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おっちゃんの世界史の栞 18 共和政ローマ/1

2010-08-08 17:40:10 | HKT48 AKB48
(3)古代ローマ世界 2 共和政ローマ/1

〈S・P・Q・R〉
・ローマ人はみずからの国家をS・P・Q・Rとしるす。
・これは、Senatus Populusque Romanus の略号で「ローマの元老院と民衆」の意味である。
・共和政時代の制度のうえでは、市民が最高の権限をもち、全市民が参加する複数の集会(民会)によって、さまざまな決定が行われてきたが、国家の方針を定めるなどの実質的な権力を握っていたのは、貴族たちを主体とする元老院階級だった。
・元老院議員の資格は30歳以上で、基本的には終身制だった。

・王政が廃止されたあと、王に代わる国政と軍事の最高責任者として、執政官(コンスル)が選ばれた。
・執政官の任期は1年で、同時に2名選出され、元老院の助言を受けながら国政をつかさどる。

・最古のローマでは、人民は全人民を意味するのではなく、貴族(パトリキ)と騎士(エクイテス)の2階級だけが人民で、他は平民(プレブス)だった。

★共和政ローマの歩み
・前494年 聖山事件→護民官設置
・平民会設置
・前450年 十二表法 制定
・前367年 リキニウス・セクスティウス法 制定
・前287年 ホルテンシウス法 制定
・前264~241年 第1回ポエニ戦争
・前218~201年 第2回ポエニ戦争
・前216年 カンネーの戦い
・前202年 ザマの戦い
・前149~146年 第3回ポエニ戦争
・前133年 グラックス兄弟の改革
・前91~88年 同盟市戦争
・前88年 マリウスとスラの抗争
・前73年 スパルタクスの反乱
・前60年 第1回三頭政治始まる(ポンペイウス、クラッスス、カエサル)
・前58~51年 カエサルのガリア遠征
・前46~44年 カエサルの独裁
・前44年 カエサル暗殺
・前43年 第2回三頭政治始まる(アントニウス、オクタヴィアヌス、レピドゥス)
・前31年 アクティウムの海戦
・前30年 プトレマイオス朝滅亡

〈聖山事件〉
・前494年、平民はローマ近郊の聖山に立てこもり、労働も軍務も拒否すると宣言した。
・債務奴隷を解放し、その借金を棒引きにせよ、平民を守るための司政官の選出を認めよ、さもなければ我々は山から降りない。と
・元老院はついに折れて、借金は棒引き、債務奴隷は解放、そして毎年平民から2人の護民官(元老院の議決やコンスルの職務行為などに対し拒否権を行使できた)と3人の造営官を選出することが認められた。
・前449年以降、護民官の定員は10名。

〈十二表法〉
・成文法の十二表法が制定されるまで、法律は貴族層からなる神官に独占され、裁判の基準は秘密であった。
・法の公開を求める平民の声が高まっていた。
・伝承によれば、先進のギリシアの立法者ソロンの法を学ぶべく、ローマ人3人がギリシアのアテネに派遣されたという。
・帰国後、成文法制定のための十人委員会が設置され、前450年ローマで最初の成文法が公示された。
・12枚の銅板に刻まれたので、十二表法と呼ばれた。
・ローマ人は子供のころから、「十二表法」を暗記させられたという。
・第4表第2項「父は息子に対する生殺与奪の権があたえられる」
 とあり、家父長権は絶大であった。
・ポエニ戦争が終わるころまでは、子供の教師は父であった。(学校制度も、奴隷を家庭教師に使う習慣もまだなかった)

〈リキニウス・セクスティウス法〉
・前367年、護民官のリキニウスとセクスティウスの提案で、コンスル2名のうち1名を平民から選出することが決議された。
・しかし、毎年コンスルの1人に平民出身の者が選出されるのは、前341年以後である。

・前4世紀末ごろ、コンスルの下した体刑や死刑に不服な場合には、民会に控訴する権利が認められた。

〈ホルテンシウス法〉
・前287年、平民出身の独裁官クィントゥス・ホルテンシウスが成立させた
・平民会決議は元老院の承認を得ずとも国法となる。
・平民会決議はローマ市民全体を拘束するものとなる。
・貴族もそこに出席するようになり、区(トリプス)ごとに投票していたのでトリプス民会と呼ばれるようになり、名実ともに正規の市民総会となる。