◎ギリシャ神話 4
★美と愛の女神アプロディテの誕生
「さて彼(クロノス)が父の陰部を鋼鉄(鎌)で刈り取って
陸地から 大波うねる海原へと投げ棄てるや
それは久しい間 海原の面に漂うていた そのまわりに
白い泡が不死の肉(ししむら)から湧き立ち そのなかで ひとりの乙女が
生い立った。まずはじめに乙女は いとも聖いキュテラに進まれ
そこから四面を海の繞(めぐ)るキュプロスに着かれた。
畏(かしこ)く美しい女神が陸に上りたまえば そのまわりに
柔草(にこくさ)が萌え出るのであった 優しい足もとで。彼女をアプロディテ と」
(「神統記」)
・クロノスが投げ棄てたウラノスの性器は、海に落ちて長い間海面を漂っていたが、肉塊のまわりに白い泡「アプロス」が集まって、そのなかから1人の乙女が生まれ育った
・泡から生まれたこの美しい女神はアプロディテと呼ばれた
・アプロディテは「西風の神」ゼピュロスが吹きかける息にのって、まずペロポネソス半島の南にあるキュテラ島に漂着した
・ここからアプロディテの別称として、「キュテレイア」とも呼ばれている
・その後、ゼピュロスの風にのって、さらに東へ運ばれていき、キュプロス島へたどり着いた
・アプロディテが海岸に上陸すると、彼女が踏みしめた足元の地面から、柔らかい若草が芽生えはじめ、草花が咲き乱れていった
・アプロディテは美と愛の女神であり、また豊穣の女神である
・ホーラ(季節の神)たちがアプロディテを出迎えて、まず、魅惑的な裸身の彼女に、春の花がたくさん縫い取りされた衣をつけた
頭には黄金の冠をつけ、耳たぶには黄金製の花を飾り、うなじと胸の周囲には黄金の首飾りを巻きつけ、飾りつけた
・そして、ホーラたちはアプロディテを天上の神々のもとへ案内する
・エロスはアプロディテに付き添ってゆき、アプロディテを母のように慕う
エロスはローマ神話のクピド(英語名 キューピッド)と同一視される
キューピッドが目隠しをして矢を放つ表現をされるのは、「愛は盲目」恋をすると人は正常な判断ができなくなるという意味と、罪へと墜ちる愛の暗黒を示すとされる
キューピッドは当初は成人であったが、時代が下るとともに、少年から幼児へとその姿を変えていった
・ヒメロス(欲望の神)もお供して天上に向かう
・男神たちは皆アプロディテに恋してしまった
★アプロディテはローマ神話におけるウェヌス(英語名 ヴィーナス)と同一視される
★キプロス共和国のペトラ・トゥ・ロミウ海岸は「アプロディテ生誕の地」として観光客を集めている
・紀元前1200年頃、旧パフォス市にアプロディテ神殿が建設され、オリエント風の中庭のある建物の中庭には、アプロディテの御神体として黒い球形の石(クークリアの博物館に展示されている)が安置されていた
現在は廃墟になっている
紀元前320年頃、現在のパフォス市のある場所に新パフォスが建設された
パフォスは現在、世界遺産(文化遺産)になっている
★イタリア ルネサンスの画家サンドロ・ボッティチェッリの絵画「ヴィーナスの誕生」(フィレンツェのウフィッツィ美術館蔵)
・1485年頃、メディチ家の一人のために制作されたとされる
・絵の左端にいるのは、ゼピュロス(西風の神)とクロリス(妖精)である
妖精クロリスはローマ神話の花の女神フローラと同一視される
フローラは春の訪れをつげる女神
ゼピュロスは強く息を吹き、クロリスは柔らかく吹き、ヴィーナス(アプロディテ)をキュプロス島へ運ぶ
クロリスはバラの花をまきちらしている
中央のヴィーナスの左にいる二人は天使に似ている
ヴィーナスの右側にいるのは、赤い衣を手にして、キュプロス島の海岸につくヴィーナスを迎え入れる季節の女神(春の女神)ホーラ
・「ヴィーナスの誕生」は「再生」への希望を象徴しているとも言える
★美と愛の女神アプロディテの誕生
「さて彼(クロノス)が父の陰部を鋼鉄(鎌)で刈り取って
陸地から 大波うねる海原へと投げ棄てるや
それは久しい間 海原の面に漂うていた そのまわりに
白い泡が不死の肉(ししむら)から湧き立ち そのなかで ひとりの乙女が
生い立った。まずはじめに乙女は いとも聖いキュテラに進まれ
そこから四面を海の繞(めぐ)るキュプロスに着かれた。
畏(かしこ)く美しい女神が陸に上りたまえば そのまわりに
柔草(にこくさ)が萌え出るのであった 優しい足もとで。彼女をアプロディテ と」
(「神統記」)
・クロノスが投げ棄てたウラノスの性器は、海に落ちて長い間海面を漂っていたが、肉塊のまわりに白い泡「アプロス」が集まって、そのなかから1人の乙女が生まれ育った
・泡から生まれたこの美しい女神はアプロディテと呼ばれた
・アプロディテは「西風の神」ゼピュロスが吹きかける息にのって、まずペロポネソス半島の南にあるキュテラ島に漂着した
・ここからアプロディテの別称として、「キュテレイア」とも呼ばれている
・その後、ゼピュロスの風にのって、さらに東へ運ばれていき、キュプロス島へたどり着いた
・アプロディテが海岸に上陸すると、彼女が踏みしめた足元の地面から、柔らかい若草が芽生えはじめ、草花が咲き乱れていった
・アプロディテは美と愛の女神であり、また豊穣の女神である
・ホーラ(季節の神)たちがアプロディテを出迎えて、まず、魅惑的な裸身の彼女に、春の花がたくさん縫い取りされた衣をつけた
頭には黄金の冠をつけ、耳たぶには黄金製の花を飾り、うなじと胸の周囲には黄金の首飾りを巻きつけ、飾りつけた
・そして、ホーラたちはアプロディテを天上の神々のもとへ案内する
・エロスはアプロディテに付き添ってゆき、アプロディテを母のように慕う
エロスはローマ神話のクピド(英語名 キューピッド)と同一視される
キューピッドが目隠しをして矢を放つ表現をされるのは、「愛は盲目」恋をすると人は正常な判断ができなくなるという意味と、罪へと墜ちる愛の暗黒を示すとされる
キューピッドは当初は成人であったが、時代が下るとともに、少年から幼児へとその姿を変えていった
・ヒメロス(欲望の神)もお供して天上に向かう
・男神たちは皆アプロディテに恋してしまった
★アプロディテはローマ神話におけるウェヌス(英語名 ヴィーナス)と同一視される
★キプロス共和国のペトラ・トゥ・ロミウ海岸は「アプロディテ生誕の地」として観光客を集めている
・紀元前1200年頃、旧パフォス市にアプロディテ神殿が建設され、オリエント風の中庭のある建物の中庭には、アプロディテの御神体として黒い球形の石(クークリアの博物館に展示されている)が安置されていた
現在は廃墟になっている
紀元前320年頃、現在のパフォス市のある場所に新パフォスが建設された
パフォスは現在、世界遺産(文化遺産)になっている
★イタリア ルネサンスの画家サンドロ・ボッティチェッリの絵画「ヴィーナスの誕生」(フィレンツェのウフィッツィ美術館蔵)
・1485年頃、メディチ家の一人のために制作されたとされる
・絵の左端にいるのは、ゼピュロス(西風の神)とクロリス(妖精)である
妖精クロリスはローマ神話の花の女神フローラと同一視される
フローラは春の訪れをつげる女神
ゼピュロスは強く息を吹き、クロリスは柔らかく吹き、ヴィーナス(アプロディテ)をキュプロス島へ運ぶ
クロリスはバラの花をまきちらしている
中央のヴィーナスの左にいる二人は天使に似ている
ヴィーナスの右側にいるのは、赤い衣を手にして、キュプロス島の海岸につくヴィーナスを迎え入れる季節の女神(春の女神)ホーラ
・「ヴィーナスの誕生」は「再生」への希望を象徴しているとも言える