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◎イスラーム 25 アラビア科学 数学 1

2016-01-12 23:09:09 | アラビア科学
イスラーム 25 アラビア科学 数学 1

アラビア科学 数学 1

・おもに「非ヨーロッパ起源の数学」(ジョージ・G・ジョーゼフ、講談社)によります


インド・アラビア数字

○アラビア数字の便利さ
 ローマ数字などでは、10とか100とか大きい数を表すのに、次々と新しい記号が必要になる

○インド記数法
 1から9までの9つの記号(インド数字)とゼロ(0)の記号(アラビア語でシフルと呼ばれる)による位取り記数法によって、どんな大きな数でも表わすことができる
 インドのゼロ記号は、今の0のような丸ではなく、点(・)であった

○インド数字がアラビアへ入ったいきさつ
・8世紀後半、アッバース朝の第2代カリフ アル・マンスールの宮廷を訪れた北インドの外交使節団のメンバーだったカンカフという天文学者が、「スールヤ・シッダーンタ」や「ブラフマースプタ・シッダーンタ」という天文書を紹介した時だという
 アル・マンスールはこれをアラビア語に訳すことを命じ、天文学者アル・ファザーリが翻訳し「シンドヒンド」と呼ぶようになった天文書が生まれた

・また、イブン・スィーナー(980~1037頃)によると、イブン・スィーナーが10歳くらいの頃、出生地のブハラにエジプトからイスラームの布教団が訪れて、そのメンバーから「インドの計算」を学んだことになっている

○インド数字の形は年代や場所によって変わっている
 インド数字が西欧に入ったのは12世紀以後のようであり、アラビア数字と呼ばれるようになった

 アラビア数字の形も変化している
 西アラビア数字(グバール数字)と東アラビア数字の2種類の数字があって、西アラビア数字が変化していって現代の形になったようである
 15世紀の数学書になるとアラビア数字は現代の形になっている

 ローマ数字がアラビア数字に代わるまでには幾多の曲折があった
 その理由の1つは、アラビア数字はローマ数字に比べて改ざんされやすい(0を終わりにつけ足したり、0を6や9に変えるなど)ことである

●算術計算
・アラビアで系統的な算術計算が初めて現れたのはアル・フワーリズミーの「インド数字による計算法」の中で、位取り法と加減乗除の算術計算が述べられている

●10進小数
・整数と分数を区別するための記号や仕組みを最初に考え出したのはアラビア人だった

・10進小数が初めて体系化してアラビアの数学に現れたのは、アル・ウクリーディスリーの「インド式計算についての諸章から成る本」(952年)の中である

○アル・ウクリーディスリーは紙とペンによる計算を唱えた
 それまでは、砂や塵を乗せた板の上で計算していたので、途中の段階が次々と消されてしまうという欠点があった