ったら
自分でも驚くほど早く走れたが・・・
スローモーションで
テープを切る瞬間
転んでしまった
母が言った
魔法の調子が悪かったねと
母が大事にしていた
魔法瓶も
今もあるけれど
もうずいぶん使っていない
大きな願い事がある時
使ってみたくなる
でもこの魔法瓶は
母が言わないと
効き目がないらしい
もうその母もいない
だから大切にしまってある
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今日の写真は
形が違うけれど
同じように母が好きだったもの
いまだ健在で冷たい水を入れています